株式会社ナテックは、Webサイトを使ってマーケティングや営業を行い、Webからの問い合わせを増やすため、コーポレートサイトのリニューアルと製品サイトの立ち上げを実施しました。特に注力したのは製品サイトで、販売すると決まった商品はすぐにサイトに掲載して、翌日にでも営業を開始したいという思いがありました。

そこでCMSの導入を検討し、4社を比較したのちにSITEMANAGEを採用。その成果は、すぐに数字として表れてきたといいます。導入の決め手や開発中のエピソード、リリース後の成果などを、詳しく伺いました。

新規顧客を獲得できるWebサイトをつくりたい

―まずは、ナテックの事業内容をご紹介いただけますか。

岩門様：当社は1968年に創業して以来、診察券やキャッシュカードなど、皆さんの財布の中に入っているカード全般を製造してきました。イメージとしてはカード専門の特殊な印刷会社で、カードの生産量は大手印刷会社と並んで全国トップ3に入ります。カード専門会社に限定すれば国内で１番の製造量を誇ります。

近年は、カード以外の商品の販売にも注力しています。その中の一つがセミセルフレジで、病院やクリニックに向けて販売を行っています。ほかにも、診察券の発行システムや勤怠管理システム、非接触でタグのデータを読み込むRFIDソリューションなどを提供しています。

―今回、SITEMANAGEを使ってコーポレートサイトのリニューアルと製品サイトの立ち上げを実施されました。その背景には、どのような課題があったのでしょうか。

ナテック様コーポレートサイト

ナテック様製品サイト

岩門様：それまでナテックは、営業担当者がお客様を訪問して案件を獲得するという昔ながらの営業手法を用いてきました。しかし、コロナ禍で直接訪問しにくい状況が続いたことや、世間的な人手不足で営業人材の採用が厳しかったことなどから、今後はWebサイトを活用したマーケティングに力を入れて、Webから新規顧客を獲得するようシフトした方が良いのではないかと考えました。

そこで、まずはMA（※1）を導入したのですが、メールなどで商品を紹介しても、その詳細として案内できるページが当社のWebサイト上になかったんです。そのため製品を詳しく紹介し、そこから問い合わせもできるような製品ソリューションサイトが欲しいと思い、リニューアルに至りました。

山之内様：といっても、最初は既存のCMSで対応しようとしていたのですが、従来のサイトと雰囲気の合うページがつくれないということが問題としてありました。

また、イメージが実現できるテンプレートもなく、ソースコードで実現しようと頑張っていたのですが、とにかく時間がかかってしまい、もはや何をしているのかわからないような状況でした。サイトの制作会社さんともお付き合いがありましたが、コストも時間もかかるので、何とかしたいと思っていましたね。

※1 MA：マーケティングオートメーションの略で、収益向上や業務効率化を目指すため、マーケティング活動を仕組み化するツール

決め手は、コストと使い勝手のバランス

―リニューアルにあたってどのような基準でサービスを比較し、何を決め手として最終的にSITEMANAGEを選んだのでしょうか。

山之内様：まず、販売すると決まった商品はすぐにサイトに掲載して、翌日にでも営業を開始したいという思いがあったので、そのスピード感で製品ページを追加していくのであればCMSがいいだろうと考えました。4社ほどに声を掛けてコンペを実施しましたが、最終的な決め手はコストと使い勝手のバランスだったように思います。

シフトさんのCMSはパッケージ化されていて買い切りなので、初期費用はかかるけれど、ランニングコストが抑えられることが魅力でした。一方、他社のサービスは月額制だったので契約をやめた途端に使えなくなってしまいますし、来年から値段が上がりますと言われたら受けざるを得ないというリスクもありました。

使い勝手という面では、項目に沿って入力するだけで比較的簡単にページの追加ができることが良かったですね。また、CMSのシステム自体はもとより、シフトさんにSEO対策やコラムの作成、広告出稿など、Webマーケティングに付随する諸々が依頼できる社内体制があったことも大きかったですね。

岩門様：そうですね。Webマーケティングは、サイトをつくり終えてからが本当のスタート。当社はWebサイトに割ける人員が少ないので、シフトさんにそのあたりを全部カバーしていただけるというのは魅力的でした。

重森：シフトにお問い合わせいただいたときに、「商品の訴求に力を入れて問い合わせを増やしたい」というご要望を聞いて、これはもう絶対に当社がやるしかないと思って、頑張って提案をしましたね。

CMSの機能だけではなく、当社には上級ウェブ解析士などの資格を保有しているマーケターがおりますし、マーケティング支援には自信がありましたから。CMSについては、コーポレートサイトと製品サービスサイトということで、SITEMANAGEの特徴の1つであるマルチサイトライセンス（1つのシステムで複数サイトの管理が行える機能）を上手く使うことが出来ました。

山之内様：それから、自分としてはセキュリティ面も重視していたのですが、そこに太鼓判を押していただけたことも良かったなと思います。

提案型で決めやすく、打ち合わせはスムーズに進んだ

―開発のキックオフから公開までは、どのような流れでしたか。

岩門様：開発のプロジェクトがスタートしたのは、2022年9月ごろでしたね。私は営業職なので、営業の仕事を通常どおりにこなしながらWebサイト改修の打ち合わせも進める必要があり、Webサイトまで手が回らずに進捗が遅れてしまうこともありました。でも、シフトさんにうまく巻き返してもらったり、スケジュールを調整してもらったりして、最終的には遅れを取り戻すことができました。

山之内様：いつまでにこれをやってくださいねと期限を決めてもらったりして、上手にお尻を叩かれましたよね(笑)。それもあって半年ほどで開発を終え、翌年7月にリリースすることができました。

ナテック様 制作スケジュール

―開発を振り返って、印象に残っていることはありますか。

山之内様：何かを決めるときには、「どうしましょうか」とこちらに丸投げするのではなく、事前に選択肢を用意して「こういうのがありますけど、どれにしますか」と聞いてもらえたので、判断しやすかったですね。提案内容も、コンペのために作成した要件定義書にある程度則って考えていただいていましたし、ポンポンと決まっていった印象があります。

市岡：シフトでは、打ち合わせを進めるうえで提案型を意識しています。マーケティングのメンバーとも話しながら、どうすればより良くなるのかを考えてまとめていますね。ナテック様に関しては、判断していただくスピードがとても速かったのもあって、予定どおり進めることができたと思います。

高すぎると思った目標数値を、半年で達成

―完成したサイトがリリースされて約1年が経ちますが、使い勝手や成果はいかがですか。

山之内様：CMSの操作にはすぐに慣れることができました。あらかじめ書類で仕様を読んで、その後1回だけシフトさんに来社いただいて直接説明を受けましたが、それだけで支障なく操作できるようになりました。細かな疑問は問い合わせればすぐに答えがもらえますし、これまでも操作に困ったことはないですね。

機能として重宝しているのは、製品ソリューションサイトのプロダクトプラグイン。これによって、販売が決まった商品は即日掲載したいという要望を実現できています。カテゴリーを選んで、画像を用意して、所定の情報を入力したら、もうページが出来上がるんです。

情報の入力においても、事前に営業担当者にExcelフォーマットを埋めてもらえていれば、それをコピー＆ペーストで転記するだけ。以前は1日半くらいかけていたことが、数時間でできるようになりました。

フォーマットを必要としないページの制作も、ページプラグインで自由に書けるようになり、非常に助かっています。操作感がPowerPointに似ているので、プレゼン資料をつくれる程度のスキルがあれば、思ったとおりのページをデザインできるのではないでしょうか。

重森：ページプラグインのカスタマイズを行い、もっとしっかりデザインしたLP（※2）を制作したいという場合は、当社で構成やデザイン制作を行って納品することもできます。ナテック様にも、一度ご依頼いただきましたね。

岩門様：最も販売に注力しているセミセルフレジのLP制作を依頼しました。シフトさんであれば当社のWebサイトを熟知しているので、それに沿ったデザインにしていただけますし、サイト全体のマーケティング支援の一環として、LPについてもSEOの対策や経過報告、改善アドバイスをしていただけるので、ありがたいですね。

今後も高いデザイン性や、SEOにより有利なテキストの作成などが必要なときに、依頼したいと思っています。正直コストはかかりますが、それだけの価値があると思いますね。

※2 LP（ランディングページ）：自社の製品やサービスなどの情報を1ページにまとめ、購入やお問い合わせなどの行動を促すことに特化したWebページ

ナテック様 セミセルフレジ LP

―Webサイトを活用したマーケティングの成果はいかがですか。

岩門様：最初に1年以内に達成したい数値目標を設定したのですが、それは約半年で達成できました。社内でもその目標は高すぎるのではないかと言われましたが、やればできるのだなと思いました(笑)。導入前と比べて、有効な問い合わせは倍増し、それに伴って見積もり依頼も劇的に増えましたね。

各製品ページにその製品専用の問い合わせフォームを設け、問い合わせのハードルを下げたことが奏功したのだと思います。検索エンジンにも広告を出していますし、以前に比べれば商品説明も充実したので、それも成果につながっていますね。資料のダウンロード数も、以前の4倍になりました。

重森：ユーザーの使い勝手を考慮して、サイト内を回遊しやすく、お問い合わせしやすいような導線を考えてご提案したのですが、それが実際に成果につながって良かったなと思います。

岩門様：営業パーソン1人分のコストで、2～3人分の成果を出せていると感じますね。新規で問い合わせを取ってくるのはなかなか難しいですから。

SITEMANAGEは、専任のいない中小企業におすすめ

―今後、SITEMANAGEで実現したいことはありますか。

山之内様：今回のリニューアルでは特に製品サイトに注力したこともあり、コーポレートサイトの方はまだまだ強化できる部分があると感じています。もっと情報を充実させて会社そのものの魅力を伝え、そこから商品にも興味を持ってもらえたらと思いますね。

―最後に、SITEMANAGEの導入を検討している方にメッセージをいただけますか。

岩門様：ナテックのような中小企業でITの専門部署がなく、営業や管理系の方などがサイト運用を兼任している場合に、とてもおすすめのサービスだと思います。シフトさんであれば、リソースが割けなくてもトータルでお手伝いいただけますから。

山之内様：そうですね、自社の専門部隊と同じような動きをしてくれます。そもそも専門でなければ、理想を伝えることすら難しいと思うのですが、シフトさんは具体的な方法を提案してくれるので、とてもやりやすいと思いますね。