株式会社帝国書院では、対面での営業が厳しくなったコロナ禍をきっかけに、『コーポレートサイトをリニューアルし、間接営業のハブにする!』ことを目指して社内プロジェクトを立ち上げ、SITEMANAGEを導入。並行して、会員サイトやECサイトの立ち上げ、会員限定コンテンツの拡充などを行い、今では営業になくてはならないツールになっています。
本プロジェクトの推進を行うICT開発推進室の二宮様、大谷様に、SITEMANAGE導入の決め手やSITEMANAGEを使ったマーケティング、その成果などについて詳しくお話しいただきました。
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導入目的
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- コーポレートサイトをリニューアルし、間接営業やユーザーのニーズの把握に役立てる
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導入理由
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- 上場企業の実績が多く、サービスの信頼性が高い
- シフトの営業担当者の印象が良く、プレゼンも分かりやすかった
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導入成果
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- Webページの制作や更新が社内でできるようになった
- ユーザーの閲覧情報などからニーズを汲み、コンテンツ開発に役立てられるようになった
目次
コーポレートサイトを抜本的に改修し、ニーズに合ったコンテンツを提供したい
―まずは、帝国書院の事業内容をご紹介いただけますか。
大谷様:主な事業は、社会科の教科書の発行です。一番の主力商品は地図帳で、義務教育である小中学校の地図帳のシェアは約97~98%を占めています。
また、現在はデジタル教科書やデジタル教材にも力を入れています。そのほか、大手学習塾の学習用地図や、飛行機の機内誌に掲載される地図、地図をテーマにした一般書籍なども手掛けています。
大谷 系樹 様 株式会社帝国書院 ICT開発推進室 開発課
二宮様:当社は1917年に設立され、学校現場に支えられて100年以上が経ちました。これからも時代に即して変化しながら、200年企業になることを目標にしています。
―どのような課題から、コーポレートサイトのリニューアルに至ったのでしょうか。
二宮様:旧サイトは、ずいぶん昔にオンプレミスで外注制作し、そのまま改修もせずに使っていたため、今となっては操作性が悪く、デザイン的にも改善が必要でした。また、ちょっとした更新を行うだけでも外注が必要で、そのうえ外注先の対応も遅いなど、運用面の利便性も低いことが課題でした。
一方で、我々の主な取引先である学校には営業担当者が直接足を運んで話をするため、Webサイトの重要性は低く、改修にはなかなか手を付けられずにいました。
しかし、近年はデジタルコンテンツの重要性が高まり、競合他社もWebサイトを重要なツールとして位置付けるようになっています。業界の諸問題により学校での営業ができなくなってしまった地域もあり、Webサイトなどを通じた間接営業も必要になってきました。
なにより最大の変化は、子どもたちが学校で1人1台端末を持つようになったことです。そのための準備も進めていかなければならないという中で、コロナ禍になり、中長期的に取り組まなければと思っていた課題が、喫緊の課題になったというわけです。
―コーポレートサイトをどのように改修したいと考えていましたか。
二宮 康 様 株式会社帝国書院 ICT開発推進室 部長
二宮様:大前提として考えていたのは、抜本的にクラッシュアンドビルドすること。その際、CMSを導入して、社内で運用したいということも考えていました。これまでのように外注しなければ更新できないというのでは運用が面倒ですし、社内でも自分で考えながら手を動かすというスキルを磨いていった方が良いというのがその理由です。また、他社にも広く使われているようなCMSであれば、機能もどんどん改善され、長く使っていけるだろうという期待もありました。
もう一つ考えたのは、マーケティングを活用して、ニーズに合ったコンテンツを提供したいということでした。実は、それができる企業を探していたところ、何かの展示会でシフトさんと出会って。後日改めて話を聞きたいと言うと、その1か月後くらいに膨大なSEOの資料を持ってきて、当社がインターネット上でどのように見られていて、どこに改善点があるのかを詳しく話してくれたんです。そうした縁があって、CMS選定のコンペに参加してもらうことになりました。
他社の実績も多く、何ができるのかが明確だった
―SITEMANAGEを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
二宮様:実は、Webサイトの改修と同時に、会社の基幹システムをクラウド化したいという思いがあったので、コンペでは基幹システムのクラウド運用とWebサイト運用の両方を提案してくださいとお願いしていました。でも、コンペに参加した3社のうち、シフトさんだけが「うちはクラウドができないから、Webサイトの提案だけさせてください」と言ってプレゼンをされたんです。
だから本当はコンペ条件から外れていたのですが、内容はシフトさんが圧倒的に良かったです。結果的にWebサイトとクラウドを分けて、Webサイトはシフトさんにお願いしようということになりました。
特に良かったのは、プレゼンの資料が分かりやすかったこと。SITEMANAGEはパッケージとしてすでにある程度できあがっていて、他社の実績も多くあったので、どのようなWebサイトができるのかが容易に想像できました。また、教科書会社として信頼性のあるWebサイトでなければならないので、上場企業の実績が多いことも魅力的でしたね。
プレゼンを通してシフトの安野社長や営業の市岡さんたちの熱意も伝わってきましたし、「皆さんで一緒につくっていきましょう」と言っていただけたことも良かったなと思います。
市岡 亮太 シフトWebディレクター
市岡:Webサイトの制作にあたっては、その事業や商品に対する知識が必要なのですが、知識量ではどうしてもお客様に及びません。そのため、『いつも自分を育てていってください!』という思いも込めて、熱意が伝わればとご提案しています。
二宮様:そうした市岡さんの人柄も、SITEMANAGEを選んだ決め手の一つにありましたね。いつも笑っていて低姿勢ですし、清潔感があってスマートな感じがするんです。
今では、間接営業をするうえでなくてはならないものに
―開発のキックオフからローンチまでは、どのような流れでしたか。
二宮様:開発のスタートが2021年2月ごろで、2022年4月にローンチしました。最初はWebサイトのリニューアルという話で始まったのですが、途中で当社の教科書や書籍を利用する方々に向けた会員サイトや会員限定のコンテンツ、ECサイトなどの制作を追加していったので、常に要件定義と開発が並行して走っているような感じでしたね。
最初の構想が実現していくと、あれもやりたい、これもやりたいとアイデアが膨らんでくるんですよ。SITEMANAGEの実績から、そのアイデアが実現できることもわかっていたので、どんどんお願いしました。それによって、通常よりやや長めの14か月という時間がかかりましたね。
―完成したサイトの詳細を教えてください。
二宮様:コーポレートサイトがベースとしてあり、そこに会員サイトとECサイトが紐づいていて、会員サイトの中には会員限定コンテンツがあります。会員限定コンテンツの中には、教科書を購入した先生だけがダウンロードできる教材データなどもあり、コンテンツの閲覧数やダウンロード数から、先生方が何に興味を持っているのか、あるいは授業準備には何が必要とされているのかといった傾向がこちら側で把握できるようになっています。
そうした情報は日々のコンテンツ開発に役立てていて、今ではSITEMANAGEなしでは当社の間接営業を語れないというほど重要なものになっています。また、離脱率の高いコンテンツなどがあれば、何か課題があるのではないかと見直すことができるようにもなりました。
―開発において、こだわった点や苦労した点はありますか。
市岡:小学生から先生方、一般の方まで、いろいろな属性の方が訪れるサイトなので、誰にとっても見やすいサイトにしなければならないという点が大変でしたね。たとえば、小学校や中学校、高校の先生がそれぞれ訪れたときに、どこにどのような情報が集まっていれば見やすいのか、その中でも会員にはどのようなコンテンツを見せるのかといった、情報の出し分けに苦労しました。
沼尻 勝貴 シフト システムエンジニア
沼尻:情報の出し分けに加えて、そのページのターゲットに合わせたデザインも考えましたよね。小学校の生徒さん向けに制作した社会科の勉強ができるサイトは、やわらかい、愛らしい印象のデザインにしました。
関係部署が多岐にわたるので、それぞれの担当の方と打ち合わせをして、それをまとめながら形にしていくのが大変でしたよね。二宮さんにその間に入ってもらい、落としどころを決めていただいたりもしました。
―運用はどのような方がされていますか。その方は、すぐに慣れることができましたか。
二宮様:運用には、すべての社員が関わっています。新しいことをやろうとすると、皆は自分の仕事が増えるのではと思って反対するのですが、SITEMANAGEに実際に触れてみると簡単で便利だということが分かってもらえるので、今ではすっかりSITEMANAGEがなくてはならないものになっています。もう反対していたことすら忘れているのではないでしょうか(笑)。
大谷様:私も、帝国書院に入社するまではWebページの制作や更新をした経験がまったくなく、最初は戸惑いがありました。でも、テンプレートを使えばすぐにWebページが作成できたので、こんなに簡単なら自分にもできると思った記憶があります。一週間も触れば、すっかり慣れていましたね。
二宮様:すぐに慣れることができたのは、要件定義の段階でこちらの要望をかなり細かくヒアリングしていただき、それを実現していただいたということもあったと思います。
SITEMANAGEは、ベースのCMSにいろいろなプラグインを付加してカスタマイズしていくことが基本ですが、当社はプラグインそのものもカスタマイズしてもらうケースも多かったですよね。安野社長にも知恵を出していただきながら、できる限り要望を叶えるべく、いろいろな提案をしていただきました。
大谷様:それと、普段困ったことがあればすぐに市岡さんに聞ける環境があるところも良いですね。急いで回答が欲しいというときは5分で返事があるので、とても助かっています。運用面は、市岡さんに育てていただきましたね。
―サイトのローンチから約1年半が経ちましたが、成果はいかがでしょうか。
二宮様:まずは、最初の構想どおり、外注せずに社内でWebページの新規作成や改修などができるようになりました。また、サイトのアクセス数が把握できるので、コンテンツ開発や間接営業への利活用もできるようになりました。会員数は、ローンチから1年経たないうちにリニューアル前の旧会員数を超え、もうすぐ2万人に到達しようとしています(2023年12月取材時点)。
沼尻:どの機能も使い倒していただいていますよね。実際に運用してみて、気になる部分があればご相談していただき、改善していく。それによってどんどん良いものにしていっていただいているので、すごく良い使い方をしていただいているなという印象です。
かゆいところに手が届くカスタマイズができる
―今後、SITEMANAGEを活用して実現したいことはありますか。
二宮様:トップページの閲覧状況を見ると、多くの人はページをスクロールせず、上部に表示されているボタンから何らかのコンテンツに入っていくことが分かりました。そのため、見てほしいコンテンツへの導線をいかに目につきやすいところに置くかを考えて、改善していかなければならないと思っています。
トップページのビジュアルも、3年くらい経ったら変えたいなと思っていますね。これからも改修を繰り返しながら、より良いものを追求していきたいと思います。
ほかにも、将来的に生徒が教科書をECサイトで購入する時代になることを見越して、ECサイトとクラウド教材を組み合わせた一般販売の強化にも着手したいと思っています。
―最後に、SITEMANAGEの導入を検討している方にメッセージをいただけますか。
二宮様:SITEMANAGEはユーザーが非常に多く、シフトさんはさまざまな開発や運用に慣れているので、各社のかゆいところに手が届くようなカスタマイズができます。また、何かを相談すると、それができるかどうかだけでなく、新たな提案をしてくれるので、そこからより良いものを目指したディスカッションができるんです。もはや発注先というよりも、パートナーという感覚ですね。
大谷様:難しいことでもできないとは言わずに、こちらの悩みや理想を聞いたうえで、この形ならどうでしょうと代案を持ってきてくれるんですよね。Webサイトに関する悩みがあるのなら、一度相談してみてほしいと思います。
担当者からのコメント
歴史ある帝国書院様のサイトのリニューアルプロジェクトを弊社にお任せいただきまして、本当に感謝しております。
ご担当の二宮様、大谷様をはじめとして、これまでにさまざまな部署の方々とお会いしサイトの制作を進めてきましたが、本当に熱意のある方ばかりで、とても頼もしく感じております。
これからも帝国書院様の一社員のような気持ちで、共に成長をしていけるように尽力してまいります。
WebサイトのリニューアルやDX化に伴うWeb周りのお困りごとがございましたら、いつでもご連絡ください!
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この事例を担当した人
ディレクター
市岡 亮太
主任 新卒の会社では主にOA機器の新規開拓営業、前職ではビルマネジメント業務を経験し、 3社目でシフトに入社。 担当範囲は、コーポレートサイトや情報ポータルサイト、会員専用サイトなど幅広く、 小規模~大規模案件まで様々な種類のサイトを手掛ける。