株式会社STUDIO55は、SITEMANAGEを使って、自社初のプラットフォーム事業を立ち上げました。SITEMANAGEを選んだのは、過去にコーポレートサイトのリニューアルでSITEMANAGEを導入した経験があったから。
コーポレートサイトとは違って、利用料を支払っているユーザーに向けたサイトになるため、使い勝手の良さなどを特に意識する必要がありましたが、シフトの知見も多く取り入れることで、他社からも評価されるUIにできたといいます。
そこで、会員サイトの構築にあたってSITEMANAGEに期待したことや、開発中のエピソード、リリース後の成果などを詳しく伺いました。
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目的
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- 会員向けのサイトを構築し、プラットフォーム事業を展開したい
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課題
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- プラットフォーム事業の展開は初めてで、どのようなサイトを構築するべきかという知見がない
- コーディングの知識を持つ社員がいない
- 運用開始後のランニングコストを抑えたい
- 1年以内にサイトを構築し、公開したい
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成果
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- 更新や修正が発生した場合にも、内製できる部分が多いため、ランニングコストがかなり抑えられた
- 豊富なプラグインを活用し、希望の機能を実現することができた
- 想定よりも業界内の認知拡大が早く、半年で800名のユーザーが登録
目次
新規事業の主体となるサイトを構築したい
―まずは、STUDIO55の事業内容をご紹介いただけますか。
藤麻 貴博 様 株式会社STUDIO55
ソフトウェア・プラットフォーム事業部 マネージングプロデューサー
藤麻様:当社は、「Support Your Design」というスローガンのもと、主に建築設計者向けのサービスを提供しています。具体的には、設計したデザインデータを見える化するために図面をCGやVRに起こしたり、「BIM」という設計ツールの導入や活用をサポートしたりしています。
―今回、SITEMANAGEを使って開発した「BIM fan !」というサイトは、どのようなものですか。
藤麻様:設計ツール「BIM」の活用サポートを会員向けに行う、当社初のプラットフォーム事業です。「BIM」は、これまで使われてきた設計ツールの「CAD」に代わる新しい3次元の設計ツールです。
その普及を国交省も推進しているのですが、まだまだ十分ではないため、BIMの導入を推進したいと考えて、導入のハードルになりがちな部分をサポートするサービスとして展開しています。
サイトの会員に登録していただくと、確認申請に対応したテンプレートやBIMの操作テクニックを解説する動画コンテンツの閲覧などができるようになり、また有料会員にアップグレードすることで、BIMを使って設計するうえで必要になる素材やプラグインのダウンロードが可能となります。
SITEMANAGEの実績から、再び活用を決めた
―どのような経緯でSITEMANAGEを導入いただいたのでしょうか。
藤麻様:この事業の立ち上げが決まったのが2022年11月ごろなのですが、実はそのときすでにSITEMANAGEを使ってコーポレートサイトをリニューアルしていたので、同じサービスを導入した方が操作も慣れているし、管理も煩雑にならないと考えて、シフトさんに相談しました。
当社はこうしたプラットフォーム事業を手掛けるのが初めてだったのですが、シフトさん自身は、他業界ですでに図面がダウンロードできるような会員制サイトをSITEMANAGEで制作した実績があるとのことだったので、そのまま依頼させていただきました。
相談時には、こんなページをつくりたいという大枠を伝えたのですが、ページ構成はどのようなものが見やすいのか、会員認証をどうするのかといった細かなご提案をいただけたので、安心できました。
―プラットフォーム事業のためのサイトを立ち上げるにあたって、シフトやSITEMANAGEに期待したことは何でしたか。
藤麻様:シフトさんに期待したのは、経験値ですね。当社は社長がデザイナーで、サイトのデザインに対してもこだわりが強いので、コーポレートサイトのリニューアルを通して、当社のデザインのポイントを知っていただいていたことも良かったです。
CMSであるSITEMANAGEに期待したのは、自社で運用できるということ。プラットフォームをリリースしてからも、そこで提供する素材やコンテンツ、ニュースなどをアップデートしていくので、それを都度外注するのではなく、自走できる体制にしたいという思いがありました。
会員制サイトならではの工夫やアドバイスがあった
―開発のキックオフから公開までは、どのような流れでしたか。
藤麻様:2022年11月ごろにシフトさんにご相談して、2023年4月に開発のプロジェクトがキックオフしました。そこから打ち合わせを3か月ほど行い、7月から実際の開発に着手して、同年11月に公開に至りました。本来はもう少し開発に時間をとるべきところを、23年中にはどうしても公開したいという思いがあり、このようになりましたね。
久原 菜摘 シフト Webディレクター
久原:今回は有料会員制のサイトだったので、自動継続課金の機能を付加する必要がありました。そうした部分の開発を慎重に進めるために、いつもはなるべく開発とテストが重ならないスケジュールを組むことが多いのですが、今回は一部の開発とテストを重ねて進めることで、開発期間を短縮する工夫をしました。
藤麻様にもかなりご協力をいただき、この期日までに決めてほしいということは、そのとおりに決めてくださいましたし、その場でご判断いただけることも多かったので、要件定義の期間が短縮できたことも大きかったですね。本来は打ち合わせだけで半年ほどかかる規模でしたが、3か月で終えることができました。
藤麻様:私がサイト開発の責任者も兼ねて1人で担当していたので、デザインに関わる部分以外は、その場で判断できたんですよね。
基本仕様部分 アクションアイテム
―開発を振り返って、印象に残っていることはありますか。
藤麻様:コーポレートサイトと違って今回は課金サービスになるため、ユーザーがストレスなく利用できるように、いかに閲覧しやすく、使い勝手良くするかに注力しました。
久原:どちらかというとコーポレートサイトは、企業としてのブランディングも重要な要素となるためデザイン面に特に注力しましたが、今回はユーザーの使い勝手や機能面、セキュリティ面により意識を向けてつくり込んでいきましたね。細かいところで言うと、サイト上でユーザーが何かを検索したときの結果の出し方にストレスがないか、といったことまで一緒に考えていきました。
藤麻様:そうですね。あとは、決済サービスの導入が必要だったので、そうしたサービスを提供している会社を紹介してもらいました。また、決済にまつわるリスクや注意点も含めていろいろとご提案いただき、クレジットカード情報を自社で持たないようにできるといったこともアドバイスいただけて、ありがたかったです。
―会員制プラットフォームだからこそカスタマイズしたことはありましたか。
海老澤 崇夫 シフト システムエンジニア
海老澤:「BIM fan !」サイトならではのカスタマイズと言えるのは、コミュニティプラグインですね。コミュニティプラグインとは、掲示板でユーザーさんがコメントを投稿できるプラグインのこと。「BIM fan !」には会員プランがいくつかあるのですが、プランによって見られる掲示板やコメントできる掲示板が異なるため、プランごとにそうした細かな設定ができるようにカスタマイズしました。
「BIM fan !」掲示板(※イメージ)
運用開始後のランニングコストが抑えられている
―運用が始まってから、操作などにはすぐに慣れることができましたか。
藤麻様:公開後は、主な運用をマーケティングチームやコンテンツ開発チームが担当しているのですが、一度シフトさんからWebミーティングを通じてレクチャーを受けた後は、各自でその動画を見たりしながら操作に慣れてもらいました。
でも、SITEMANAGEはどこで何ができるのかがパッと見て結構わかるので、数回操作すれば大体のことはできるようになっていましたね。また、疑問点は各自チャットで久原さんに直接聞けるような体制だったのも良かったと思います。
―実際に運用を始めてみて、どのような成果を感じていますか。
藤麻様:やはり、コンテンツの追加やページ内容の修正などが基本的に自社でできるようになっているので、コーディングの知識を持っているメンバーがいなくても、必要に応じてスピーディーに対応できる点が良いですね。
複雑なものはシフトさんにコーディングをお願いすることもありますが、一度つくっていただければCMSの編集ページでコードが見られるので、ほかのページで似たようなことをやりたい場合もそれをコピーしてカスタマイズできるんです。内製できる部分が多いので、ランニングコストはかなり抑えられているのではないかと思いますね。
API(※1)にも対応しているので、当社で開発したソフトウェアを「BIM fan !」の会員だけが使えるようにしたいという要望も低コストで叶えられました。
SITEMANAGEのユーザープラグインと当社のソフトウェアを紐づけて、ユーザーからソフトウェアへのアクセスがあった場合に現在会員かどうかの認証を自動でできるようにしたのですが、もしそれができなければ別途認証用サーバーを用意しなければならなかったので、その分だけコストも手間もかかっていただろうなと思います。
「BIM fan !」自体の成果は、思ったより認知が広がっているという印象ですね。大手ゼネコンさんからは、「面白い取り組みやってるよね」とよく言われます。運用開始からおよそ半年で、約800名(2024年7月時点)の登録がありました。
※1 API(Application Programming Interface):アプリケーションやソフトウェアとプログラムをつなぐこと
―SITEMANAGEを使ってみて、特に満足しているポイントは何でしょうか。
藤麻様:SITEMANAGE以外のCMSを使ったことはありませんが、管理画面のインターフェースが分かりやすく、HTMLの知識がなくても簡単にページの作成や編集ができるところが気に入っています。また、各種プラグインもカスタマイズが可能なので、最終的にユーザーにとって使いやすいUIにできたと感じています。
サイトの完成度を見た取引先から、新たな事業の提案も
―今後、SITEMANAGEで実現したいことはありますか。
藤麻様:「BIM fan !」をリリース後、大手ゼネコンさんから私たちが想像していなかった相談を頂くことがありました。詳しくはお話できないのですが、「BIM fan !」によって新しいビジネスアイディアを頂くことができましたので、シフトさんと一緒に形にしていきたいと思っています。
ほかにも、当社が代理店を務めている建築用ソフトウェアのサポート専用サイトも、いずれSITEMANAGEで構築したいなと考えていますね。
―SITEMANAGEをどのような企業におすすめしたいと思われますか。
藤麻様:当社のように、システムの専門知識を持つ社員がいない会社さんにおすすめしたいですね。サイトは構築して終わりではなく、運用する中で随時更新や修正が発生するものなので、それらをある程度内製できると、管理コストがかなり抑えられるのではないかと思いますし、それがCMSの一番の利点なのではないでしょうか。
担当者からコメント
STUDIO55様はコーポレートサイトリニューアル時からお付き合いさせていただいており、新規事業のサイト構築にも携われて非常に嬉しく思っております。
専門的な知識や経験がある人が社内にいなくても、「こういうことがやりたい」というご要望さえいただければ、構想段階でも、サイトのイメージを作り上げるところから当社はお手伝いが可能です。もちろん構築時も当社が先導いたします。
当社のこれまでのサイト制作・システム構築経験や各分野の専門家の知識を総動員し、お客様の「やりたい」を実現いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください!
新規サイトの相談をするこの事例を担当した人
ディレクター
N.K.
さまざまな業界のコーポレートサイト、ECサイト、会員制サイト、ポータルサイトなどの構築・リニューアルに携わり、約40サイトのディレクションを経験。課長として、部下の教育にも力を入れている。