創業当初から住宅設備機器およびリフォームサービスを提供する株式会社ライフワンは、リフォーム産業新聞(2023年11月27日発行)の「業種別リフォーム売上ランキング2023」において、総合リフォーム店部門で2位にランクイン。ネット専業としては7年連続で売上No.1を記録しています。楽天市場やYahoo!ショッピングのECモールにて『年間ベストストア賞』や『ショップ・オブ・ジ・エリア関東・甲信越エリア賞』など多数の賞を受賞。販売実績288万件、工事実績117万件を誇る、業界をリードする企業です。
2023年に新たな事業として店舗デザイン・設計・内装・施工のマッチングサイト『店舗設計施工.com』をリリースしました。本サイトは、既存店舗の改装や新しく店舗を構えるオーナー様の「施工会社(デザイン、設計、施工)を比較・検討したうえで依頼先を決定したい」という要望を叶えるために、オーナー様が施主としてサイト内で案件を登録し、そこに施工会社が入札するという仕組みのマッチングサイトになっています。サイトの開発にはSITEMANAGEを導入し、現在約2万人のエンドユーザーにご利用いただいています。
本プロジェクトの統括を行う営業促進部・部長の福留様、WEB制作課・課長の丸山様、副主任の助永様に、SITEMANAGE導入の決め手や活用方法、成果について詳しく伺いました。
-
目的
-
- 新ビジネス始動に伴って規模感のあるマッチングサイトを開発したい
- SEOに強い構造のサイトを構築し、これまでに培ったSEOノウハウを活用したい
- 今回開発するプラットフォームを横展開できるようにしたい
-
課題
-
- バグなどを迅速に解消するため、ゼロベースからの開発を避けたかった
- 自分達でサイト更新や内部のチューニングを行える仕様に仕上げたかった
-
成果
-
- サイトリリースから1年で月間約2万人のエンドユーザーにご利用いただける規模感になった
- 社内でサイト更新やコンテンツ制作を行える環境になり、スピーディーな情報発信につながっている
- SEO対策の効果も数字として表れはじめ、流入数の増加に伴い案件数も増加している
- UI/UX共に、使い勝手の良い理想どおりのマッチングプラットフォームとして形になった
目次
開発におけるバグのリスクをプラグイン活用で軽減
―SITEMANAGEを導入される前、どのような課題がありましたか。
福留 佑輝様 執行役員 営業促進部 部長
福留様:マッチングサイト『店舗設計施工.com』のリリースが決まり、当初は自分たちで開発したWebサイトなども運営していたのですが、自社だけでは一面的な思考や姿勢になりがちで、改修やサーバーなどのバージョンアップの対応に手が回らず、運用に課題を感じていました。
―SITEMANAGEに興味を持たれた経緯や決め手を教えてください。
福留様:最初にマッチングサービスを作れる会社様を数社ピックアップし、各社からご提案いただきました。提案のほとんどはゼロベースからの制作でしたが、シフトさんは「既存 CMS のパッケージをカスタマイズする形でリリースできる」と提案され、興味を持ちました。
丸山様:SITEMANAGEは開発のイメージがしやすかったです。「プラットフォームの中にプラグインがあり、ピックアップしたプラグインを組み合わせればこんな機能になるだろう」と想像できる点が大きな決め手になりました。
福留様:ゼロからの開発は、バグが起こるリスクが非常に高いのが難点です。新しい機能を一つずつ搭載するにも時間がかかってしまいます。SITEMANAGEはプラグインでカスタマイズに8~9割は対応できるので、コスト面でも、新機能リリースやバージョンアップなどの面でも、より早く展開できるのではないかと期待できました。
丸山様:SEO に強いサイトが作れる点も魅力を感じました。マッチングサイトはまだまだSEO対策をやりきれていない競合他社がいるため、圧倒的なアドバンテージを取るためにもSEO周りを強化していく必要があります。こうした総合的な判断でSITEMANAGEを導入しました。
丸山 淳司様 営業促進部 WEB制作課 課長
他サービスへの転化も視野に入れ、複数管理画面の複雑なシステムを丁寧に構築
―導入決定後、開発のキックオフからリリースまでの主な流れを教えてください。
福留様:まず要求定義を作り、それを土台にUXやUIなどを全面的に行っていただきました。進めていく過程で調整が必要なところも出てきますので、そこは弊社の助永と担当の方が密にやり取りをして作っていきました。
―要求定義では、どこに重点を置かれたのですか。
福留様:マッチングサイトは、運営側のログイン画面と設計施工会社様用のログイン画面、案件登録をいただく施主様用のログイン画面という3つの管理画面が必要で、複雑なシステム構造です。
いかに今あるものを上手く組み合わせながら作るかが最初の課題でした。そこで各管理画面に必要な機能と共通で使える機能を洗い出し、上手く使い回せる部分と独自でやらなければならない部分との棲み分けなどに時間を要しました。
また、月額課金や入札課金、成約課金などのフルスペックにあわせて、会員プログラムを組み合わせて割引したり、有料プランを作ったりする機能も欲しかったので、最初の打ち合わせで要件定義をしっかりやらせていただきました。
助永 迅様 営業促進部 WEB課 副主任
助永様:仕様書をもとに詳細設計をしてもらい、内容を見ながら「ここはもう少しUIを 良くした方がいいんじゃないか」「使いにくい部分があるんじゃないか」といった点を擦り合わせながら、完成に近づけていった形です。
山本:ライフワンさんは完成イメージを非常に具体的に持っておられましたので、細かい打ち合わせを重ねながら、いただいた要望とこちらの認識にズレが出ないよう進められたと思います。完成像を明確にイメージされているところが、本当にすごいなと思いましたし、ありがたいという気持ちもありました。
福留様:今回のビジネスプラットフォームは、ほかのサービスや新サービスに転化できる内容に作り上げたいと考え、拡張性・汎用性を重視しました。飲食系のマッチングサイトを作ることになっても、今回作ったプラットフォームならすぐにできると思うんです。
竹田:盛り込む機能が多いと最初は開発に集中しがちなのですが、ライフワンさんは次の展開や数年後の転換まで考えながらプランニングされていたので、非常に勉強させていただきました。
―プラグインはどれくらい使用したのですか。
竹田:お客様の要求次第ですが、ライフワンさんの場合は約20個です。SITEMANAGEのプラグインは全部で100近くあり、その中から本当に必要なものだけを取り込んでいくスタイルで作っていきます。今回は、必要なプラグインが比較的多かったケースですね。
竹田 雅明 シフト Webディレクター
福留様:3つの管理画面にもプラグインを利用しています。表側は会社管理や案件管理の連携、SEO対策のコラム執筆に関するプラグインや掲示板、チャット機能のプラグインなども利用しています。
不正防止の観点から、サイト外でのやり取りをできる限り避けられる仕組みを作る必要がありましたし、マッチング後のトラブルを防ぐためにやり取りの証拠が残る機能も実装しました。
助永様:プラグインを活用できたおかげで、サイト内ですべて完結できる機能とサービスを実装できました。
良いアイデアがあればすぐに検討し、一切妥協のない仕上がりに
―開発を振り返って、印象的だったことは何ですか。
福留様:コロナ禍の開発だったので、 打ち合わせはオンラインがメインでした。大きな壁があったというより、小さな壁を何個も乗り越えていく開発プロセスだったように思います。細かい認識合わせを繰り返して設計に起こしていただきました。
丸山様:ライフワンには開発者やデザイナーが在籍しているので、普段からスピーディーに業務を回していくことに慣れているんです。シフトさんにも要望をガンガンお伝えしては仕様設計をやり直してもらい、本当に大変だったと思います。
竹田:使い勝手へのこだわりは、一切妥協なしでしたね。
助永様:そうですね。何か良いアイデアが出ればすぐに連絡させていただき、オンラインミーティングを重ねました。
福留様:大体350個ぐらいの課題があり、1個あたり10~20ラリーは行っていました。要件定義をする仕様書は、最終的に400~500枚ぐらいになりましたね。
山本 恵佑 シフト Webディレクター
山本:私が知っている仕様書の中で一番長かったです。制作者も仕様に悩むことがあるので、SITEMANAGEに合わせた要求を細かくいただけて助かりました。
月間約2万人のエンドユーザーが利用し、施主の動きが活発化
―完成したマッチングサイトの特徴や機能を教えてください。
福留様:強みは、案件を出していただく施主様にできる限り寄り添ったサービス提供です。プラットフォーム自体も作り込んでいますが、それ以外の営業サポートでも電話やメールなどで密にやり取りをさせていただきながら「このサービスを利用して良かった」と心から思っていただけるサービスを目指しています。
たとえば、手付金をおさめた企業様が工事途中で倒産してしまった場合は、弊社が最大300万円まで補填する独自のサポートを行っています。取引先と連絡を取れなくなる事態も想定して500社ほどの企業者様と協力関係を作っており、補填が可能です。こういった安心感が提供できることも、弊社ならでは強みだと感じています。
今は1年間の無料期間中なのでお金をいただいていませんが、今後有料化していく中で月額課金の初月は無料で提供し、入札のみ料金を発生させる課金方法を検討しています。柔軟な料金形態を導入しながら、お客様や実際に使っていただく企業様に寄り添ったサービスを実現していきたいです。
―SITEMANAGEでサイトを立ち上げてから約1年が経ち、どんな成果がありましたか。
福留様:おかげさまで月間約2万人のエンドユーザーにご利用いただける規模感に達しました。ようやくSEOの効果も見えはじめ、お客様の流入増加に伴って案件が増えています。特にここ数か月は、案件を出していただく施主様の動きがとても活発になり、2倍3倍といったスピード感で数字の結果も出始めています。
―運用後にトラブルはありませんでしたか?
助永様:サイトリリース直後に、「施工会社」を管理するサプライヤープラグインのデータ数が想定を上回り、サイトが落ちてしまうことがありました。しかし、その際もシフトさんに解決に向けて根気よくサポートいただきましたので、今は問題なく動作しています。アフターフォローが充実していて助かりました。
福留様:このときの原因の解明は、非常に早かったと思います。ゼロベースでシステムを作った場合、トラブルが起きたらまず「エラーの原因がどこにあるか」を探さなければなりません。今回は原因をすぐに予想できたため、チューニング対応などで解決の見通しが立ちました。
ユーザーの要望に答えながら、理想のサイト構築へ
―今後、SITEMANAGEを活用して実現したいことはありますか。
丸山様:すでにエンドユーザーの声や運営側からの要望をもとに、機能追加や改善を進めてもらっています。この流れをスピーディーに継続していきたいと思っています。
助永様:みなさんから多くいただいたのは、通知についての要望です。案件を公開したタイミングで施工会社さんに通知メールが送られるのですが、そのメールに早く気が付いた方が勝つ仕組みになっていたんです。平等にするため、公開後の翌日に入札できるよう調整しました。
丸山様:マッチング後のチャットメールに気づかない施主さんもいらっしゃるので、より通知に気がつきやすい工夫を行えるよう動いたりもしています。しっかり要望をすくい上げ、満足度の高いサービスにしていきたいですね。
―SITEMANAGEは、どのような企業におすすめでしょうか。
福留様:SITEMANAGEは拡張性が高いのが強みです。既存のプログラムも多くありますので、それらを組み合わせてオリジナルの機能を構築できます。もちろん我々のように要望が多い企業もあると思いますが、そういった企業にとっても高いカスタマイズ性を発揮してくれるので、理想のシステムを構築できるのではないでしょうか。
丸山様:無料のCMSだと、WordPress の利用者が多いと思います。そこからセキュリティを強化したり、より高度なプラグインの利用を考えたりした場合、有料CMS という選択肢が出てきます。CMSに触れている方であれば、クオリティの高さからも検討の余地があるのではないでしょうか。我々にとっても、とても良いシステムでした。
助永様: シフトさんはサイト維持の仕組みや知見を多く積まれていて、SITEMANAGEはどんなサイトにも対応できるCMSだと感じます。「コーポレートサイトを作りたい」「この参考サイトのようなポータルサイトを作りたい」といった要望も実現可能ですし、今回のように「マッチングサイトを作りたい」という要望も、プラグインの組み合わせでできるのが強みですよね。相談にもしっかり答えてくれるので、まずは一度相談してみてはいかがでしょうか。
担当者からコメント
要件定義、設計のタイミングから「SITEMANAGE」導入後のサービスの運用イメージがかなり固まっているという印象で、弊社としてもライフワン様の考えるマッチングサイトの全体像を把握し、構築を進めることができました。
現在もユーザーの使い勝手や、運用に合わせた改善点について、随時改修を行っております。
多機能なマッチングサイトになりますので、色々なサイトでも活かせる機能がたくさんございます。サイト制作についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
サイト制作のお悩みを相談する
この事例を担当した人
ディレクター
K.Y.
シフトに入社後、コーポレートサイト、業務系ポータルサイト、施工系マッチングサイトの構築を担当。