写真左から:公益社団法人 自動車技術会 為田 郁代様、島田 和弥様、株式会社シフト 山本 恵佑、森 優貴
公益社団法人 自動車技術会は、会員数増強のプロジェクトの一環として、コーポレートサイトをリニューアル。SITEMANAGEを導入するとともに、サイト構成の変更やレスポンシブデザインへの対応、掲載している情報の整理などを行って、会員ではない人にも使いやすいサイトになりました。
ユーザーに使いやすいサイトを提供すると同時に、職員にとっても利便性が向上し、サイト更新までのリードタイムが大幅に短縮。更新頻度も上がりました。 そこで、SITEMANAGE導入の決め手や開発過程、成果、今後のビジョンなどについて、詳しくお話しいただきました。
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導入目的
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- コーポレートサイトをリニューアルし、非会員も含めたユーザーにとって分かりやすく、使いやすいものにしたい
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導入理由
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- サイトの制作からUIUXの設計、サイトローンチ後のマーケティングまで、シフトの社内で一貫してできる
- 課題や求める機能のすべてに対して、施策や機能の提案をもらえた
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導入成果
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- ITに慣れていない職員でも容易に操作でき、更新までのリードタイムが大幅に短縮された
- ページの更新履歴が自動で記録されるようになり、バックアップを取る必要がなくなった
- レスポンシブデザインのページ比率が10%から90%以上に向上した
ユーザーにとって使いやすいサイトにリニューアルしたい
―まずは、公益社団法人自動車技術会の事業内容についてご紹介ください。
為田様:自動車技術会は、工学系では日本最大の学術団体です。自動車に関わる研究者、技術者、学生などの個人会員約47000名、企業会員約700社から構成されています。
事業内容は、学会や大規模な展示会の開催、研究者・技術者向けの会誌や論文集の発行、人材育成事業など。人材育成については、技術者向けにはもちろん、大学生や小中高生を対象にした事業にも取り組んでいます。ほかにも、自動車関連規格を制定したり、功績を挙げた研究者や技術者へ賞の授与を行ったりしています。
―自動車技術会では、以前からコーポレートサイトの一部にSITEMANAGEを導入していましたが、今回コーポレートサイトをリニューアルするにあたって、改めて比較検討したのちに最新の仕様のSITEMANAGEを導入されましたね。まずは、コーポレートサイトをリニューアルすることになった背景を教えてください。
為田様:そもそもの発端は、2019年に会員数の増強を目指す「会員対策タスクフォース」が立ち上がったことでした。近年は、自動車を含むモビリティの可能性が大きく広がっています。一方で本会の会員数が減少してきていたこともあり、自動車をモビリティとして広く捉え、もっと広い層に本会の魅力をアピールすることで、会員数を増やしていく必要があると考えました。
そこで、どのように魅力をアピールしていくべきかを検討したところ、実地とオンラインという2つの場での交流を強化していこうという話になりました。しかし、具体的な対策を立てる段階でコロナ禍になってしまったため、まずはオンラインの交流の場としてコーポレートサイトを全面リニューアルし、本会が何をやっているのかを会員外の方を含めて広く伝えられるようにしようと考えました。
―リニューアルで、どのようなサイトを実現したいと考えていましたか。
為田様:旧コーポレートサイトには、非常に多くの情報が詰め込まれていました。そのため、それらの情報を整理して、会員ではない方にも見やすく、わかりやすくしたいと考えていました。
島田 和弥 様 技術交流グループ 広報・情報・デジタルパブリッシング課 課長
島田様:それと、旧サイトをつくったのは7年ほど前のレスポンシブデザインの黎明期で、トップページとそれに付随するページのみがレスポンシブデザインになっており、それ以外は固定レイアウトになっているという点も、使いにくい理由の一つでした。当時は予算も少なかったので、SITEMANAGEを使えたのはトップページとイベント関連のページだけでしたし、あまり多くのことができなかったんですよね。
また、サイトの構成も本会の事業構成と同じ形でつくられており、本会の職員にとっては使いやすくても、ユーザーにとってはそうではないだろうという思いもありました。そこで、リニューアルによって、ユーザー目線で使いやすいサイトにできればと思っていましたね。
山本:旧サイトが立ち上がった当時は、今とデザインのトレンドも違いましたしね。SITEMANAGEも、7年前にご導入いただいたときから大きく進化しています。そうしたことも踏まえて、改善したいというご要望でしたね。
開発からマーケティングまで、一貫して任せられる点が大きかった
―リニューアルにあたり、もともと使用していたSITEMANAGEも含めて複数社のサービスを比較されたと伺いました。特にどのような点に注目して評価されたのでしょうか。
島田様:どのような機能があって何ができるのか、本会についての理解度は高いか、予算内かどうかといった点に注目して評価しました。
シフトさんも含め、コンペには約10社にご参加いただいて比較したのですが、こちら側の課題すべてに対して応えられるサービスは意外と少なく、「これはできますが、これには対応できません」と言われることが多くありました。また、本会のことをあまり調べず、単に自社の製品を売り込みに来ているだけという印象を受ける企業もありました。
一方でシフトさんは、もともと付き合いがあったとはいえ、定期メンテナンス契約もしておらず、何かあったときにお話しする程度だったのですが、かなり細かいところまで本会のことを調べて、良いプレゼンテーションをしてくれたという印象がありました。
また、こちら側の課題一つひとつに対しても、それぞれ「SITEMANAGEではこういうことができます」とご提案いただけたのがすごく良かったですね。コストについても予算内だったので導入に際して何の問題もありませんでした。
山本 恵佑 シフト Webディレクター
山本:ありがとうございます。当社の特徴は、サイトの制作から、ユーザーにとって使いやすいUIUXの設計、サイトローンチ後のマーケティングまで、社内で一貫してできることです。
コンペに参加するにあたって、サイトの導線が悪い、非会員の方も含めて広い層にアプローチしたい、こういう機能が欲しいといった課題をうかがったので、導線の改善はもちろん、ユーザーのペルソナをつくって、そこにアプローチするための具体的な施策の提案や、ご要望に応える具体的な機能の提案も行いました。
島田様:一貫してシフトさんにお任せできるというのは大きかったですね。この部分はこの企業というように分けて依頼することもできたのかもしれませんが、全体としてメリットがあるのかどうかは疑問でしたから。
為田様:私自身はITに詳しくないのですが、私でも知っている言葉を使ってわかりやすく説明していただけたのが好印象でした。
―SITEMANAGEを選択されてから、実際にサイトが公開されるまでは、どのような流れでしたか。
島田様:2022年3月にコンペを行って、4月から開発が始まり、2023年6月にリニューアルしたサイトを公開しました。本会の予算は1年単位なので、うまく納期に合わせて約1年でサイトをつくってもらえたと思います。要件定義から設計までの間は、1週間に1回2~3時間の定例ミーティングを行い、仕様についてすり合わせながらやっていましたね。コロナ禍で、一度もリアルでお会いすることなく、すべてオンラインで進めていったので、こちらの要望を理解してもらえているのかという不安もありましたが、結果的に問題なくサイトのリニューアルを終えることができました。
―サイトを開発するなかで、印象的なできごとはありましたか。
為田様:今までSEOを意識したサイト構築を行ったことはほとんどなかったのですが、今回はペルソナの設定やページの企画立案も一緒にやってもらい、会員や本会のステークホルダーが参加する外部のモニタリング会議と連動して検討を重ねました。手間はかかりましたが、必要な工程だったと思います。
島田様:テクニカルな面では、旧サイトからデータを移行するとなったときに、大部分のデータをCSVで移行できるようにしてもらえたので、あまり手間をかけることなく完了することができました。実は、一部フルスクラッチで別途構築していたイベント情報のCMSがあり、さすがに別のシステムからのデータ移行は無理だと思っていたのですが、相談してみたらそれもできると言われたのはとても良かったです。サイトの全構成要素をSITEMANAGEの機能に一元化でき、今後のシステムメンテナンスの不安もなくなりました。
森 優貴 シフト システムエンジニア
森:リニューアルの場合はデータ移行を希望されるお客様が多くいるため、必ずシステム上で移行できるように裏側を設計するようにしているんです。結局のところ、人が介在する作業であれば、仮に当社でデータを移行しましたと言ってもお客様は不安に思われて、必ず目視などでチェックをされます。そのストレスを少なくするために、あらかじめその前提でシステムをつくることを意識していますね。
ITに慣れていない60代の職員でも、問題なく使えている
―リニューアル後の成果はいかがですか。
為田様:私は委員会の活動をサポートする業務を行っている技術交流課をとりまとめているのですが、そこの職員全員が、自分が担当している委員会のイベント情報などを更新するために、SITEMANAGEを使用しています。当課の職員は年齢層が幅広く、上は60代なのですが、操作や機能がとてもわかりやすいので問題なく使えているようです。
私は更新後の承認を担当しているのですが、リニューアル前よりも承認申請の件数が増えました。全員にとってページ更新のハードルが下がったのではないかと思います。
島田様:デザインが必要なページは専門のデザイナーに作成をお願いしていますが、文言の修正であれば職員レベルで簡単にできるようになりましたし、既存ページのメンテナンスもCMS上でいろいろできるようになりました。ニュースの更新は、職員のほぼ全員が行うのですが、その中でも作業できる範囲が増えているのではと思いますね。
あと、サイトの更新履歴が自動で残るようにできたのも良かったです。今まではメンテナンスをする前に必ず手作業でバックアップを取らなければならなかったのですが、それが必要なくなり、前のバージョンが見たいというときにも履歴からすぐに見られるようになりました。
山本:今回ご要望いただいて、開発した世代管理の機能ですね。ほかにご要望いただいた機能でいうと、承認経路を自由につくれるApprovalの機能などもありました。
島田様:定量的な成果でいうと、旧サイトではレスポンシブデザインのページ比率が10%程度でしたが、リニューアル後は90%以上になりました。
為田様:以前はページ更新もデザイナーに依頼していたので、それが職員自身でできるようになったことで、更新までのリードタイムを大幅に短縮できました。
―改めてこれまでを振り返って、SITEMANAGEを選んで良かったと思うのは、どのようなところですか。
島田様:先代のSITEMANAGEのときから、アイコンもインターフェースもプラグインもわかりやすくて取っつきやすかったですが、機能が強力にリニューアルされ、使いやすくなっています。職員全員にとって良い選択肢だったのかなと思います。現時点では大きなトラブルもなく、便利に使えています。
為田様:ITに慣れていない人でも、職員それぞれが自分の担当するイベントや委員会のページを、責任をもって更新していくことができているので、SITEMANAGEを入れて良かったなと思っていますね。
森:世代管理の機能などは、今回初めてつくったので大変なところもありましたが、使いやすいと言っていただけて嬉しく思います。
―今後、SITEMANAGEを使ってどのようなことを実現していきたいですか。
島田様:もともと、コーポレートサイトのリニューアルができたら、次は一度のユーザー認証で複数のシステムが使えるようになる「シングルサインオン(SSO)」に着手したいと思っていました。SSOがうまくローンチできれば、ユーザーさん一人ひとりに合わせたコンテンツを表示できるようにして、より快適にサイトを利用するという体験を提供できると思っています。開発は大変かもしれませんが、シフトさんには引き続きご対応いただけると嬉しいです。
担当者からのコメント
以前からSITEMANAGEをご利用いただいておりましたが、リニューアルの際にもお声がけいただき、大変光栄でございます。SITEMANAGEを導入いただいたことで、作業効率の改善、費用軽減につながったとお伺いし、大変嬉しく思います。
今後も、現在お話をいただいている機能拡張や英語対応など、サイトをより良くしていくために注力させていただきます。弊社の強みでもあるカスタマイズ性を発揮し、ご要望の実現に貢献できればと思います。
自動車技術会様の発展とともに、サイトの成長に引き続き尽力させていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
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この事例を担当した人
ディレクター
K.Y.
シフトに入社後、コーポレートサイト、業務系ポータルサイト、施工系マッチングサイトの構築を担当。