ホームページから集客を行うには、SEO対策が大切です。SEO対策はプロに任せた方が効果を実感できますが、実行する知識と時間があれば、ある程度自分で行うことも可能です。自分でSEO対策を行うことによって、コスト削減などのメリットもあります。今回はSEO対策を自分で行いたいと考えている方に向けて、SEO対策の基本や手順、注意点などをご紹介します。
株式会社シフトでは、ホームページの制作から制作後の運用までをトータルサポートしています。
ホームページの運用や集客に関してお悩みのある方はこちらのページからご連絡ください。
目次
そもそもSEO対策とは
SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、日本語に訳すと「検索エンジン最適化」です。SEO対策は、検索をしたときに上位表示させるためのさまざまな施策を言います。
SEO対策で上位表示されるようになれば、自然とホームページへの流入数が増え、コンバージョン率もアップします。広告と比較すると効果が出るまでに時間はかかりますが、低いコストで実行できることがメリットです。
ただし、SEO対策として有効な施策は時代と共に変わっていくため、常に更新をしていく必要があります。基本的に一度上位検索されれば簡単に順位が落ちることはありませんが、検索エンジンのアルゴリズムが変わった場合などは順位が落ちる可能性があるため、アップデートの情報などには敏感になる必要があるでしょう。
ホームページのSEO対策については別の記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご一読ください。
▼ホームページのSEO対策!2つの対策方法や重要ポイントも解説
SEO対策の種類
SEO対策は主に「内部施策」と「外部施策」に分かれます。自分でホームページのSEO対策を行うために、まずはこれらの対策内容を知っておきましょう。
内部対策
内部対策とは、ホームページ内部の設計やUI、ページの情報、サイトマップなど、内部を改善することで行うSEO対策です。内部対策には「テクニカルSEO」と「コンテンツSEO」があります。
テクニカルSEO
テクニカルSEOとは、検索エンジンがページの内容を正しく理解できるようにする施策です。
代表的な検索エンジンであるGoogleでは、クローラーと呼ばれるロボットがインターネット上を巡回し、見つけたページをデータベースにインデックスする、その後アルゴリズムに従って有益とされたページから上位表示される仕組みになっています。クローラーにホームページを見つけてもらい、正しくインデックスされなければ、思った検索意図でホームページが表示されません。
テクニカルSEOでは、クローラーがホームページ内を巡回しやすいように整理したり、正しくインデックスされるために情報を伝わりやすくしたりするなどの施策を行います。特にECサイトや求人サイトといった、情報量が多いホームページで重要となるSEO対策です。
具体的にはURLの正規化や表示速度の改善、階層構造の最適化、モバイル対応などを行います。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは有益なコンテンツを継続的に発信することで、上位表示を目指すSEO対策です。テクニカルSEOが検索エンジンに向けた施策であるのに対し、コンテンツSEOはユーザー目線でユーザーに向けた対策を行います。
Googleは「検索結果での存在感を高めるには、魅力的で役立つコンテンツを作成することが、他のどの方法よりも有効である」としており、有益なコンテンツの作成がSEO対策で最も重要であることを明言しています。コーポレートサイトやブログといった、テキストで情報発信を行うホームページに適しています。
コンテンツSEOで一度上位表示されれば、アルゴリズムが大きく変化しない限りは状態が維持されるため、集客が安定するというメリットがあります。また発信したコンテンツは財産となり、それらを利用したナーチャリング(顧客育成)も可能です。加えて、自社内でコンテンツを作成・発信できる環境を整えれば、ほとんどコストをかけずにSEO対策ができます。
コンテンツSEOで行うことは「ユーザー目線の情報発信」です。ユーザーが何を求めているのか、検索意図を正しく理解して、高品質な情報を提供する必要があります。
外部対策
外部対策は、外部サイトからの被リンクやサイテーション(言及)などによって検索順位を上げるSEO対策です。直接的にかかわることができないため、自分で行うSEO対策の中では最も難しい施策です。逆に言えば、難しいからこそ多くの被リンクやサイテーションを獲得しているホームページは、信頼性が高いとも言えます。
外部対策を行うには、高品質なコンテンツを発信することです。質の高いコンテンツは他のホームページからの評価が高くなり、リンクを貼られたり言及されたりする可能性が高まります。
また独自の調査を行うのも良いでしょう。調査結果を引用した記事などを執筆してもらえば、サイテーションの獲得につながります。加えて、近年ではSNSの高い拡散力を利用して、被リンクやサイテーションを獲得する方法もあります。
SEO対策で活用したい無料ツール4選
ホームページのSEO対策を自分で行うには、ツールを活用すると便利です。無料で提供されているツールも多いため、これらを駆使してSEO対策に必要な情報を集めることで、効果的な施策が実行できます。ここからはSEO対策で活用したい無料ツールを4つ、ご紹介します。
1. Google Analytics
Google Analyticsは、ホームページを訪問したユーザーの分析ができるツールです。ホームページを訪問したユーザー数はもちろん、ユーザーの属性、流入元、ホームページ内での行動、コンバージョンなどが分かります。これらを分析してホームページを改善することで、より良いホームページとなり、検索エンジンの評価が上がる可能性が高まります。
例えば、トップページのアクセス数は高いのに、コンバージョン率が低い場合には、コンバージョンに至るまでの導線に問題がある可能性があります。そこで導線を分かりやすくすることで、コンバージョンまでスムーズに誘導するなどの施策が可能です。また属性を分析して、属性に合わせたデザインにするなどの方法もあります。
Google Analyticsについて詳しく知りたい方はこちらの資料をご覧ください。
▼Google Analytics 4の設定と分析方法
Google Analyticsを今すぐ使いたい方はこちらのページをご覧ください。
2. Google Search Console
Google Search Consoleは、検索キーワードの分析ができるツールです。ユーザーがホームページに流入した際の検索キーワードや検索結果の表示回数などが分かります。表示順位やクリック率なども分かるため、SEO対策には必須のツールです。
またGoogle Search Consoleには、ホームページのインデックスをリクエストする機能があります。ホームページは作成したら、すぐに検索結果に表示されるわけではありません。クローラーが検知してインデックスするまで、1日から数週間かかるとされています。
早めにインデックスされたい場合には、Google Search Consoleからインデックスをリクエストすることで、すぐに検索結果に反映させられます。
Google Search Consoleについて詳しく知りたい方はこちらの資料をご覧ください。
▼Google Search Consoleの設定方法と主な使い方
Google Search Consoleを今すぐ使いたい方はこちらのページをご覧ください。
3. Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、キーワードの月間検索数や関連キーワードなどを調べられるツールです。キーワードの検索ボリュームを調査することによって、おおよそのアクセス数や新しいユーザーニーズを発見できます。
例えば「ホームぺージ 制作会社」であれば、かなりの検索ボリュームがあります。こういった場合には、キーワードプランナーでロングテールキーワード(検索が少なく、複数の単語で形成されたキーワード)を探し、それに合わせたキーワード選定をしましょう。「ホームページ 制作会社 大阪 SEO対策」など、より詳しいキーワードで検索しているユーザーは確度が高いため、コンバージョン率の上昇が見込めます。
なお、キーワードプランナーはGoogle広告の機能の一部であり、広告を出稿していない場合には大雑把なキーワードボリュームしか分かりません。ただ、キーワード選定のために利用するのであれば特に問題はないでしょう。
Googleキーワードプランナーを今すぐ使いたい方はこちらのページをご覧ください。
4. ラッコキーワード
ラッコキーワードは、主にサジェストを調査するのに便利なツールです。サジェストとは、キーワードを検索した際に自動で候補が出てくる関連キーワードで、サジェストで検索されたニーズが高いことを意味します。つまり、サジェストを調べてキーワードを検索するユーザーの意図が分かれば、よりユーザーニーズに沿ったコンテンツを作れるということです。
Googleキーワードプランナーでも関連キーワードは調べられますが、Google広告で利用されているキーワードに特化しているため、抜け漏れが発生している可能性があります。
ラッコキーワードなら、複数の検索エンジンが対象となっているため、より確実なキーワード分析ができます。使い方もシンプルで、検索窓にキーワードを入力して、プルダウンメニューから調査内容を選ぶだけです。
ラッコキーワードを今すぐ使いたい方はこちらのページをご覧ください。
自分でできるSEO対策7つの手順
先述したように、SEO対策には内部対策と外部対策があります。このうち、自分で取り組みやすいのは内部対策のコンテンツSEOです。現代ではCMSやブログで気軽に記事制作ができるため、適切な手順を踏み、良質な情報発信を継続的に行えれば、自分でも十分なSEO対策が可能です。ここからは、自分でできるコンテンツSEOの手順をご紹介します。
1. ターゲットユーザーが検索しそうなキーワードを考える
まずは、自社のターゲットとなるユーザーが検索しそうなキーワードを考えましょう。検索を行うユーザーは知りたい情報を求めてキーワードを検索し、コンテンツを閲覧します。そのため、ターゲットユーザーの立場になって、検索キーワードを考えることが重要です。
例えば、現在この記事を読んでいるのは、ホームページのSEO対策にお悩みを抱えている方だと思います。そういった方は「ホームぺージ SEO対策」で検索をしますし、外注せずに自分でSEO対策をやりたいと考えている方は「SEO対策 自分で」などのキーワードで検索するでしょう。
こうしたキーワード設定は「ターゲットユーザーがどの段階なのか」も重要です。悩みを解決したいのか、商品について前情報が欲しいのか、それともすでに購入済みで使用方法やトラブルシューティングなどを求めているのか、状況によってまちまちです。ターゲットの現状も踏まえて、複数のキーワードを考えましょう。
Googleキーワードプランナーを使ってキーワードを探す
図1
図2
ターゲットユーザーが検索しそうなキーワードを見つける方法として、「SEO対策で活用したいツール4選」で紹介したGoogleキーワードプランナーを使うと便利です。
使い方としては
- 新しいキーワードを見つける(図1)をクリック
- 検索窓(図2)に任意のキーワードを入れる
この検索結果で任意のキーワードと関連性の高いキーワード・検索ボリュームが検索結果として表示されます。表示されたキーワードと検索ボリュームからターゲットユーザーが検索しそうで、かつ検索ボリュームも比較的高いキーワードを選ぶことが出来ます。
いま読んでいる記事で言えば、Googleキーワードプランナーを使って「ホームページ seo対策」と関連性の高いキーワードを探すといったイメージでしょうか。
以下、関連性の高い上位キーワードです。(カッコ内は検索ボリューム)
- ホームページ seo対策(390)
- seo 対策 会社(590)
- ホームページ seo(390)
- ホームページ seo対策費用(90)
2. 対策するキーワードを選定する
次に、1で考えた複数のキーワードから、対策すべきキーワードを選定します。まずはGoogleキーワードプランナーなどを使って、各キーワードの検索ボリュームを調べ、ホームページに適した検索ボリュームのキーワードを選びましょう。
コンテンツSEOを始めたばかりなら、選ぶべきキーワードは「検索数が100~1,000程度のスモールキーワード」です。なぜなら、スモールキーワードは競合が少なく、また確度の高いユーザーが多いためです。上位表示されやすく、コンバージョンも期待できるというメリットがあります。まずはスモールキーワードで良質な記事を増やしていき、評価されるようになったら1,000を超えるキーワードに挑戦するのが良いでしょう。
ただし、検索ボリュームが極端に少ないキーワードは避けましょう。検索が少ないということは、そもそもユーザーのニーズがないということです。最低でも月間検索数が100あるキーワードが望ましいです。
ラッコキーワードを使って具体的なキーワードを探す
画像引用:ラッコキーワード | 無料のキーワード分析ツール(サジェスト・共起語・月間検索数など)
図1
画像引用:ラッコキーワード | 無料のキーワード分析ツール(サジェスト・共起語・月間検索数など)
図2
図3
図4
先述したように、Googleキーワードプランナーを使って選定したキーワードを、「SEO対策で活用したいツール4選」で紹介したラッコキーワードを使いさらに具体的なキーワードを探します。
手順としては下記のようになります。
- ラッコキーワードに任意のキーワードを入れ、サジェスト(Google)で検索(図1)
※サジェストとは任意のキーワードを入力した時に一緒に検索するであろうキーワードの事 - 検索結果の向かって右上、全キーワードコピー(重複除去)」ボタンを押す(図2)
- 先程使用したGoogleキーワードプランナーの「検索ボリュームの予測のデータを確認する」へ進み、先程コピーしたキーワードを張り付け(「Ctrl」キー+「V」キー)検索する(図3)
- 検索結果から魅力的なキーワードをピックアップする(図4)
この記事で言えば「ホームページ seo対策」のサジェストをラッコキーワードで検索し、Googleキーワードプランナーで検索をかけて、より具体的なキーワードと検索ボリュームを調べたという流れです。
その中から「ホームページ seo対策 自分で(170)」といったキーワードをピックアップし、この記事を作成しているといった流れです。
3. 上位記事を分析する
キーワードを決めたら、選定したキーワードで検索をして、1ページ目にある上位記事を分析しましょう。上位に表示されている記事は、検索エンジンが上位表示すべきと判断した記事であり、共通している見出しや要素はその情報が求められているという証明です。内容や見出しなどを参考にして、上位表示された記事のユーザーニーズや評価される点などを考えましょう。
またユーザーニーズをより深く理解するために、自身も読者となって記事を読んでみましょう。もし良いと思う部分があれば、積極的に取り入れていきます。
ラッコキーワードを使って上位記事を分析
画像引用:ラッコキーワード | 無料のキーワード分析ツール(サジェスト・共起語・月間検索数など)
上位記事の分析は実際に各ページを見て分析することも大事ですが、どのような内容を記述しているか見出しを見ることで大まかにつかむことが出来ます。
上位サイトの見出し調査はラッコキーワードで行うことが出来ます。検索窓に任意のキーワードを入れ「見出し摘出」を選択し検索に欠けることで、上位20サイトの見出しを一覧で見ることが出来ます。
先述したように、この見出しから共通して見られる見出しや要素をメモ帳ツールなどに抜き出して次の見出し構成案の作成に進むと良いでしょう。
4. 見出しの構成案をつくる
キーワード選定して上位サイトを分析したら、見出しのみの構成案を作成します。最初に見出しのみの構成を作っておくことで、記事全体の骨組みが明確になり、ユーザー感情に合わせた全体の流れを掴めます。
見出しには、可能であれば選定したキーワードを入れましょう。見出しにキーワードを入れることで、クローラーが記事の内容を把握しやすくなり、SEO対策に繋がります。また一目で書かれている内容が分かる見出しであることも重要です。
ただし、見出しにキーワードを入れる際には、無理に入れて不自然な日本語にならないよう注意しましょう。キーワードを入れようとするあまり不自然な日本語になってしまうと、かえって検索エンジンからの評価が下がってしまいます。
見出しは大きいものからH1、H2、H3となりますが、H1はtitleタグ(タイトルタグ)と同じものを入れることもあるため、構成案としてはH2、H3、H4を中心に構成していくことになります。
また、見出しの構成案をつくる際はH2ばかりで構成せずH3、H4を効果的に使うことで、読者にも検索エンジンにも分かりやすい構成となりSEO効果が生まれやすいです。
5. 「分かりやすさ」を意識してライティングを行う
見出しを作ったら、実際に本文を作成します。
本文を書く際には「分かりやすさ」を重視しましょう。この際に大切なことは「ターゲットを意識すること」です。ターゲットにとって分かりやすい文章になれば、SEOでも有利に働きます。
例えば、50代のビジネスマンであれば、かっちりとした硬くて真面目な文体を好みます。しかし10代の女子高生にこうした文体で情報を提供しても、読みにくいでしょう。絵文字などを利用した、軽い文体の方が読みやすいと感じると思います。このようにターゲットによって文体を変えることで、ターゲットにとって分かりやすい文章になります。
また業界内では通じる専門用語なども、一般の方には通じないことが多いです。記事をチェックする際には、誤字脱字だけでなく、専門用語が多用されていないかも確認しましょう。
分かりやすい文章のコツ
分かりやすい文章のコツは「分かりやすい文章構成」にすることです。分かりやすい文章構成にするには、一般的に以下の順番で情報を提供すると良いとされています。
- 結論(Point)
- 理由(Reason)
- 具体例(Example)
- 再度結論(Point)
まずは最も大切な点(結論)を伝えることで、ユーザーに「なぜ?」という疑問を抱かせます。そこに理由を説明し、具体例でイメージさせ、再度結論を示して後押しするという流れです。これは営業トークでも「PREP法」として利用されており、ユーザー感情に合わせた順序で情報が提供されるため、ストレスが少ないとされています。そのため、ニュースやCMなどでもこの流れが採用されていることが多いです。
では、上記の流れで例文を作ってみましょう。
1. 結論(Point)
当旅館はお子様連れのお客様が楽しめる宿です。
2. 理由(Reason)
広々としたお部屋には、露天風呂を完備。お食事も地元の食材を使ったお子様用のメニューをご用意しております。館内には、室内プールや夏祭りをイメージした駄菓子屋、近隣にはアスレチックやサイクリングロードもあり、お子様向けのアクティビティが充実しています。
3. 具体例(Example)
全長100メートルのウォータースライダーで思いきり水遊びをするも良し、駄菓子屋でお子様と一緒に懐かしのお菓子を食べるのも良しと、さまざまな楽しみ方が可能です。
4. 再度結論(Point)
ぜひ当館で、お子様との楽しいひと時をお過ごしください。
上記は、親子連れをターゲットにした旅館の紹介文です。まずは旅館が親子で楽しめるという結論を伝え、子供向けの施設や食事が充実していることや、旅館での楽しみ方の例などを挙げています。
結論を伝えず、最初に理由や事例から記述するとやや回りくどい印象を与えます。結論が見えない文章は読み手にストレスを与えるため、まずは結論を述べ重要な内容から伝えるようにしましょう。
6. タイトルやHTML要素に配慮し公開作業を行う
ライティングが終わったら、タイトルやHTML要素に配慮して公開します。
SEO対策ではタイトルが非常に大切です。タイトルで表示順位が直接的に決まるわけではありませんが、分かりやすく、魅力的なタイトルの記事は読者に選ばれやすくなります。結果、それが良質な記事であると判断される場合もあるため、タイトルにはキーワードを含み、ユーザーがクリックしたくなるようなタイトルにすることが大切です。
また先述したように、見出しは大きいものからH1、H2、H3としていきましょう。画像がある場合は「alt」タグを使って、画像の簡単な説明文を入れることをおすすめします。altがないと検索エンジンが画像を正しく認識できません。
見出しレベルでデザインを変える
公開するページは、H2、H3、H4といった見出しレベルによってフォントサイズや背景色を付けるなどデザインを変えることでユーザーが読みやすいページになります。
また、ページ上部に「目次」を作成することで、全体像の把握や要点が分かるなどユーザビリティの向上が見込め、ユーザーにとっても検索エンジンにとってもコンテンツを理解しやすくなるなど、SEO効果が見込めます。
HTMLといった専門知識がない方でもデザイン性の高いページの作成や公開作業が行えるものにCMSがあります。CMSに関しては別の記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご一読下さい。
▼CMSとは?基礎知識、導入メリットや選定ポイント
7. ページ公開後の効果を測定する
公開したら一定期間ごとに効果を測定します。効果測定をすることでホームページの課題が浮き彫りになるため、改善を施してより良いホームページにしていきます。
また、Googleはアルゴリズムを日々更新しているため、アップデートがあると検索順位が大きく変わる場合があります。効果測定をすることで、アップデートの効果も検証できます。
効果測定には先述したGoogle AnalyticsやGoogle Search Consoleを利用すると便利です。
Google Analyticsで流入数を確認
効果測定では、Google Analyticsで流入数を確認するのが基本です。先述したようにGoogle Analyticsでは、ホームページ内のコンテンツへの流入数や流入元、ユーザーの属性などが分析できます。これらの情報を確認して、ターゲットやコンバージョンまでの導線が適切かを確認しましょう。
もし思っていたよりも流入数が少ない場合や、コンバージョンに繋がらない場合は原因を探って改善する必要があります。
Google Analyticsについて詳しく知りたい方はこちらの資料をご覧ください。
▼Google Analytics 4の設定と分析方法
Google Search Consoleで検索順位を確認
Google Search Consoleでは、検索順位やクリック数が確認できます。これによってホームページのGoogleからの評価が分かります。
現在の検索順位が分かれば、自社のホームぺージより上位のホームページと比較が可能です。Googleはホームページの「独自性」も評価の対象としているため、競合のホームページにはない独自の情報を入れるなどの方法で、上位表示が期待できます。
Google Search Consoleについて詳しく知りたい方はこちらの資料をご覧ください。
▼Google Search Consoleの設定方法と主な使い方
SEO対策の効果を高める3つのポイント
ここまでは、自分で可能なSEO対策の基礎をご紹介しました。ここからはさらにSEOの効果を高める3つのポイントをご紹介します。
SEO対策はGoogleを中心に
SEO対策は「Google対策」を中心に行いましょう。検索エンジン最適化とは言いますが、現在主流となっている検索エンジンはGoogleです。StatCounterによると、2023年7月から2024年7月の1年間に利用された検索エンジンは、Googleが91.04%と圧倒的なシェアを誇っています。
(出典:Search Engine Market Share Worldwide | Statcounter Global Stats)
また同サイトで1.24%のシェアとなっているYahoo!では、Googleのアルゴリズムを採用しています。つまり、およそ92%がGoogleのアルゴリズムに従って検索結果を表示しているということです。
そのため、SEO対策は基本的にGoogleのアルゴリズムに則って行われます。ほぼGoogle対策と言えるでしょう。
Googleの評価基準「E-E-A-T」を意識
Googleでは「E-E-A-T」を評価の対象とするとしています。そのためE-E-A-Tを意識したタイトル設定、構成、ライティングを行いましょう。
E-E-A-Tとは、
- 経験(Experience):「〇〇件の実績」「創業〇〇年」などの経験や一次情報
- 専門性(Expertise):「〇〇専門」など、特定の分野に特化した知識
- 権威性(Authoritativeness):「〇〇受賞」「満足度1位」など、情報を信じるに足る根拠
- 信頼性(Trust):「医師監修」など、情報の信頼性
上記4つの頭文字をとったもので、特に信頼性については「最も重視する」と公言しています。
例えば、本記事のようなSEO対策についての記事を閲覧する場合、匿名で経験や専門性も分からない人が情報発信をしていたらどうでしょうか。情報を信用して良いのか心配になる人も多いと思いますし、実際には情報がフェイクである可能性も否めません。
一方で「35年以上の実績、大手企業のSEO対策も多数経験」という企業が発信している情報であれば、安心して信用できるのではないでしょうか。Googleでは「E-E-A-Tが直接ランキングに影響するわけではない」としながらも、E-E-A-Tが優れたコンテンツは有効としています。
「YMYL」分野に注意
E-E-A-Tが特に重視される分野に「YMYL」があります。YMYLは「Your Money or Your Life」の略で、金銭や医療、法律といった人々の健康や経済、生活などに深くかかわってくる分野です。ニュースや宗教、不動産や求人といった話題もYMYLに該当します。GoogleではYMYLのE-E-A-Tを特に重視するとしています。
もしYMYLにかかわるコンテンツを作成する場合には、専門家に執筆や監修を依頼したり、データなどを記載する場合には引用元を記載したりするなどで対応しましょう。自社に専門性があるのであれば、自社が発信者であることを明確にするのも効果的です。
良質なユーザー体験を意識
SEO対策を自分で行う際には「UX(良質なユーザー体験)」を意識しましょう。UXとはuser experienceの略で「分かりやすい」「知りたい情報を見つけやすい」「表示や返信がスピーディ」など、ユーザーが利用して得た体験です。似た言葉にUI(user Interface)がありますが、UIはホームページの見た目や機能性のことを言います。UIを含めたホームページ全体でユーザーが体験したことがUXになるというイメージです。
GoogleがSEOの基本として掲げていることは「ユーザーの利益を第一に考えてコンテンツを作成すれば、ランキングは自動的に上がっていく」ということです。UXを意識することで、ユーザーにとって有益な体験を提供することになり、結果的にSEO対策に繋がります。
良質なUXを提供するには、下記の3つに注目しましょう。
ページの見やすさ
UXでは「ページの見やすさ」が大切です。情報の整理はもちろんですが、画像や空行などを利用して、ユーザーが飽きずに閲覧し続けられるよう配慮しましょう。
特に、見出しレベルが分かりやすいことは、UXやSEOの観点からも重要です。例えばH3の情報は、本来H2内に属します。しかし、H3の文字サイズがH2より大きく目立つようになっていたら、違和感を覚えて混乱するのではないでしょうか。こうした設定はユーザーが現在閲覧している情報の属性を掴みにくくなるため、好ましくありません。ユーザーが違和感なく読み進められるように、見出しのデザインには注意しましょう。
この他にも大事な部分を太字にしたり、線を引いたりなど、ユーザーが違和感なく情報を入手できるようにすることが重要です。
ページの使いやすさ
良いUXを実現するには、ページの使いやすさにも配慮しましょう。使いやすいページは、ユーザーの滞在時間が増加し、検索順位の向上が期待できます。
フッターにサイトマップを表示して、どこからでも各ページに移動できる、記事に関連リンクを設置してより深い知識を求めるニーズに対応するなど、ユーザビリティを意識した構成にしましょう。
ページの表示スピード
ページの表示スピードは、SEOに影響を与えるとされています。Googleの調査によると、ページの表示速度が1秒~3秒の場合は32%が、1秒~5秒の場合は90%がページから離脱するとしています。以降もページの表示速度が遅いほど、ユーザーの離脱率は高まっていきます。つまり、表示速度の遅いページに対して、ユーザーはストレスを感じるということです。
(出典:New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed - Think With Google)
こうしたページは、ユーザーの有益性を重視するGoogleの理念に反しています。そのため、表示速度の遅いページはGoogleからの評価が下がる可能性があります。
画像や動画などの重いデータをコンテンツで使用する際には、データを圧縮して最適化しましょう。最適化することで、表示スピードが改善されます。
SEO対策の効果を下げてしまう行動3選
先述したようにGoogleでは「ユーザーに有益なホームページを上位表示する」のが基本です。そのため、ユーザーに有益ではないと判断されたコンテンツは排除されます。ここからはSEO対策の効果を下げる行動を3つご紹介します。
他記事を丸々コピーする
他記事を丸々コピーして、自社コンテンツとして発信するのは絶対にしてはならない行為です。こうしたコンテンツはコピーコンテンツと見なされてGoogleからの評価が下がってしまい、場合によっては検索結果に表示されなくなる可能性もあります。
またインターネット上に掲載されているコンテンツは、コンテンツ作成者が著作権を有するものです。許可なく使用すると著作権法違反となり、民事・刑事共に責任が生じます。仮に法人が著作権を侵害した場合、3億円以下の罰金と定められています。またある民事裁判では、著作権法違反で損害を与えたとして、17億円の損害賠償を命じられた事例もあります。
品質の低い記事の作成
SEO効果を高めるためには、低品質の記事は作成しないように注意が必要です。独自のコンテンツをどれだけ発信しても、ユーザーにとって有益にならなければ、Googleには評価されません。
低品質な記事とは、情報が薄い、分かりにくい、閲覧しにくい、欲しい情報がすぐに見つからない記事です。逆に言えば、情報が濃く分かりやすい、閲覧しやすい、欲しい情報が見つかりやすい記事は、高評価につながると言えます。本記事で紹介してきた手順や効果を高めるポイントなどは、高品質な記事を作るために有効なため、ぜひ参考にしてください。
意味のない被リンクの設置
関連しない被リンクも、Googleの評価を下げるため避けた方が良いでしょう。
先述したように、SEOの外部対策として、被リンクを増やすことでGoogleからの評価を上げる方法があります。しかし、Googleは「検索エンジンのための対策」を嫌います。被リンクも「ユーザーからの自然なもの」ではなく「検索上位にくるための対策」と見なされると評価が下がってしまいます。
そのため、被リンク数を稼ぐために関連性のないホームページからリンクを貼るのは止めましょう。良いコンテンツを発信していれば、自然と被リンクは多くなっていくため、良質なコンテンツを発信することを重視しましょう。
SEO対策で効果を出したい方へ
ホームページのSEO対策は、ご紹介した点を意識すれば自分で行うことも可能です。ただし、ここでご紹介した内容はあくまで基礎的な内容に過ぎません。またSEO対策は持続が非常に重要ですが、そのための時間がなく、いつの間にかSEO対策が疎かになってしまう例も多くあります。
SEO対策を効果的に行うには、やはり専門家に頼るのが良いでしょう。
ホームページの集客に課題を抱えてませんか
ご紹介してきた通り、SEO対策は今回の記事を参考に自分で対応することも可能ですが、検索上位を獲得するためのテクニックやツールの使い方、キーワードの選定など一定以上の経験や専門知識が必要で、自分たちだけで対応するには限界があります。
株式会社シフトはホームページ制作会社です。独自性の高いホームページの制作や運用を楽にするCMSの導入支援だけでなく、集客におけるコンサルティング支援も行っています。
「ホームページを制作したけど集客がうまくいってない」「SEO対策を自分で行っているが効果がでていない」などの課題がありましたら、お気軽にご相談ください。
⇒ホームページの集客について相談する
まとめ
ご紹介した点を押さえれば、自分でもSEO対策ができます。知識を身につけて、記事の内容やデザインにも気を配りましょう。Googleが提唱する「ユーザーにとっての有益性」を理解して、それに沿った対応をすることが大切です。
ただし、効果的なSEO対策を行うには膨大な時間が必要ですし、日々変化するGoogleのアルゴリズムに対応するのは困難です。専門家の手を借りてSEO対策を行う方が、確実性が高いと言えるでしょう。