ライフサイエンスの専門商社である日本ジェネティクス株式会社は、エンドユーザーである研究者と、製品の販売を仲介する販売店に向けたサイトをリニューアル。もともとは内製のCMSを使用していましたが、シフトの熱意ある提案やSITEMANAGEの機能性の良さなどから、SITEMANAGEの導入を決めました。
いろいろなアイデアが湧き、開発は次第に大掛かりに。約1年半を費やして完成したサイトは、リリース後にUU数や新規会員数を伸ばすなど、大きな成果を上げています。
SITEMANAGEの導入に携わった中村様、石川様、高橋様、畑様、オンラインから根本様、板倉様にもご参加いただき、導入前の課題や開発中のエピソード、お気に入りの機能、成果などについて詳しく伺いました。
サイト紹介
シリーズ700件、型番数4,000件以上の製品から検索、製品情報を閲覧できる製品ポータルサイト。会員制のEC機能も備えられており、エンドユーザー、販売店それぞれのサービスを展開しています。
主な機能
- 製品検索
- オンライン会員サービス
- EC機能
- 販売価格のリアルタイム表記
- 見積もりやサンプル依頼から納品書の再発行までさまざまなオンラインでの手続き
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目的
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- 内製したCMSの属人化の解消
- 製品が検索しやすい自社サイトの構築
- 膨大な製品の中から最短で製品を見つけられる、明確な目的がなくても選びやすいサイトにしたい
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課題
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- 製品検索の検索スピードが遅く、検索性も悪かった
- サイトの使いにくさ、UI/UXに配慮されていない
- レスポンシブ(※1)に対応していなかった
※1 レスポンシブ:PCやスマホタブレットなど、デバイスの画面サイズによってデザインの表示を切り替える対応のこと
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成果
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- UU(ユニークユーザー)数は、月平均2万から2万8,000に増加
- オーガニックサーチでの流入UU数は60%向上
- エンドユーザー向けの会員サービスの新規会員数は、月平均90名から110名に増加
- Webからの問い合わせ件数は10%増加。問い合わせ内容の質も変化
目次
製品検索や会員サービスなど、さまざまな機能を持つサイト
―まずは、日本ジェネティクスの事業内容をご紹介いただけますか。
中村 友美様 日本ジェネティクス株式会社 マーケティング部 部長
中村様:当社は、ライフサイエンスの専門商社です。生物の遺伝子構造解析や病気や治療法の研究など、いわゆる生命科学に関連した研究に使われる機材、消耗品、試薬などを国内外のメーカーから仕入れて販売しています。エンドユーザーは実際に手を動かして実験している研究者や学生の方々ですが、そうした方々への直売はしておらず、販売店を通して販売するBtoBtoCといわれる事業形態です。
―現在、SITEMANAGEを使って運営しているサイトはどのようなものでしょうか。
中村様:エンドユーザーと販売店の両者に向けたサイトです。メインの機能は製品検索で、エンドユーザーの方々もこのサイトで製品を探し、販売店の営業さんもお客様であるエンドユーザーから問い合わせのあった製品をこのサイトで探すといったものになっています。製品はシリーズ数で700件、型番数では4000件以上。各製品に個別のページがあり、仕様や価格、在庫点数などの情報を閲覧することができます。
フリーワード・条件からの検索画面
また、エンドユーザーと販売店のそれぞれに対し、オンライン会員サービスも用意しています。エンドユーザー向けの会員サービスの登録者数は1万4,000名以上。EC機能を提供しており、販売店を選んで商品を購入すると、その販売店を経由して手元に届くという仕組みになっています。
ECで購入することの大きなメリットは、15~25%ほどのディスカウントと24時間365日いつでも注文できること。当社にとっては、購入先として当社を選んでいただきやすく、電子上で発注処理が完了するので注文書を送っていただく必要がないといったメリットがあります。研究室の訪問が難しかったコロナ禍のときには、特に利便性を発揮しました。
一方、販売店向けのサービスは登録会社数が300社、拠点数で600以上あるのですが、ログインするとその会社ごとに異なる仕切り価格が見られるようになっています。以前はお電話やメールでお問い合わせいただく事が多かったのですが、現在は価格の確認がWEB上で完結できるんです。
他にも、サイト上のフォームから見積もり依頼やサンプルの依頼、注文、注文のキャンセル、納品書の再発行など、さまざまな手続きができるようになっています。ちなみにこれはSITEMANAGEのアンケートプラグインを活用してつくったもので、フォームの修正なども自分たちで自由にできるようになっています。
初回の面談で提案内容を聞き、「シフトが良い」と直感
―今回、SITEMANAGEを使ってサイトをリニューアルされましたが、それ以前にはどのような課題がありましたか。
中村様:以前のサイトは社内エンジニアが構築した内製のものだったので、課題はいろいろとあったのですが、中でも製品検索の機能を改善したいと考えていました。
以前のサイトは検索スピードが遅く、あいまい検索もできなかったために、お客様から「目的の製品にたどり着けない」という問い合わせが多くあったんです。そこで、膨大な製品の中から目的の製品を最短距離で見つけられる、明確な目的がない場合にも選びやすくするということをメインテーマに、リニューアルをしたいと思っていました。
ほかにも、サイト内のどこに何のコンテンツがあるかがわかりにくいといった使い勝手の悪さや、全体的にUI/UXに配慮されていないといった課題もありました。また、レスポンシブに対応していなかったために、ちょっとしたテキストの更新であってもPC用のコードとスマホ用のコードをどちらも書き換えなければならず、手間がかかるといったことも課題でした。
現在のサイトではトップページのグロナビからさまざまな検索方法を提供
―リニューアルに際し、内製や外製などの検討は、どのように選択していかれたのでしょうか。
板倉様:外製にしたのは、社内エンジニアから「次は外注した方が良い」というアドバイスをもらっていたから。サイト構築に携わったエンジニアが退社すると、何かを改修したくても誰もわからないといった状況になってしまうというのが、その理由です。以前のサイトはまさにそうした状況でしたし、外部に委託して末永いお付き合いをさせていただく中で、いろいろと相談をしながら構築していきたいと考えました。
見積もりサイトを利用したところ、シフトさんを含む5社ほどにお声がけいただきました。それぞれの会社と面談をしましたが、実はその時点でシフトさんにお願いしたいと思っていました。
というのも、シフトさんは事前に当社のサイトや製品、業界などについてリサーチし、どのようなサイトの見せ方をすれば効果的なのかといったことまで踏み込んでご提案いただいて。前向きな姿勢がすごく伝わりましたし、少なくとも年単位でのプロジェクトになることが分かっていたので、信頼できると感じたことが大きな意味を持ちました。
市岡 亮太 シフト Webディレクター
市岡:ありがとうございます。お見積りの際に、UIなどの表側の部分に課題があるということを聞いていたので、まずは商材について調べ、社内の専門チームと話しながらどのようなカテゴリ分けをすべきなのかといったことを考えていきました。提案時には、その方向性が合っているかを確認しつつ、こういうふうにした方がいいのではないでしょうかという提案をさせていただきました。
中村様:実は、当初は表側だけを外注して、CMSは内製しようかということも迷っていたんです。でもSITEMANAGEを触らせてもらい、絶対にこれがいいと思ったこともシフトさんに決めた理由です。すごく直感的に使えるなということが一目見てわかったんです。
また、SITEMANAGEには、会員管理ができるユーザープラグインや、ページが自分たちで作成できるページプラグイン、バナーの公開や非公開が自動でできるタイマー機能などがあり、欲しい機能が揃っていました。また、必要があれば柔軟にカスタマイズできることも大きかったですね。
打ち合わせと開発を同時進行。アイデアが湧き、システムをまるっと構築する規模に
―開発のキックオフから公開まで、どのように進んでいきましたか。
市岡:2021年8月に最初のご提案をさせていただき、12月にキックオフしましたよね。その後、約1年半の開発期間を経て、2023年7月にリリースしました。
安野:打ち合わせや設計、開発を同時進行でやっていましたね。
スケジュール表
根本様:打ち合わせは本当に大変だったのではと思います。というのも、開発がスタートしてからも、当社で使っているシステムと連携したいといった要望が次々と出てきて、最終的にはシステムを丸々構築していただくような規模になってしまって。
要件定義の中で質問をいただいてもわからない部分も多く、返事をお待たせしてしまう場面も多くありました。ただ、そうした状況下でもシフトさんにはうまく進行していただき、時間を無駄にすることなく、スムーズに進めることができたと思います。
沼尻 勝貴 シフト システムエンジニア
沼尻:連携先が4つほどあり非常に多かったのと、初めて実装するサイト内検索のサービスやシフト側でのAPIの開発など、慣れない作業だったこともあり、社内では担当を決めて取り組む体制を整えました。
各々が自分の担当業務に責任を持って取り組んだことで、スムーズにプロジェクトを進めることができたと思います。
飯塚 裕太 シフト プロジェクトマネージャー
飯塚:そうですね。私も製品の検索機能を部分的に担当させていただいたのですが、検索サービス側のフォーマットに合わせて商品データを整備したり、検索機能の要望を実現するために検索サービス側との調整を迅速に行うことで、機能の早期実現に貢献できたと思います。
また、プロジェクトの進行を妨げることがないよう、メインで進行していた市岡から相談などを受けた際には、必要なアドバイスを即座に行うことで、チーム全体としてスムーズなプロジェクト進行に寄与できたと感じています。
市岡:私にとっても、とても勉強になった案件でしたね。
それぞれのお気に入り機能とは
―リリース後、実際に運用を始めてみていかがでしたか。
石川 和香様 日本ジェネティクス株式会社 マーケティング部
石川様:まず、どのプラグインも直観的に操作できると思いました。私がとても気に入っているのは、プレビュー機能。以前のCMSにはそうした機能がなかったため、製品ページを新しくつくったときは一瞬だけ公開してPDF化し、すぐに非公開にしていました。今はプレビュー機能でゆっくり作業できるようになったので、ありがたいですね。
高橋 理加様 日本ジェネティクス株式会社 マーケティング部
高橋様:私にとって大きかったのは、会員情報がSITEMANAGE上で見られること。以前はデータベースにアクセスしないと見られなかったのですが、今では簡単に会員情報が確認でき、場合によっては編集することもできるようになって、とても便利になりました。
畑様:導入したプラグインの量が非常に多かったので、私は運用フローに慣れるまでは少し苦労しましたが、今ではスムーズに運用できています。優れた機能だと思うのは、ニュースプラグイン。
表示先のカテゴリの指定によって、これはニュースページ、これはキャンペーンページ、これはインタビューページといったように、情報を出し分けることができるんです。表示場所やそれぞれのページの役割が違うのに、一つのプラグインで管理できるところが素晴らしいなと感じています。
畑 美保様 日本ジェネティクス株式会社 マーケティング部
中村様:私のお気に入りは、リンク切れを見つけてリストアップしてくれる機能。これまでは気づいたタイミングで修正していましたが、現在は毎日1回システムが自動でリンク切れをチェックしてくれるので、すぐに修正ができるようになりました。
根本様:私もお気に入りを一つ。ドキュメントの管理機能がとても優秀で、非常に数の多いドキュメントを、自分たちの意図するように整理整頓して管理できるようになりました。また、サイト上に公開したドキュメントはすべて、お客様も検索できるようになります。
ドキュメントや動画は、時間をかけて制作するにもかかわらず検索に引っかかりにくく、探し方がとても難しかった。それが簡単に検索できるようになり、コンテンツとしてもより価値が出せるようになりました。
中村様:SITEMANAGEの機能はもちろんですが、リリース後にもシフトさんにはいろいろなことを相談させていただいており、レスポンスよくスピーディーにご対応いただけています。リリース前と変わらない対応をしていただけていることが、安心にもつながっていますね。
―定量的な成果はいかがですか。
中村様:UU(ユニークユーザー)数は月平均2万から2万8,000に増加し、オーガニックサーチでの流入UU数も60%向上しました。構築の段階からSEOに配慮してくださったのはもちろん、製品の周辺ワードによる流入も格段に増えています。
さらに、エンドユーザー向けの会員サービスの新規会員数の月平均は90名から110名に増加し、Webからの問い合わせ件数も10%増加しています。特に問い合わせは内容の質が変化し、目的の製品ページにたどり着いた上で、製品の使い方などの一歩踏み込んだ質問が増えました。
―今後、SITEMANAGEで実現したいことはありますか。
中村様:まだ構想段階ですが、会員同士のコミュニティの設営や、気軽に質問できるチャット機能の導入、会員一人ひとりの興味にあわせた広告出稿などを考えていますね。SITEMANAGEでは本当にいろいろなことができるので、当社のように実現したいことが多い会社さんにも非常におすすめできるCMSです。
担当者からコメント
日本ジェネティクス様の製品紹介サイトのリニューアルを担当させていただきました。
取り扱っている商材の専門性が高かったため、サイト訪問者がどのように検索を行い、検索結果にどのような情報を求めているかを理解をすることにとても時間を要しました。
日本ジェネティクス様にご協力いただきながら、製品を見つけやすいサイトにリニューアルすることができたと感じております。
今回のプロジェクトでは、製品検索結果を外部サービスと連携したり、基幹システムと製品情報、在庫情報を連携するなど、多岐にわたる外部システムとの連携が必要となり、私自身もとても勉強になりました。
これからも日本ジェネティクス様にとって力強いパートナーであり続けられるよう、尽力してまいります!今回のプロジェクトで導入されたサイト内検索エンジン「ユニサーチ」を販売されているユニバーサルナレッジ社の担当者との対談記事もご用意しております。
サイト内検索エンジン導入をご検討中の方には、より具体的な導入イメージを持っていただける内容になっていますので、ぜひご覧ください。
⇒サイト内検索エンジンについて知る
Webサイトに掲載している製品情報の訴求方法や検索機能に関するお悩みなどございましたら、ぜひお気軽にご相談ください!
⇒製品サイトや会員制サイトについて相談するこの事例を担当者した人
ディレクター
市岡 亮太
新卒の会社では主にOA機器の新規開拓営業、前職ではビルマネジメント業務を経験し、 3社目でシフトに入社。 担当範囲は、コーポレートサイトや情報ポータルサイト、会員専用サイトなど幅広く、 小規模~大規模案件まで様々な種類のサイトを手掛ける。