キッコーマンバイオケミファ株式会社は、サイト運用にかかる手間を減らしたいと、SITEMANAGEを導入してコーポレートサイトをリニューアル。その後、プラグインを活用して製品サイトを次々と立ち上げ、現在は合計7サイトを運用しています。

コーポレートサイトのリニューアルや製品サイトの立ち上げに携わった企画部企画グループの大野尚子様に、旧サイトで抱えていた課題や、SITEMANAGEの導入を決めた理由、リニューアル後の成果などについて詳しくお話しいただきました。

HTMLの手入力から脱却し、サイト運営を効率化したい

―まずは、キッコーマンバイオケミファの事業内容をご紹介いただけますか。

大野様：当社は、2011年にキッコーマン食品(株)のバイオケミカル事業および健康食品素材事業と、(株)フードケミファの化成品事業が統合し、設立されました。それまで培ってきた微生物の培養技術と抽出技術を駆使し、健康で安全な生活のための製品を開発、製造しています。製品分野は大きく分けて3つあり、①食品の検査などに使用される検査キット、②医薬品原薬や化粧品原料などの化成品、③生活習慣病などの臨床診断用酵素となっています。

―どのような課題からコーポレートサイトのリニューアルや製品サイトの開設に至ったのでしょうか。

大野様：以前のコーポレートサイトは、2011年の会社設立時に開設したもので、HTMLを手入力しながら運用していました。しかしHTMLの手入力では、製品カテゴリの名前を1つ変えるだけでもその記載のあるページを1ページずつ変更していく必要があり、非常に手間がかかります。サイトが拡大するにつれてドキュメント管理も煩雑になり、ドキュメントに紐づくリンクの更新忘れなども発生していました。

また、新しい製品カテゴリやQ&A、セミナーや展示会の情報など、サイトに掲載したい情報が徐々に増えていき、1人では対応しきれなくなってきていました。加えて、更新にはHTMLの知識が必要になるため、思うように人を増やすこともできないという状況。過去にはサイト更新の外注も検討しましたが、ランニングコストがかかりすぎるため、実現には至りませんでした。

製品サイトについては、各製品の営業担当者などからコーポレートサイトのトップページの目立つ部分に自分の担当する製品を載せてほしいという要望が多く寄せられていたため、それなら個々のサイトを立ち上げて、そこで思いっきりアピールできるようにした方がいいだろうと思っていましたね。

キッコーマンバイオケミファ様　コーポレートサイト

5社を比較。導入後もシフト側の担当者が変わらない安心感があった

―コーポレートサイトのリニューアルと製品サイトの開設にあたり、どのようなサービスを検討しましたか。

大野様：まず、どうすればなるべく少ない人数で効率的にサイトを運用できるのかといろいろリサーチし、CMSの導入がいいだろうと考えました。

CMSのサービスは、5社を比較検討しました。その際に最も重視したのは、いかに手間がかからなくなるかということ。ほかにも、当社のサイト規模に合っているか、管理画面が操作しやすいかといったことも勘案して絞っていきました。

―最終的にSITEMANAGEに決めた理由を教えてください。

大野様：手間がかからなくなる、サイト規模が合っているというのはもちろん、管理画面も親しみやすいデザインで、使いやすそうだと思いました。初めてCMSを使うので感覚的なものでしたが、これまでサイト運用に携わったことのない社内の人でも入っていきやすいのではないかと思いましたね。

営業の担当者と、導入から運用までサポートする担当者が変わらないということにも安心感がありました。よくあるのは、営業の方は当社の要望や特徴をよく理解しているのに、担当者が変わった途端にそうでなくなり、こんなはずではなかったという事態に陥ってしまうこと。CMSそのものが良かったとしても、それを存分に自社で生かすためには、その間をうまくつないでいただける方の存在が大事だと考えていました。

また、多くのプラグインが用意されていたので、いろいろな応用が利くのではないかという期待もありました。サイトの内容を充実させるというのはもちろん、コーポレートサイトから切り出して製品サイトを立ち上げる際にも活用できそうだと思いましたね。

要望を伝えると、よりよい方法を考えて提案してくれる

―開発のキックオフから公開までは、どのような流れでしたか。

大野様：公開までにかかった期間は、6か月。本当はもう少し時間をかけてブラッシュアップしたかったのですが、当社内の事情でやや駆け足での開発となりました。予算の関係で、データの流し込みはすべて当社でやることになっていたのですが、そうした中でもシフトさんには時間を短縮できる方法をいろいろとご提案いただき、大変助かりましたね。

打ち合わせは1～2週間に1回程度で、それ以外にもチャットで連絡を取り合いながら進めていきました。私はITの専門用語をあまり知らないので、こういうことをしたいという要望を伝えたくても、それを表す用語が出てこないということがありましたが、シフトさんはこちらが伝えようとしている内容を汲んで、こういうことですよねと丁寧に説明してくださいました。また、難しい用語は言い換えながらお話しいただけたこともありがたかったです。

サイトはもちろん、サーバーやセキュリティ対策などのサポートも受けることができたので、安心してサイト公開までお任せすることができました。

キッコーマンバイオケミファ様のサイト構築のスケジュール表

―開発において、印象に残っていることはありますか。

大野様：こちらの要望を受けて、よりよい方法を提案していただいたことですね。こちらの要望を言われたとおりに実行することもできたと思いますが、それよりも今後運用がやりやすくなる方法や、裏側のいろいろな仕組みのことまで考えて、SITEMANAGEではもっとこうした方がうまくいくということを言っていただきました。実際に運用が始まってから、「なるほど、だからそうやって提案してくれたんだ」と納得する部分もあり、すごく良かったなと思います。

―その後、コーポレートサイトの英語版と中文版、コーポレートサイトから特定の製品を切り出したポータルサイト4サイトと、計7サイトをSITEMANAGEで制作され、運用しておられます。メインとなるコーポレートサイトから派生するサイトを制作してみて、いかがでしたか。

大野様：ゼロからサイトを立ち上げようとすれば、費用面でも作業面でも負担がかなり大きくなりますが、プラグインを使って情報を切り出すことができる分、負担を減らして制作することができました。

製品サイトについては、ほかの製品も立ち上げたい、対応言語を増やしてほしいという要望が新たに社内や海外の代理店さんから上がっているので、今後もSITEMANAGEを使って制作していけたらと思っています。

サイト更新にかける時間が格段に短縮

―2020年4月にリニューアルしたコーポレートサイトをローンチされましたが、実際に運用してみていかがでしたか。

大野様：管理画面は、導入前に感じたとおり、とても使いやすいですね。どこから入れば自分のやりたいことができるのかが感覚的に分かるので、操作に迷うことがほぼないんです。初めてやろうとすることでも、少し触れば必ずたどり着けるという感覚があります。

CMSの運用担当は私が務めていますが、データの更新作業はサイトの専門知識が全くなくてもできるようになったので、私のほかに3人に振り分けることができています。その3人は、営業やカタログ制作などを実際に担当している方々なので、それぞれ自分の業務に関するページの更新を担当してもらい、更新の内容やタイミングなどは完全にお任せしていますね。CMSについて困ったことがあれば、適宜質問してもらうという形にしています。

―導入の成果を感じるポイントはありますか。

大野様：サイト更新にかける時間が、格段に短縮できるようになりました。たとえば、製品のカテゴリ名が変わった場合、リニューアル以前であれば、そのカテゴリに関するページが100ページあると100ページ全部を書き換えなければなりませんでしたが、1箇所のテキストを変えれば、それだけで全部の書き換えができるようになりました。サイトの複数箇所に掲載しているカタログの内容を更新したい場合も、ドキュメントのプラグインの中にあるカタログのデータさえ入れ替えればすべての箇所に適用されるので、非常に効率が良くなりました。

また、製品サイトについては、各製品の営業方針に柔軟な対応ができるようになったので、立ち上げて良かったと感じていますね。

―運用するにあたって、シフトのサポートはいかがですか。

大野様：分からないことや不具合があった場合にも、チャットでの問い合わせにいつも迅速に返信いただけるので、本当にありがたいなと思っています。たとえば、公開中のサイト表示や管理画面へのデータ入稿でエラーが生じてしまったことがあったのですが、こちらの操作ミスであった場合でも、迅速で丁寧なサポートがありました。また、原因についても、分かりやすく報告いただきました。

それと、最初の担当者の方が産休育休を取得された関係で、一度担当者が変わったのですが、丁寧に引き継ぎしてくださったようで、安心できました。私はITの専門知識がないので、新しい担当の方は私のレベルに合わせてくださるのだろうかという不安もあったのですが、いつも私のレベルに合わせて親切に対応していただいています。

シフト担当者：前の担当者からは、今のサイトの構造など細かい部分の共有はもちろん、キッコーマンバイオケミファさんとの出会いから、どのような経緯で導入に至ったのかという経緯まで、しっかりと引き継ぎを受けています。実は、私自身は引き継ぐ前から社内でキッコーマンバイオケミファさんのサイトに携わっており、多少知っていることもあったので、スムーズに進められたところもあったかなと思いますね。

―導入からこれまでを振り返って、特にSITEMANAGEに満足したポイントを教えてください。

大野様：サイトの構築に汎用性がありながら、日々の運用は誰でも簡単に行える点がすばらしいなと思っています。また、同じ担当者に継続的にサポートしていただけるので、安心してサイト運用を続けられることも良かったですね。

―今後、SITEMANAGEを活用して実現したいことはありますか。

大野様：先ほども少しお話ししましたが、製品サイトにおける対応言語や、新しい製品サイトを今後も増やしていきたいと思っています。社内向けには、製品情報サイトも開発できればいいですね。ほかにも、導入からこれまでに新しいプラグインがいろいろ出ているようですので、そうしたものも積極的に活用していきたいと思います。

また、いずれはマーケティングやSEOを意識したサイト改修も行いたいと考えています。マーケティングやSEOに関しては、管理画面からGoogleアナリティクスが見られるプラグインや、マーケティング支援サービスなどもご提案いただいていますので、そのうち検討していけたらいいですね。

―最後に、SITEMANAGEの導入を検討している方にメッセージをいただけますか。

大野様：SITEMANAGEは、ITの専門知識がある人材の有無や予算の大きさ、制作したいサイトの規模などにかかわらず、さまざまな要望に対応できるサービスであると認識しています。そのため、ごく小規模または費用に制限のない大規模なサイト以外は、どのような会社にもおすすめできます。