外部連携記事
Collaboration
検索のプロ×Web制作のプロならではの解決策で、CVRの向上や導線の改善に寄与
EC向けサイト内検索サービス「ユニサーチ」を提供するユニバーサルナレッジ株式会社(以下、ユニバーサルナレッジ)とシフトは、2022年に始まった日本ジェネティクス株式会社(以下、日本ジェネティクス)の製品サイトリニューアル案件を契機にアライアンスを進めています。ユニバーサルナレッジとシフト双方の強みがなければ、クライアントの細かな要望に応えられる充実したサイト制作は成し得なかったといいます。
両社がアライアンスを結ぶまでの経緯から、ユニバーサルナレッジ×シフトならではの相乗効果、どのような企業がサイト内検索サービスの導入を検討したらよいのかまで、詳しくお話を伺いました。
目次
ユーザーの購買履歴をAIで分析、商品検索の精度を自動的に向上させる
――まずは、ユニバーサルナレッジの提供しているサービスについてご紹介いただけますか。
「ユニサーチ」の仕組み
大久保様:弊社は、ECサイト向けのサイト内検索エンジン「ユニサーチ」及び検索サジェストサービス「ユニサジェスト」を提供しています。現在、国内に検索エンジンサービスを専門にしている企業は大小合わせて10数社ほどなのですが、弊社の強みはユーザーの購買履歴をAIに学習させ、検索結果を自動で最適化しているという点。
たとえば、ユーザーが「コーヒー」と検索した際、夏にはペットボトルコーヒーが、冬にはドリップ式のコーヒーが検索結果の上位に優先的に表示されるようになります。そのため、手動で検索結果のチューニングを行う必要がなくなるのです。
さらに、表記ゆれにも対応しています。たとえば、「チャーハン」「ちゃーはん」「炒飯」と言われた時、人間であれば同じチャーハンという料理を指していると理解できます。
しかし、対策をしない場合、システム上ではカタカナ、ひらがな、漢字それぞれを入力した場合で、検索結果が分かれてしまうのです。「ユニサーチ」では日本語を補正するための辞書(用語集)を備えているため、そうした表記のゆらぎや誤入力があっても、同じ検索結果が表示されるようになっています。
通販システムの標準検索エンジンでは、検索精度が低く「探したい商品を入力しても目当ての商品が上がってこない」という企業様に導入いただくことが多いですね。
大久保 尚寛 様 ユニバーサルナレッジ株式会社 営業部 マネージャー
――日本ジェネティクス社の製品サイトリニューアルで、シフトとアライアンスを結ぶまでの経緯を教えてください。
大久保様:日本ジェネティクス様にユニサーチ導入を決めていただいた後、Web制作を担当する企業として日本ジェネティクスさんが白羽の矢を立てたのがシフトさんです。
日本ジェネティクスさんも私も、担当者の方の柔軟性の高さやホームページのポップさに好感を覚えました。そこで、一度ご紹介いただきたいと日本ジェネティクスさんにお願いをしたのです。それが、2022年のことですね。
日本ジェネティクス株式会社 様
日本ジェネティクス株式会社は、研究者向けに消耗品、試薬、機器などを提供し、バイオサイエンス分野の研究活動を支援しています。また、次世代シーケンシング解析や関連サービスも展開しており、研究者のニーズに応じたソリューションを提供しています。
(公式HP:https://genetics-n.co.jp/)
市岡 亮太 シフト Webディレクター
市岡:ユニバーサルナレッジ様は大変安価だったため、日本ジェネティクス様からご紹介いただいた当初は、正直「クライアントの求めている検索を実現できるのか」という不安がありました。
しかし、大久保様からサービスの内容を伺ったり、制作のメンバーを交えながら議論していったりする中でそうした不安は払拭されていきました。不明点があっても、RedmineやWebミーティングを駆使して解消できたので大変助かりましたね。
SITEMANAGE×「ユニサーチ」の柔軟性でクライアントの要望に最後まで応える
――サービスの導入にあたって一番苦労した点はなんでしょうか。
大久保様:データの連携ではないですかね?
市岡:弊社にある製品のデータベースを、「こういう検索方法や検索結果にしたい」というクライアントからのご要望に合わせて形を変えていくのが難しかったです。
たとえば、数値の単数入力だったものが範囲指定になったりと、見せ方が少し変更になるだけでも実現するために必要なデータが変わってきます。画面のデザインやテイストの調整を繰り返し、データが完成するまでに半年ほど要したでしょうか。
大久保様:あの作業は大変でしたね(汗)。医療関係の機材や消耗品を手がける日本ジェネティクスさんの商品数は万単位ですから、大変な苦労をなさったのではないかと思います。
その苦労のおかげがあり、日本ジェネティクス様のサイトでは、容量や形状などの細かい絞り込み項目で商品を選定することが可能になりました。シフトさんの提供しているSIEMANAGEのカスタマイズ性・柔軟性の高さと弊社の「ユニサーチ」は相性が良かったのではないでしょうか。SITEMANAGEと「ユニサーチ」の組み合わせでなければ、クライアントのご要望に応えられるサイト作りはできなかったのではないかと思います。
問い合わせの総数が3分の1に減少、「導線の改善」という課題はクリアできた
――日本ジェネティクスのリニューアルサイトは2023年7月31日にリリースされたとのこと。クライアントからの評価や、導入の成果について教えてください。
大久保様:「デザインが非常に良くて見やすい」です。私も感じましたし、弊社内の開発チームからも声が上がっていました。日本ジェネティクス様からも同じ評価をいただいております。
実は検索エンジンとデザインは非常に密な関係にあり、外部の検索エンジンを導入しても、デザインが良くないと効果が半減してしまうものです。弊社では検索における良いデザインについてコメントをさせて頂く事も多いのですが、シフト様はその内容をニュアンスまで正確に捉え、サイトへも的確に実装された事が非常に素晴らしいと感じました。
サイトを開いた時のファートビューの印象や、クリックした時のわずかな挙動など、デザインはそのニュアンスが重要なのですが、シフト様はディレクターの方とデザイナーの方が近い距離で仕事をされているのでしょう、チームでの連携がきちんと取れていることが強く印象に残りました。
管理画面も快適です。まるでiPhoneのように、説明書を読まずとも写真をアップロードしたり商品情報を追加したりできる。そのデザイン性の高さこそシフトさんの強みですし、ノウハウがうまく踏襲されている点ではないでしょうか。
市岡:管理画面は「Webの知識がない方でも直感的に触れる」「日々の更新業務をなるべく楽しく、快適に」というコンセプトで開発されておりますので、そう言っていただけると嬉しいです。
大久保様:サイトのすべてのコンバージョンの中に占める、商品検索したユーザーのCVR(※1)も、リリース当初より伸びています。日本ジェネティクス様のサイトはBtoBのECサイトであることから、利用される方々は業務で購入する方がメインです。ECサイトでは楽しくお買い物をするのではなく、以下に速く商品を探し、購入するかが重要です。使いづらかったり、目当ての商品が見つからなければ、他のサイトで購入されてしまうかもしれません。
検索とデザインの改善により、より購入につながる可能性が増加した事がCVRの改善につながっていると言えるのではないでしょうか。検索しやすければ、再購入や定期購買に至る可能性も高くなります。
市岡:クライアントから「問い合わせの数が3分の1ほどになった」というお声も頂戴しています。サイトが見やすくなったことによってユーザー目線で情報をキャッチしやすくなり、「製品の詳細な情報を知りたい」「さまざまな資料をチェックしたい」などのニーズが満たされるようになったのではないかと考えております。
元々、日本ジェネティクス様から「デザインはそのままでOK、CMSも変更しなくてよいがサイト上の導線を改善して欲しい」とご相談いただいたのが今回の案件の起点です。そのため、導線の改善という当初の課題はクリアできたのではないかと自信がつきました。
※1. CVR(コンバージョンレート):Webサイトに訪問したユーザーが資料請求や問い合わせなどの行動を起こした件数の割合。
――今後、SITEMANAGEと「ユニサーチ」を利用してどのようなことをやっていきたいですか。
大久保様:ユニサーチは商品検索だけでなく、コンテンツ検索も提供しているので、ランディングページや特集ページなどを検索結果に同時に表示することも効果的ではないかと思っています。
例を挙げるなら、「風邪薬」と検索したユーザーがいたとします。その場合、風邪薬関連の商品はもちろんのこと、「この症状の時にはこの風邪薬がお勧め」といった内容の記事が1回の検索で表示されるようにすることで、ユーザーは記事を読み、納得して商品を購入できるようになると考えます。このような検索結果の見せ方は、今後増加していくと考えます。
FAQに関しても同じです。商品の用途などが分からず質問をしたいユーザーも、文字を入力して検索するケースがあるため、そこへ弊社のエンジンを導入すればより分かりやすく、探しやすくできるのではないでしょうか。
サイト内検索エンジンは、商品数1000件を超える企業にお勧め
――「ユニサーチ」はどのような企業にお勧めですか。
大久保様:ある程度の商品数を抱えるECサイト事業者様です(目安1,000件以上)。経験則ですが、ECサイトの掲載商品数が1,000件を超えてくると、検索に課題を感じるユーザーが生まれてくる傾向にあります。
とりわけ、「ユニサーチ」がマッチするのは「自社通販サイトへの集客はできているけれど、それに比例して売上が伸びない」という悩みを抱える企業様です。商店街にぽんと出店してもなかなか人が集まらないように、自社通販サイトが最初にぶつかる課題は集客できるか否か。それがクリアできているのに売上が伸び悩んでいる場合、検索精度の向上が解決策の一つになり得るのです。
――「ユニサーチ」を最大限活用するためのポイントを教えてください。
大久保様:通販サイトを運営している方の最終的なゴールは「売上の増加」であり、「検索性の向上」ではありません。そこで、餅は餅屋で検索に関しては弊社に任せていただき、リソースを売上アップへ振っていただければと思います。実際、「検索結果の最適化や、日本語のゆらぎに対応する辞書作成業務などの検索運用業務から解放されて、ラクになった」と評価してくださるお客様が多数いらっしゃいます。
――最後に、サービスの導入を検討されている方へメッセージをお願いします。
市岡:お気軽にお声がけいただければ、商品を掲載しているサイトの導線などに問題がないかチェックさせていただきます。それを踏まえつつ、サイト制作のプロと検索のプロが組んでより良いご提案を差し上げられるかなと思いますので、ぜひお問い合わせいただけますと幸いです。