ドメインはそのまま。ホームページリニューアル時の引継ぎ方法を解説

ドメインはそのまま。ホームページリニューアル時の引継ぎ方法を解説

ホームページのリニューアルを機に、ホームページの内容や容量、コストなどを見直す場合があるでしょう。サーバー容量やコストを見直した結果、別の運営会社の方が良いと判断して、移管を進めることがあります。

ただ移管を行う際に気になるのが「ドメイン」です。URLを決めるドメインは、ユーザーの使い勝手や管理を考えると、そのままにする方が望ましいとされています。ドメインを引き継ぐことで、ユーザー・運営側双方にメリットがあります。本記事では、ホームページリニューアル時にドメインをそのまま引き継ぐ方法をご紹介します。

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そもそもドメインとは?

そもそもドメインとは?

ドメインとは、インターネット上の「住所」のことです。インターネットでは、ホームページが「家」、サーバーが土地に例えられますが、サーバー上にあるホームページの場所を示したものがドメインです。一般的にはURLの「https://www」の後に続く部分で、シフトの場合は「.shift-jp.net」がドメインとなります。

本来、ホームページを閲覧する際には、IPアドレスが利用されます。しかしIPアドレスは数字の羅列で、ユーザーにとっては非常に分かりにくいです。そのため、任意の文字列であるドメインとIPアドレスを連携させ、ユーザーにも覚えやすいようにしています。基本的にはドメインで閲覧したいホームページを要求すると、サーバーが対応するIPアドレスを調べて表示させる仕組みです。

ドメインには独自ドメインとサブドメインがあり、独自ドメインは独自の文字列を指定するドメイン、サブドメインはサービス提供会社が所有するドメインです。企業がホームページを作成する場合は、一般的に独自ドメインが採用されます。独自ドメインを採用すると、ユーザーからの信頼性がアップするだけでなく、自社だけのアドレスを取得して永久に使い続けられるなどのメリットがあります。

また、用途や国によって取得できるドメインは変わります。たとえばドメインでよく見かける「.co.jp」は「co」が法人を表し「jp」が日本を表しています。このドメインを利用できるのは、日本国内の法人のみです。ほかにも、商用サービスで利用される「.com」や、ネットワークを意味する「.net」などが広く利用されています。

ホームページリニューアルでドメインはそのまま使える?

ホームページをリニューアルしても、ドメインはそのまま使い続けることができます。先述したように、ホームページは家、サーバーは土地、ドメインは住所に例えられます。仮に家をリフォームしても建っている土地が変わらなければ住所は変わらないのと同じように、ホームページをリニューアルしてもドメインは変わりません。

リニューアルの際には、サーバー移行やドメインの管理会社を変更する場合がありますが、移管作業を行えばドメインを引き継ぐことが可能です。ドメインが変わるとさまざまなデメリットがあるため、特殊な条件でない限り、ドメインはそのまま引き継ぐのが望ましいでしょう。

ただし、ドメインを引き継ぐ場合には自社がドメインの所有者である必要があります。制作会社にドメインの所有権がある場合や、契約で一定期間ドメイン移管ができない場合も考えられるため、まずはドメインの所有者を確認しましょう。

リニューアルでドメインをそのままにするメリット

ホームページリニューアルでドメインはそのまま使える?

ホームページをリニューアルしても、ドメインは基本的にそのまま使用しましょう。なぜなら、ドメインをそのままにしておくことは自社にとってのメリットが大きいためです。ここでは、リニューアルでドメインをそのままにしておくメリットを3つご紹介します。

URLをそのまま使える

リニューアル時にドメインをそのままにしておけば、URLを変更する必要がありません。

URLを変更する最大のデメリットが「URLが変更となったことを各所に通知しなければならないこと」です。名刺やパンフレットなど以前のURLが印刷されたものを回収して、新しいものを再配布する必要がありますし、ユーザーや取引先にもURLが変わったことを知らせなければなりません。これには多大なコストがかかります。アクセス解析ツールを使用していた場合には、再設定も必要です。

またユーザーにとってもURLの変更は手間がかかります。ブックマークからホームページを訪問していた場合は再ブックマークをしなければなりませんし、場合によってはURLが変更となったことを知らず、ホームページにアクセスできない状況になってしまうかもしれません。

URLが変更になると、上記のようなさまざまな問題が発生します。URLがそのまま利用できれば、こうしたコストやユーザーの手間はかかりません。

メールアドレスをそのまま使える

ドメインをそのまま引き継げば、メールアドレスもそのまま利用できます。

基本的に独自ドメインを取得している場合には、メールアドレスも独自ドメインと同じものを利用している方が多いと思います。ドメインが変更されれば、以前のメールアドレスは利用できなくなり、新しいドメインのメールアドレスを利用することになります。

しかしメールアドレスが新しくなると、さまざまな課題があります。まず、旧アドレスに送られたメールは受信できません。そのため、取引先などには早急にアドレスが変更となった旨を知らせる必要があります。

また、メールソフトの再設定や利用しているサービスの登録変更なども行わなければなりません。漏れやミスがあると、メールの受信ができない、サービスが利用できないなどのデメリットがあるため、抜け漏れや設定ミスがないように注意する必要があります。

SEOの評価を引き継げる

リニューアル時にドメインをそのまま引き継ぐと、SEOの評価も引き継げます。

SEOの評価は、基本的に積み重ねです。ホームページ内のコンテンツを増やしたり、コンテンツの質を高めていったりすることによって、徐々に評価が上がっていきます。評価が高まったドメインは、Googleからの信頼が高くなり、検索した際に上位に表示されます。

しかし、ドメインを変更すると評価がリセットされてしまいます。リダイレクトを行うことでSEOの評価を引き継ぐことは可能ですが、評価が回復するまでに2週間から3ヶ月ほどかかるとされており、加えてファイル名も変更されている場合はさらに時間が必要です。

もしリニューアルに伴ってコンテンツの量や質が低下していたり、内部構造が整理されていなかったりすれば、以前のような評価が得られなくなるかもしれません。仮にリニューアル前とコンテンツがほぼ同じだとしても、リニューアル前のホームページがインデックスされたままになっていたら、新しいドメインがミラーコンテンツと判断される可能性もあります。

またSEOの評価は被リンクの数とも関係しています。特に長年運営して多くの被リンクを獲得しているホームページでは、ドメインを変更することによって被リンクによるSEOの評価がリセットされてしまいます。

基本的にリンクをしてくれたホームページやブログなどは、通知をしない限りドメインが変更されたことに気付きません。仮に通知して新しいドメインに再度リンクしてもらったとしても、自社側が把握していない被リンクが多ければ、SEOの評価は下がってしまうでしょう。

ドメインをそのまま引き継げば、SEOの評価は変更されません。上記のような問題への対処をする必要がなくなります。

リニューアルでドメインを変更した方が良い場合

リニューアルでドメインを変更した方が良い場合

ホームページのリニューアル時には、基本的にドメインをそのままにしておく方が望ましいです。ただ、中にはリニューアル時にドメインを変更した方が良い場合もあります。ここでは、リニューアルでドメインを変更した方が良いケースをご紹介します。

無料プランで提供されたドメイン

無料プランで提供されたドメインを使用している場合は、リニューアルを機にドメインの変更を考えましょう。

無料プランで提供されているドメインは、基本的に運営会社が所有するドメインを利用したサブドメインです。もし運営会社のサービスが終了した場合、ドメインが利用できなくなり、場合によってはホームページが削除されてしまう可能性もあります。

独自ドメインの取得にはコストがかかりますが、比較的信頼性の高い「co.jp」のドメインでも、年間1万円以下の費用で取得と更新ができます。自社のブランドイメージの確立がしやすく、運営会社のサービス状況に翻弄されることもありません。

リニューアルを機に独自ドメインを取得して、自社でドメインを管理するのが良いでしょう。

事業内容が大幅に変わる

事業内容が大幅に変わる場合も、ドメインの変更をおすすめします。なぜなら、事業内容が大幅に変わると、同じドメインを利用し続けるメリットがないためです。

ドメインをそのままにし続けておくメリットとして、先述したように「SEOの評価が引き継がれる」という点があります。SEOの評価基準には「E-E-A-T」があり、これは経験(Experience)、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の4つを基準に、コンテンツの質を判断する方法です。たとえば、介護事業をしている企業のコンテンツであれば、介護に関する経験や専門性、信頼性などを見て記事の質を判断するということです。

しかし、介護事業をしていた企業がITに事業内容を変更した場合、ITが専門となります。これまで公開してきた介護のコンテンツは、専門性の違うコンテンツとなるでしょう。つまり、経験や専門性を基準として積み上げてきたSEOの評価がリセットされ、新たにITの専門家としてのコンテンツを積み上げていく必要があるということです。

また事業内容が大幅に変わった場合、ドメインも事業内容に合わせたものにした方が良いでしょう。場合によっては、トップレベルドメイン(URLの1番右側の部分。用途や国、属性を表す)も変更する必要があります。

社名が変更になる

社名が変更になった場合も、ドメインを変更した方が良いでしょう。

多くの場合、ドメインは社名をそのまま利用しています。もし社名が変更になったのにそのままのドメインを利用し続けた場合、ドメイン名とホームページの社名が違うという現象が起きてしまいます。これはユーザーを混乱させますし、ドメインとホームページの内容に共通点がないとSEOにも影響があるとされています。

社名変更に伴うドメイン変更は、計画的に行うことが大切です。基本的に現状のドメインを新しいドメインに変更することはできません。社名変更をする場合は新しいドメインを取得して、旧ドメインの契約を解除することになります。

ただし「co.jp」や「ac.jp」は、1組織で1つのドメインしか取得できないルールとなっています。そのため、複数のドメインを持つのに必要な手続きを行う必要があります。必要な書類や費用、審査日数などを調べておきましょう。

リニューアルでドメインをそのまま引継ぐ3つの方法

リニューアルでドメインをそのまま引継ぐ3つの方法

リニューアルでドメイン変更となる可能性があるのは「サーバー移管」「ドメインの管理会社変更」「ドメインとサーバーの移管」の3つです。いずれもドメインをそのまま引き継げますが、場合によっては手続きが必要なこともあります。ここではリニューアルでドメインを引き継ぐ方法を、状況別にご紹介します。

1. サーバーを移管する

リニューアルの際にサーバー移管した場合でも、ドメインをそのまま引き継げます。より高品質なサーバーに移管することで、ホームページの表示スピードが速くなったり、アクセスが急増してもダウンしにくくなったりといったメリットがあります。

サーバー移管の際に注意したいことが、旧サーバーの解約です。サーバーの移管は、一般的に数日~数週間かかるとされています。もし移管の最中に旧サーバーを解約してしまうと、ホームページの閲覧ができなくなる可能性があります。旧サーバーを解約するのは、新サーバーへの移管作業をした1ヶ月後くらいにしましょう。

またサーバー移管中は、一時的にホームページへのアクセスが不安定になります。トラブルも発生しやすいため、移管作業は繁忙期を避けた方が良いでしょう。

ドメインに関しての手続きは特に必要なく、新しいサーバーでドメインの設定を行うだけです。

サーバーを移管する手順

サーバーを移管する前に、まずは現在の契約情報を確認しておきましょう。サーバーはもちろん、ドメインやFTP情報、利用しているCMSのログイン情報なども確認しておくと後の手続きがスムーズになります。

その後、ローカル、もしくはサーバーのバックアップ機能でデータのバックアップを取ったら、以下の手順でサーバー移管を行います。

  1. 新サーバーの契約
  2. 新サーバーでドメインの設定
  3. 新サーバーにデータ移行
  4. DNSの切替作業
  5. 動作確認
  6. 旧サーバーの解約

2. ドメインの管理会社を変更

ドメインの管理会社を変更する場合も、ドメインをそのまま引き継げます。特に複数のドメインを複数のサービス会社で利用している場合、一元化を目的に行われる場合が多いです。管理会社を変更することで、コストが抑えられる場合もあります。

ドメインの管理会社を変更する場合は、ドメインの有効期限や移管についての条件などを確認しましょう。ドメイン移管には時間がかかり、移管中に有効期限が切れてしまうと管理会社の変更ができません。移管にかかる時間は管理会社によって違いますが、基本的には最低1ヶ月の猶予を持って手続きを行うのが良いでしょう。なお、ドメインは登録後60日が経過していないと、管理会社の変更ができません。

また移管に関しては、レジストラロックの解除や認証コード(Auth Code・EPP Key)など必要な作業が多いため、事前にやるべきことを確認しておきましょう。加えて、移管先で現在のドメイン種別を取扱っているかなども確認が必要です。

ドメインの管理会社を変更する手順

ドメインの管理会社を変更する場合は、まず移管条件や必要な情報の確認が必要です。条件によっては移管が適さない場合もあるため、まずは移管に適した管理会社を探すところから始めましょう。

移管先が決まったら、下記の手順に則って移管作業を進めます。

  1. 現在の管理会社の移管条件を確認
  2. 現在の管理会社に移管申請
  3. 認証コードの取得
  4. 新しい管理会社に移管申請
  5. 管理会社に移管費用の支払い
  6. 移管作業
  7. 移管完了

3. ドメインとサーバーを移管する

ドメインとサーバーの両方を移管する場合も、ドメインをそのまま引き継ぐことが可能です。基本的にサーバーとドメインはそれぞれ移管できるので、双方を移管する必要はありません。ただ他社からのホームページの譲渡や、リニューアルを機にサーバーやコストの見直しをした場合に行われることがあります。

ドメインとサーバーを移管する場合は、サーバーの移管を先に行いましょう。ドメインの移管はユーザーに大きな影響を及ぼしませんが、サーバーの移管で不具合が発生すると、ホームページが閲覧できない、正常に動作しないといった状況に陥ることがあります。こうなった場合、旧サーバーにデータを戻すことも考えられますが、ドメイン移管を進めているとサーバーの変更がリアルタイムでできないことがあります。

ただし、ドメインの有効期限が迫っている場合は、ドメイン移管を先に行った方が良いでしょう。

ドメインとサーバーを移管する手順

ドメインとサーバーを移管するには、先述したサーバー移管の手順を行ってから、ドメインの管理会社変更の手続きを行います。上記と同様に、まずは移管に必要な情報を集めて確認しておきましょう。

  1. 新サーバーの契約
  2. 新サーバーにホームページをアップロード・制作
  3. ドメインの移管作業(「ドメインの管理会社を変更」で示した手順)
  4. DNSの切替作業
  5. 動作確認
  6. 旧サーバーの解約

ホームページリニューアルにお悩みの方へ

 ホームページのリニューアルは、ドメイン移管やサーバーの変更に良い機会です。ただドメイン引き継ぎやサーバー移管などは専門知識が必要で、社内に専門家がいない場合、対応が難しいでしょう。

株式会社シフトではホームページの制作はもちろん、ドメインの引き継ぎや変更、サーバーのことまでワンストップで相談が可能です。「リニューアルの際にこんな機能を付けたい」、「今使っているサーバーのままリニューアルはできるの?」などホームページのリニューアルにお悩みの方はぜひご相談ください。
⇒ホームページのリニューアルについて相談する

まとめ

ホームページリニューアルでは特別な事情がない限り、ドメインはそのまま利用し続ける方が良いでしょう。ユーザーの使い勝手やSEOを考えても、ドメインを引き継いだ方が多くのメリットがあります。

もしサーバーやドメインの移管を考えている場合には、先述した方法でドメインをそのまま引き継ぐことが可能です。作業が複雑な部分もあるため、自社で難しい場合には専門家に相談しましょう。

ご相談をお待ちしております。お気軽にご相談ください。

お電話でのご相談窓口

03-5847-1281

(受付時間:平日 9:30-18:00)

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