一般社団法人日本倉庫協会は、2000年に開設したサイトについて、機能やコンテンツを引き継ぎながらもデザインを新しくしたいとリニューアルを検討。それまでは制作会社に依頼してサイト更新を行っていましたが、依頼にかかる手間や更新までの時間、ランニングコストなどを削減するため、CMSに着目しました。
3社を比較検討し、結果的にSITEMANAGEを導入。その導入の決め手や、開発におけるこだわり、リニューアル後の成果などを詳しく伺いました。
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目的
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- 公式サイトをリニューアルし、サイト更新にかかる時間やコストを削減したい
- 機能やコンテンツを引き継ぎながらも、デザインを新しくしたい
- CMSを使うことで、自分たちで更新作業ができるようにしたい
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課題
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- 旧サイトは2000年に開設したもので、デザインが非常に古かった
- サイト更新を制作会社に頼っており、更新されるまでに時間を要していた。また、やりとりにも手間がかかっており、ランニングコストも高かった
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成果
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- デザインが洗練された
- 自らの手で素早く情報の更新ができるようになり、運用が楽になった
- 1年でおよそ175万円のランニングコストを削減できた
- リニューアル直後から、サイトへのアクセス数が伸び続けている
目次
要望通りの開発ができるCMSを探していた
―まずは、一般社団法人日本倉庫協会の事業内容をご紹介いただけますか。
三浦 恒 様 一般社団法人 日本倉庫協会 調査部 主任
三浦様:1948年(昭和23年)に設立した、倉庫事業者が組織する団体です。前身となる団体まで含めれば、結成は1900年(明治33年)にまでさかのぼります。現在は、傘下の全国52地区の倉庫協会と一体となって、国土交通行政への協力を行うとともに、倉庫業の健全な発達を促進するための活動を行っています。具体例として、業界全体の要望や意見を集約して政府などに訴えたり、会員事業者の方々へ迅速な情報提供を行ったりしています。倉庫業のイメージアップのための広報活動や、教育研修事業の実施も重要な活動のひとつです。2024年5月1日時点では、全国で3487の会員事業者の皆さまに入会いただいております。
―SITEMANAGEを使って日本倉庫協会の公式Webサイトをリニューアルされましたが、どのような課題からリニューアルに至ったのでしょうか。
三浦様:以前のサイトは2000年に開設したもので、そもそもデザインが非常に古めかしいという課題がありました。加えて、サイトを更新したい場合は、制作会社に依頼してプログラムを書き換えてもらうという形で行っていたため、高いコストがかかっていましたし、補助金などの新しい情報をいち早く掲載したくても、実際に更新されるまでには半日から1日という時間を要していました。また、その更新依頼のやりとり自体にも、非常に手間がかかっていました。
―リニューアルにあたり、どのような基準でサービスを比較検討しましたか。
三浦様:いち早くサイトの情報を更新するにはCMSがいいだろうと考え、コンペを開催して3社を比較しました。シフトさんのことは展示会で知り、声をかけさせていただきましたね。
比較の際に最も重視したのは、要望通りの開発ができるかという点です。以前のサイトには、会員専用ページや、メールマガジンの登録導線の設置など、いろいろな機能を持たせていました。
また、基幹システムにある会員情報をサイトに反映させる仕組みなどもあり、リニューアル後のサイトにもそれらの機能を引き継ぎたいという思いがありました。
また、予算の関係で年度内に開発を完了したいという希望があったので、希望の納期までに対応してもらえるかという点も重要でした。ほかにも、デザインやUIの的確さや、見積もりが予算内かどうかということも比較したポイントでしたね。
サイトの改善や拡充もどんどん実現できると感じた
―そうした比較軸があった中で、SITEMANAGEを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
三浦様:やはり最も重視していた、要望通りの開発ができると感じたことですね。私たちがやりたかったことは、CMSではどうしてもイレギュラーな対応を求めることになってしまう部分があり、予算内でそこまで対応できるサービスはSITEMANAGEだけだったんです。
ほかの2社は、そもそも対応できないか、対応できても非常にお金がかかってしまうという返答だったのに、SITEMANAGEの営業担当だった濱野さんには、「ああ、できますよ」と軽く言っていただけて。
濱野:全くできませんというご案内をしたことは、ほぼないのではないかなと思います。
三浦様:SITEMANAGEにはいろいろな種類のプラグインがあるので、これが欲しい、もう少しこうしたいという要望にも、手が届くような形で対応していただけるんですよね。
拡張性に優れており、サイトの改善や拡充を視野に入れていたので、評価の高いポイントでした。
あとは、営業担当者と開発ディレクターが同じ人であるというのも安心できたポイントでした。単純に、導入検討時からずっと話してきた人であれば、その後の開発もやりやすいですからね。
濱野 和洋 シフト Webディレクター
濱野:24年4月から新規営業チームが立ち上がりました。現在は新規営業と開発をディレクションする営業が別になるのですが、できるだけスムーズに、お客様に負担をおかけせずに引き継ぎができるように、新規営業の担当者もプロジェクトが本格的に立ち上がるまでミーティングには参加することになっています。今後もプロジェクトがスムーズに進行できるよう、改善を進めていきたいと思っています。
開発イメージをしっかり伝え、お互いが納得できるまで話し合った
―開発のキックオフから公開までは、どのような流れでしたか。
三浦様:開発のプロジェクトは、2020年6月ごろからスタートしました。開発にかかったのは8か月ほどで、2021年2月にリニューアルを完了し、公開することができました。絶対に2020年度内に収まるようにしたかったので、それが実現できて良かったですね。
要件定義の打ち合わせは、3か月ほどかけてしっかりと行いました。その間は、週に1回、半日ほどかけて話を詰めていきましたね。その場で決められないこともあるので、一度持ち帰ったりしながら、慎重に検討していきました。
単にこちらのリクエストを押し付けるのではなく、しっかりと要望の背景やイメージを伝える責任が発注者側にもあると思いますので、そこには手間をかけましたね。
濱野:そうした考えで真摯に臨んでいただけたのは、とてもありがたかったです。プロジェクトも非常にスムーズに進行した覚えがあります。サイト開発には正解がないため、お客様が本当に納得してくださっているのかどうかは常に意識して対応させていただいております。
(左) 津田 和奏 (右) 濱野 和洋 シフト Webディレクター
三浦様:要件定義に臨むうえでは、発注者側がやりたいことを事前に明確にしておくことも大事なのだなと思いました。
ランニングコストを175万円削減でき、アクセス数も増えた
―現在、サイトはどのように運営していますか。
三浦様:主に会員事業者への情報発信の場として運営しています。ほかにも、講習会の受講者の募集を行ったり、一般の方に向けて倉庫業界にまつわる情報を発信したりと、多様な機能を持たせています。基本的にメインの運用担当は私が務めており、情報更新やメルマガ送付などを行っていますが、簡単なお知らせの発信などは、部署ごとに対応してもらっています。
―リニューアル後、成果を感じたポイントはありますか。
三浦様:まずは、やはりデザインが洗練されました。また、制作会社に頼んでいたころに比べると、CMSの導入によって自らの手で素早く情報の更新ができるようになったので、運用が非常に楽になりました。ランニングコストも、1年でおよそ175万円の大幅な削減ができています。
講習会の受講者の募集においては、それまではFAXやメールによる申し込みだったところを、サイト上から申し込めるようにしたことで、事務処理の負担を大きく軽減できました。受講者のデータも簡単に取得できるようになり、受講者への情報発信にかかる手間も少なくなりました。
サイトへのアクセス数もリニューアル直後から伸び、現在も少しずつ伸びています。要因はいろいろ考えられますが、一つはリニューアルを機に会員事業者をキーワードで検索できるようにしたところ、特にそのページのアクセス数が伸びていたことです。
以前は会員事業者を一覧で記載しているだけだったので、検索性が格段に上がり、預け先の倉庫を探している人などに利用していただけているのではないかなと思います。あとは、CMSによって情報を頻繁に更新できるようになったため、その情報を閲覧しに来てくださる人も増えたのかなと考えていますね。
―CMSの操作感は、いかがですか。
三浦様:直感的に操作できるので、使いやすいですね。私はマニュアルをあまり読まずにとりあえず触ってみるタイプなのですが、それでストレスなくできているということは、UIや導線をきちんと考えられているということなのではないでしょうか。
職員の中には、そうしたシステムの操作にあまり慣れていない方もいますが、マニュアルを用意したり、やり方を教えたりすればできるので、誰にとっても使いやすいのではないかなと思います。
―運用におけるシフトのサポートは手厚いですか。
三浦様:問い合わせに対するレスポンスが非常に早いので、助かっていますね。今のところ大きな問題が起こったことはありませんが、ちょっとした不具合が発見された場合にも、即時に対応いただけています。
濱野:ありがとうございます。社内では不具合を優先して作業することを徹底し、できるだけ迅速に対応できるようにしています。
実現したい要望がしっかりある会社には、SITEMANAGEがおすすめ
―現在はリニューアルから数年が経ちますが、これまでにどのようなサイト拡張を行ってきましたか。
三浦様:最近は、メールマガジンを改良しましたね。それまでメルマガは会員事業者だけが登録できるようにしていたのですが、会員サイトにログインしてから登録しなければならないといったように登録までのハードルが多く、なかなか登録者数が伸びないという課題がありました。
そこで、メルマガは会員サイトにログインしなくても誰でも登録できる等に変更し、新たな登録の導線を設けました。会員事業者だけにお知らせしたい情報は、メルマガの本文から会員サイトの記事へ誘導する運用に変更しました。
シフトさんには、メルマガを一斉送信できるメール配信エンジンとの連携もお手伝いいただきましたね。
濱野:そうですね。既存のWebのサーバーから大量のメールを送ると、迷惑メールだと判断されて届かなくなってしまうリスクがあるため、そうしたトラブルを防ぐために、適切な配信エンジンの選定からサポートさせていただきました。
三浦様:「こういうことがしたい」と相談すると、すぐに良いアイデアや提案をいただけるので、いつも頼りになります(笑)。
―今後、やりたいと考えている拡張や改善はありますか。
三浦様:機関紙やガイドラインなどの冊子を発行しており、すでに電子ブック化も行っているのですが、それらを分かりやすくサイトに掲載し、ペーパーレス化を図りたいと考えています。
濱野:本棚のような一覧ページをつくり、そこからリンクで遷移し、電子ブックとして読めるようにするというご提案をさせていただきましたね。
三浦様:実際に開発に着手するのはこれからですが、今後も情報発信の核となるツールとして、使いやすく、見やすいサイトとなるような改善を続けたいと考えています。
津田:今年の2月より、日本倉庫協会様の担当を引き継がせていただきました。サイト管理の点からも、とても分かりやすいサイト構造やシステム構造になっていると感じました。今後も、どなたが見ても理解しやすい仕様を維持しつつ、さまざまな機能拡張のご提案をさせていただければと思います。
―最後に、SITEMANAGEの導入を検討している方にメッセージをいただけますか。
三浦様:当協会のように、「サイトをこのようにしたい」という要望をある程度持っている会社であれば、いろいろな機能を拡張できるSITEMANAGEがおすすめです。どういったものが実現できるのかというのもしっかり相談できるので、まずは一度相談してみていただけたらと思います。
担当者からのコメント
80年近くの歴史がある日本倉庫協会様のサイト構築に携わらせていただきました。
レイアウトの刷新や運用業務に合わせたシステムを構築し、実際に業務がしやすくなった、とのお声をいただきとても嬉しく思います。
今後の機能拡張も含めて、他社様にも注目いただけるようなWebサイトとなるよう精進してまいります!
この事例を担当した人
ディレクター
濱野 和洋
前職では、主には社内SEとして業務システム、ECサイトなど様々なシステムを開発会社と協力して構築してきました。小売業に13年勤めていいたため、業務システムに必要な機能、運用面まで経験が豊富です。 シフトでは、大規模なECサイトやポータルサイト、業務システムの案件を担当することが多いです。