ポータルサイトとは?構築方法や成功事例に学ぶビジネス活用のヒント
はじめに
「ポータルサイトってよく耳にするけれど、普通のWebサイトとなにが違うのかよくわからない」という方も少なくないと思います。一般的な企業情報を発信するホームページ(コーポレートサイト)との一番の違いは「集客」が目的になっている点です。
ポータルサイトの構築・運用がうまくいけば、これまで繋がりのなかったユーザーと新たな接点を作ることができ、多くのユーザーが集まるWebサイトになります。そんなポータルサイトを成功させるには「運用」がカギになってきます。
この記事ではポータルサイトを構築するメリットから、ポータルサイトの種類、注意点、構築・運用方法など、弊社で作成してきたポータルサイトの事例を交えながらご紹介します。ポータルサイトの構築やリニューアルを検討されている方は、成功しているポータルサイトの事例を参考に、失敗しないポータルサイトの構築・運用方法を学んでみてください!
株式会社シフトでは様々なポータルサイトを構築してきました。
グループ共通のポータルサイトや、サポート業務の効率化を実現した制作事例はこちらからご覧いただけます。
目次
ポータルサイトとは
ポータルサイトとは、検索エンジンやニュース、天気、メールなど複数の情報やサービスを一つの場所に集約し、ユーザーに便利な情報の入口を提供するWebサイトです。日本では「Yahoo! JAPAN」「Google」などがその代表格になります。
「ポータル」という言葉には「玄関」や「入口」という意味があるため、「ポータルサイト」と呼ばれています。
ポータルサイトの歴史
ポータルサイトはもともと、検索サービスを提供するWebサイトがジャンルごとにリンクをまとめたことから始まりました。その後、ニュース、天気予報、辞書など、さまざまなコンテンツが追加され、インターネットの総合的なサービスのような形態をとるようになりました。
現在はユーザー数を増やす目的で、便利な機能やコンテンツをユーザーニーズに合わせて各種情報やサービスが提供しており、その結果、トップクラスのアクセス数・ユーザー数を誇り、権威性のあるサイトへと発展しています。
ポータルサイトとホームページの違い
ポータルサイトとホームページの違いはその役割にあります。
先述の通りポータルサイトは、多くの情報やサービスを一つの場所に集約し、ユーザーにとっての情報の出発点となり、検索エンジン、ニュース、天気予報、メール、掲示板など、多彩な機能を統合しています。ユーザーは個々の興味や好みに応じて情報を選択できるため、カスタマイズ性が高いサイトといえます。最近ではポータルサイトの特性を活かしたWeb集客を目的とするケースも多くあります。
一方、ホームページは、特定の個人や企業、団体が自身やその活動、商品、サービスに関する情報を提供します。ホームページは運営者のイメージやメッセージを伝えるためのものであり、通常は提供するサービスや製品、最新情報などを掲載しています。特定の情報やサービスを重視し、ユーザーに直接的な価値を提供することが主な目的です。
それぞれのWebサイトの特性を理解し、目的に合わせて活用することが重要です。
ポータルサイトの種類
ポータルサイトにはいくつか種類があり、それぞれに特徴があります。構築にあたってはそれらの特徴を理解して、どの種類のポータルサイトを作成したいのかを決める必要があります。
ここでは、代表的な9つのポータルサイトについて詳しく紹介します。
1.総合型ポータルサイト
総合型ポータルサイトとは、話題のニュース、天気など生活する上で必要な情報が総合的にたくさん掲載されているポータルサイトのことを言います。総合型ポータルサイトは、莫大な情報が掲載されているため、サイトの運用が非常に大変なポータルサイトです。
代表例「Yahoo! Japan」
総合型ポータルサイトの代表例は「Yahoo! Japan」などが該当します。ポータルサイトと聞いたら、多くの人が思い浮かべるのがこのサイトではないでしょうか。これぞ王道のポータルサイトと呼べると思います。
莫大な運用費用がかかってしまうため、一般的には専門型ポータルサイトなどが作られることが多いです。このレベルのポータルサイトを運営するにはかなりのコストがかかる為、最近では専門分野に特化したポータルサイトが多い傾向です。
2.検索型ポータルサイト
検索型ポータルサイトとは、検索エンジンやリンク集、交通情報、天気予報など、さまざまなコンテンツと多数のサービスを提供するサイトで、特に検索エンジンに特化したポータルサイトのことを言います。
代表例「Google検索エンジン」
Google検索エンジンが、検索型ポータルサイトに該当します。特にGoogleの検索エンジンは世界的シェア数が多く、利便性に優れています。
Yahoo! JAPAN検索エンジンがまだ独自の検索エンジンを持ってた時代は、Yahoo! 検索エンジンが日本国内のシェアNO.1でしたが、2010年以降Yahoo!検索エンジンはGoogleの検索エンジンを取り入れるようになり、今ではGoogle検索エンジンが国内シェアNo.1となっています。
3.地域型ポータルサイト
地域型ポータルサイトは、ある特定の地域に関する観光名所の情報や病院情報、求人情報などが掲載されている、地域の方向けに役立つ情報が発信されているサイトです。
地域型ポータルサイトの運営は、民間企業が行っている場合もありますが、行政や自治体が運営しているケースも多いです。
代表例「箱根全山」
代表的な地域型ポータルサイトとしては箱根町観光協会が運営している「箱根全山」が挙げられます。
観光名所で有名な箱根周辺エリアのお店や宿泊施設、観光スポット・お祭り・イベント情報などを発信しており、お店探しや情報検索のツールとして使う事ができ、観光する際に役立つ情報を提供してくれるポータルサイトです。
4.専門型ポータルサイト
専門型ポータルサイトは、なにか1つの分野に特化した情報が掲載されているポータルサイトのことを言います。
特定のテーマに絞り込んだポータルサイトなので、SEOの効果を発揮しやすく、Web集客を行いやすいサイトです。情報量が莫大になりやすいため、検索窓が必要になることが多い傾向です。
代表例「不動産ポータル:SUUMO」
代表的な専門型ポータルサイトとしては不動産ポータルサイトの「SUUMO」が挙げられます。SUUMOは人材サイトのリクナビで有名な、リクルートが運営する不動産ポータルサイトです。
不動産に特化した、住まい探しをするユーザーにとって使いやすいサイトとなっており、不動産ポータルの草分け的存在でユーザー数の多い専門型ポータルサイトです。
株式会社シフトでは映画事業を手がける松竹株式会社のポータルサイトを構築しました。
サイト導入に至った背景や、導入後の成果はこちらのインタビュー記事で詳しく紹介しています。
【インタビュー記事】100年分の映画作品が検索できるサイト…
5.社内ポータルサイト
社内ポータルサイトとは、企業が扱っている情報を集約して、社内向けに情報が公開されているサイトのことを言います。
社内ポータルサイトは、他のポータルサイトと異なり、社内の情報伝達や情報共有を行うことを目的に運営されているサイトのため、一般公開はされておらず、閲覧できる人は社内の従業員または関係者と限定されているポータルサイトです。
代表例
一般公開されていないポータルサイトなので、特に代表例などはありませんが、当社で制作を行ったポータルサイトをこちらの記事でご紹介しています。気になる方は是非こちらの記事をご覧ください。
株式会社シフトでは、国内だけで29社を展開するセガサミーグループ共通の社内ポータルサイトを構築しました。
サイト導入に至った背景や、導入後の成果はこちらのインタビュー記事で詳しく紹介しています。
【インタビュー記事】従業員が毎日訪れる必要不可欠なサイトに…
6.目的型ポータルサイト
目的型ポータルサイトとは、婚活サイトなどのユーザー同士をマッチングさせることを目的としたサイトや、ユーザーの口コミ情報を集約したサイトなど、何かの目的のために情報や機能・コンテンツを提供しているポータルサイトのことをいいます。サイトの利用者と提供者を仲介する運営側は、手数料や掲載手数料を貰ってサービスを運営している場合が多いようです。
ただし、業界によっては免許や許可届が必要になったり、法的に問題がある場合があったりするので、まずは事業計画に問題がないか確認した上で、システム開発を依頼した方がよいでしょう。
代表例「価格.com」
代表的な目的型ポータルサイトには、ユーザーの口コミを投稿するという目的を持った「価格.com」などが該当します。価格.comはカカクコムが運営している、パソコンや家電、カメラなど様々なジャンルの商品やサービスの価格情報・商品情報・クチコミ情報などを集約して提供しているサイトです。
メーカー発信ではないリアルな口コミを集めるという目的を持ったポータルサイトで、商品の良し悪しを判断するのに役立つサイトになります。
7.ブログ型ポータルサイト
ブログ型ポータルサイトとは、複数のユーザーにブログスペースを提供して、ユーザーが発信する情報を集めて表示することができる、1つの巨大メディアとしてネットユーザーの情報源となっているサイトのことです。サイトの会員になることで自由にブログを投稿できたり、限定公開されている記事を読めたりすることができ、近頃は、ブログに留まらずホームページを簡単に作成できるサイトも登場しています。
代表例「Ameba(アメーバ)ブログ」
ブログ型ポータルサイトには「Amebaブログ」が該当します。アバターサービス「アメーバピグ」や足あと機能、読者申請といった会員同士のコミュニケーションを盛んにするツールの豊富さが魅力で芸能人もよく使っているWebサイトです。
また、Amebaブログはアメーバピグなどのコミュニティからの流入も見込めるため、ブログを始めたばかりの人でも比較的容易にユーザーを呼び込めるのが魅力です。ただ、アフィリエイトなどには厳しい運営方針なのでそのような目的での運用には、あまり向いていません。
8.コミュニティ型ポータルサイト
コミュニティ型ポータルサイトとは、ユーザー同士の交流を行うためのポータルサイトです。主にユーザーの書き込みに対して返信することよってコンテンツが作られていくため、少人数の運営スタッフで大規模なコミュニティサイトを運用することができます。
代表例「Yahoo!知恵袋」
代表的なコミュニティ型ポータルサイトには、「Yahoo!知恵袋」などが該当します。ユーザーの質問に対して、ユーザーが回答する。情報更新のほとんどをユーザーが行ってくれるので、他のポータルサイトよりも運営のコストが抑えられます。
ユーザーのリアルな悩みや疑問・質問が掲載されているサイトなので、同じような疑問を持ったユーザーも多く存在し、ユーザーがよく検索しているキーワードで、自然とページがヒットすることもあり、SEOの効果も非常に高いサイトです。
コミュニティサイトについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
企業のコミュニティサイト構築マニュアル!種類の違いや成功事例をご紹介
9.カスタマーポータルサイト
カスタマーポータルサイトとは、ユーザーがログインして利用できる「会員専用のWebサイト」のことで、各会員に発行されるIDとパスワードを使用してログインします。ログインしたユーザーごとに表示されるコンテンツの内容が異なり、各種サービスの手続きや、契約・購入しているサービス・製品に関連するおすすめ情報を発信することが可能です。
代表例
基本的に一般公開されていないサイトですが、クレジットカードの会員専用管理ページや通販サイトの会員ページもカスタマーポータルの一種です。登録したアカウント情報の確認や支払情報の管理、カスタマーサポートとのやりとりや、製品の購入などさまざまな機能が備わっているケースが多いです。
カスタマーポータルを構築するメリットや構築する際の注意について詳しく紹介した記事があります。
カスタマーポータルとは?構築のメリットと注意点、成功事例をご紹介
株式会社シフトでは様々なポータルサイトを構築してきました。グループ共通のポータルサイトや、サポート業務の効率化を実現した制作事例はこちらからご覧いただけます。⇒制作事例を見る
ポータルサイト構築のメリット
ポータルサイトを構築することによって、どんなメリットがあるのでしょうか?
運営側と利用者側それぞれの視点でメリットについてご紹介します。
運営側のメリット
運営側視点のメリットとしては、ポータルサイトを運用することによって、コーポレートサイトでは接触が難しいユーザーとの接点を得られ、サイトのアクセス数やPV数が伸びてくるなど集客効果が見込めます。アクセス数が多いサイトになれば、企業の認知拡大が見込め、自社のサービス利用者を増やすキッカケにもなります。
また、広告枠を設けると、広告掲載費による収益といった、新たな収益源を獲得することもできます。
利用者側のメリット
利用者側のメリットは、インターネット上に散らばっている多くの情報から必要としている情報を検索で探し出せるという点です。
また、検索機能の他にも、天気やテレビ番組表、占い、株価など生活に役立つ情報を閲覧できるという点も大きな魅力です。
このメリットはあくまでも一例で、ポータルサイトには様々な種類があり、その種類によって利用者にもたらされるメリットや、使える機能も変わってきます。
次はポータルサイトの種類についてご紹介します。それぞれの特徴とメリットを知って、どの種類が一番理想に近いのか、判断の材料にしていただければ幸いです。
ポータルサイトを立ち上げる前にやっておくべきこと
ポータルサイトを長く運用するためには、立ち上げる前にやっておくべきことがあります。
以下では、ポータルサイトを立ち上げるために必要なことについて、6つ説明します。
目的とマネタイズの方法の検討
はじめに、ポータルサイトを構築する目的の明確にします。なぜなら、「情報共有による利便性を向上するためのポータルサイト」か、「ユーザー同士の交流を活性化させるためのポータルサイト」なのかによって、コンテンツの配置や必要な機能が変わるためです。目的を具体化することで、制作がスムーズに進みます。
また、目的設定と同時に、マネタイズ方法の選定が必要です。良質なポータルサイトを維持するには、人件費や取材費などの費用がかかります。そのため、十分な収益が伴わなければ、長期でポータルサイトを運営していくことは難しいでしょう。
マネタイズの方法は、ポータルサイト内の広告枠を企業に販売する「掲載課金型」や、ポータルサイトに掲載した情報が企業へのコンバージョンにつながった際に報酬が支払われる「成功報酬型」などがあります。ポータルサイトの目的によって適切なマネタイズ方法が異なるため、目的を設定すると同時にマネタイズ方法を整理しましょう。
市場調査
ターゲットの市場調査は欠かせません。市場の動向やトレンドは時代によって変化していくため、現状の市場を分析する目的で市場調査を行います。
業界紙やシンクタンクの情報などから数値データを収集することや、関連企業をリサーチしてトレンドを把握することで、マーケティングの精度が向上するでしょう。また、狙いたいキーワードの検索ボリュームの調査も、市場調査の有効な手段です。
競合調査
競合調査では、同じ市場・同じ顧客層を持つライバル企業をさまざまな観点で調査します。競争サイトと自社を比較し、自社の強みや弱みを把握して、制作するポータルサイトとの差別化を図ることが重要です。
競合サイトと差別化することよって、自社のブランド力や魅力を高められるでしょう。競合調査を行う際は「3C分析」や「4C分析」などのフレームワークを活用します。
ターゲットユーザーの整理
ポータルサイトを立ち上げる場合、利用者となるターゲットユーザーがどのような人たちなのか、整理することが重要です。ターゲットユーザーをひとりに絞り、深掘りした人物像をマーケティング用語で「ペルソナ」といいます。ペルソナを設定する際は、ユーザーの日常における生活背景や仕事の内容、収入、趣味趣向などを洗い出します。
ユーザーニーズの確認
ターゲットユーザーを整理したら、次はユーザーニーズを確認しましょう。ユーザーニーズを把握していないと、ポータルサイトに訪問してくれたユーザーの離脱を招いてしまいます。そのため、ユーザーがどのような情報を求めて、ポータルサイトにアクセスするか把握することが重要です。
ユーザーのニーズを確認するには、キーワードの検索ボリュームがどのくらいあるのか調査します。検索ボリュームが大きいキーワードは、それだけニーズが高いということになります。
ポータルサイトが、検索ボリュームが大きいキーワードで上位表示されれば、多くのユーザーの流入を見込めますが、一方で競合サイトが多い傾向にあります。対して、検索ボリュームが小さいキーワードはニーズが少ないということになり、検索ボリュームが大きいキーワードと比べると、検索結果で上位表示されやすい傾向があります。
検索ボリュームの調査によって、情報に対するニーズがあるか判断できます。
事業計画の策定
ポータルサイトを始めて継続的に運用するためには、事業計画の策定が必要です。まずは、ポータルサイトで、費用対効果がどのくらい見込めるのかイメージを持ちましょう。
イメージを持つためには、あらかじめポータルサイトで取り扱う商品サービスの市場や競合などを、事前に確認することが必要です。すると、ポータルサイトにおけるシェア率や売上数がどのくらいになるか想定できます。
ポータルサイトは「運用」がカギ
運用失敗で閉鎖になるケースも…
ポータルサイトをせっかく構築しても、閉鎖になってしまうケースも少なくありません。理由は単純で運用コストを回収することが出来ずに閉鎖に至ったケースが多いようです。
運用にあたっては、会員数を増やすためにSNSを利用したり、ポータルサイトにリンクを貼ってもらったり、有料の広告掲載を行ったり、自然流入を増やすために「コンテンツページ」を増やしたりする等、手法は非常に多くあります。
このようにポータルサイトの運用手法は非常に多くあるため、運営業務は多岐に渡ります。運用を失敗しないためには、ポータルサイト構築前の段階から運営計画を立てておき、スタッフのリソースもしっかり確保しておく必要があります。
運用で大切なのは「情報の鮮度」
ポータルサイトに限ったはなしではないですが、Webサイトは作って終わりではなく、その後の情報更新が非常に重要です。
情報は鮮度が命です。今や、話題になるころには関連したページができているのが当たり前の時代。気になったニュースを検索したらテレビより詳細な情報が⼿に入り、その後そのサイトに掲載されたほかのニュースをそのまま閲覧したことはないでしょうか?情報発信が早く、関連記事を多く掲載しているWebサイトであるからこそ、このような体験が可能になります。
ポータルサイトは様々な情報が集まるWebサイトなので、通常Webサイト以上に日々の更新・運⽤が大切になってきます。多くのユーザーに利用してもらうようにするためには、コンスタントな情報発信が必須条件です。
集客施策とサイト改善の実施
新規ユーザーを確保するために、リスティング広告などのWEB広告やSNS運用、コンテンツマーケティングなどで集客を行います。
事業計画にあわせて、どのタイミングでどの施策にどのくらい予算と時間を掛けるべきか、ポータルサイトの構築段階から計画しておきましょう。
ユーザーが徐々にポータルサイトに集まりはじめ、アクセスデータが蓄積されたタイミングで、Webサイトの分析を行い、ユーザーが実際にサイトのコンテンツをしっかり見てくれているのか、どのコンテンツに興味があるのか、アクセスしたユーザーに満足してもらうためにサイトの分析と改善を繰り返して、ユーザー体験を高めていきましょう。
その結果として、お問い合わせや商品購入などのコンバージョン(⽬的の達成)に繋がりやすくなります。
スムーズな運用を実現するにはCMSがおすすめ
多くの情報発信を行うために、都度Webサイト制作会社に外注していては情報の鮮度が落ちてしまいます。そのため、ポータルサイトの構築・運⽤にはCMSの導入が不可⽋といっても過⾔ではありません。
CMSとは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略で「コンテンツ管理システム」とも呼ばれます。簡単に説明するとwebに関する専門的な知識が無い方でも、簡単にwebサイトのページが作れたり、更新したりすることが出来るシステムのことです。
CMSを導入すればリアルタイムな情報発信ができ、制作会社に都度支払う外注コストも削減することが出来ます。CMSは蓄積されたデータの検索や編集が簡単に⾏えるので、ポータルサイトの記事やコンテンツ量が膨⼤になってきた際の管理が容易になります。
また、ユーザーが『いいね』やコメントを投稿できるようにするには、そのような仕組みを持った機能を作る必要がありますが、CMSには予めそのような機能を用意しているものが多くありますので、ポータルサイト構築にかかるコストやスケジュールもいちから作るより軽減されます。
CMSを使って構築する方法も、WordPressのような無料のオープンソースCMSで作ることもできますが、それにもある程度の知識が必要です。選任の担当者がいないようであれば、CMSを扱っている制作会社に依頼した方が失敗のリスクは下げられるでしょう。
CMSについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
CMSとは?種類や仕組み、導入時のポイントをわかりやすく解説!
おすすめCMSパッケージ SITEMANAGE
シフトで独自開発しているCMS「SITEMANAGE」は、毎⽇の更新作業が楽しくなる、快適な操作感のCMSパッケージです。
500社を超える企業に導⼊されており、ポータルサイトの実績も多数あります。プラグイン拡張型なので、ポータルサイトに必要な機能はもちろん、ポータルサイトにECの機能を追加するなど、100種類以上ある機能プラグインをどんどんプラスしていけます。
SITEMANAGEについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください
ポータルサイトの制作手順と期間(シフトの場合)
ポータルサイトを構築すると言っても、どのように制作を進めていくのかご存じない方も多いと思います。ここではシフトで構築する場合の制作の進め方と、構築までにかかる期間についてご紹介いたします。
1.ヒアリング・要件定義
ポータルサイトの開発において重要なポイントはコンバージョン(目的)です。目的を達成するためのサイト設計やSEO対策、リスティング広告運用などをプランニングする必要があります。
そのコンバージョンをもとに、ポータルサイトで扱うコンテンツの種類、ボリューム、 アクセス端末、アクセス数、インフラ要件などをヒアリングして、ターゲットユーザーのニーズも踏まえて要件を整理していきます。
週1回の定例ミーティングを2~3時間程行い、アクションアイテムを用いて、課題・質問を管理して、セッションカレンダーによるアジェンダ管理を行っていきます。
要件が整理できたら、リリース時に必要なコンテンツも明確になるので、このあたりからコンテンツの準備もしはじめた方がスムーズにポータルサイトを公開できます。
要件定義にかかる期間は案件の内容によってさまざまですが、2ヵ月程度が一般的です。
2.基本設計・情報設計
要件定義の内容に沿って、サイト構成設計、UI/UX設計、公開側・CMSの管理画面側の画面設計を行います。検索性能やパフォーマンス、SEO設計などのノウハウが重要です。
特に検索性能の設計をミスするとコンバージョンが上がりませんので、そのあたりを注意しながら設計を行っていきます。
その他にもデータ移行の必要がある場合はデータ移行計画、移行設計を行います。
設計を行う期間は2ヵ月程度が多いです。
3.SEO設計
ポータルサイトの構築ではSEO設計を行います。
SEO設計では、ユーザーが検索していそうなキーワードの中から、実際に検索しているキーワードを見つけ出し、それをもとにサイトのカテゴリ設計やパンくずの作成、メタ情報などの最適化を行っていきます。
このようにサイトの設計段階からSEOを意識することで、集客しやすいポータルサイトが構築することが出来ます。また、シフトではキーワードの調査結果からコンテンツ制作をお手伝いすることも多いです。
SEO設計を行う期間は2ヵ月程度が多いです。
ポータルサイトのSEOについて詳しく紹介した記事がございます。
ポータルサイトの集客力を上げるSEO対策のポイントと実践方法
4.デザイン作成
ターゲットユーザーのニーズや好みを踏まえて構成案をデザインしていきます。
ポータルサイトは情報量が多くなるので、その情報をユーザにわかりやすく伝える必要があるため、コンテンツの見せ方がポイントになります。
情報の探しやすさを意識したUI設計をして、 コンテンツページは出来るだけ使いまわせる形でデザインするのもポイントです。
期間は1ヵ月から2ヵ月程度が多いです。
ポータルサイトのデザインについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ポータルサイトのデザインで差をつける!成功事例から学ぶヒントとアイデア
5.コーディング
作成したデザインをもとにHTMLをコーディングしていきます。コーディングを行う際に特に注意すべき点は、検索エンジンにわかりやすい記述をしているかどうかです。
SEO設計に基づいたコーディング、構造化マークアップなどを必要に応じて実施することが不可欠です。
シフト社内のコーディングチームには、SEOを考慮した独自の「コーディングガイドライン」があるので、それをもとにしっかりコーディングしていきます。
期間は1ヵ月から2ヵ月程度が多いです。
6.システム開発
コーディングしたデータをもとに、システムを開発していきます。検索性能、パフォーマンスを意識した開発が重要です。
また、自動生成されるページは注意が必要で、きちんとSEO対策していないと検索エンジンに評価されにくいサイトになってしまう可能性がありますので、そのあたりも考慮して構築する必要があります。
規模にもよりますが、開発にかかる期間は2ヵ月から3ヵ月程度です。
7.テスト
ポータルサイトが正常に動作しているかを確認するために社内のテストチームがテストを行ないます。
期間は1ヶ月程度となります。
8.引き渡し・受入テスト
社内のテストが終わったら、お打合せの場でCMSの操作方法をレクチャーして、お客様にシステムを引き渡します。
その後はお客様自身に記事の登録などしながら実際に操作をしてもらい、不具合がないか受け入れテストを行ってもらいます。
不具合があれば随時対処を行い、リリース日に向けて微調整していきます。
期間は1ヶ月程度となります。
9.リリース
テストを終えるといよいよリリースです。ポータルサイトをリニューアルする場合は、旧サイトのURLから新サイトのURLにリダイレクト設定が必要です。
リダイレクトも間違ったやり方で行ってしまうと、検索エンジンからの評価を引き継げない場合もあるので注意が必要です。
期間は1日で完了します。
シフトで作成したポータルサイトの成功事例
ここではシフトが制作したポータルサイトの中で、特に運用がうまくいっている成功事例をご紹介します。
先人たちから成功の秘訣を学びましょう!
セブンアンドアイホールディング様
デザイン
当時の課題
既に運用されていたポータルサイトがあり、プライベートブランドのファンサイトという位置づけでしたが、 投稿やアンケート、掲示板などユーザーが参加できるコンテンツが提供できておらず、スマートフォンも対応できていませんでした。
また、運用面で他のCMSパッケージを利用されていましたが、操作性や拡張性が悪く、運用にストレスを抱えていたため、別のCMSを利用することを検討されていました。
リニューアルの目的
- ユーザーが参加できるポータルサイトにする。
- CMSの操作性と拡張性を上げて、運用担当者の負担を軽減する。
- モバイル対応
抱えていた課題をもとに、このような目的をもってポータルサイトのリニューアルを行いました。
新サイトの特徴
リニューアルはレスポンシブデザインで行い、PC以外のデバイスにも対応できるようになりました。
機能も投稿やアンケート、掲示板などを搭載したことで、ユーザー参加型のポータルサイトになり、サイトが活発化、ファン獲得に大きく貢献しています。
また、CMSが変わったことによって、担当者様の更新作業の負担も軽減されたようです。
イシグロ様
デザイン
リニューアル当時の課題
釣り具の販売を行っている会社様で、店舗ごとに別々のブログサービスを使って記事の更新を行っていたため、ブログ全体に統一感がなく、ドメインもそれぞれ別で運用していたため、アクセスが自社サイトの財産となっていませんでした。ECサイト構築に伴い、釣り好きが集まり、ユーザー自身が釣り情報を発信できるユーザー参加型ポータルサイトを構築することとなりました。
リニューアルの目的
- 自社ドメインにアクセスを集中させる。
- ブログに統一感を持たせる。
- ECサイトへの送客。
抱えていた課題をもとに、このような目的をもってポータルサイトを構築しました。
新サイトの特徴
店舗ブログ、イベント情報、釣り方指南、ユーザー発信の釣り情報など、釣好きが集まるユーザー参加型ポータルサイトを構築しました。
シフトの独自開発CMS、「SITEMANAGE」を導入したことで、店舗の人が簡単にブログの更新ができるようになり、更新頻度が格段に上がりました。 (毎日10記事ペース)更新頻度が上がったことによりリピーターが増え、現在もアクセス数が伸び続けています。
また、SITEMANAGEのオプション、ひとつのシステムで複数のサイトを構築・管理できる「マルチサイトライセンス」をご利用いただき、ポータルサイトと同時にECサイトも構築しました。ひとつのデータベースを共用することで効率的なデータ管理が可能となり、コストも抑えて2つのサイトを構築しています。
積水化学工業様
デザイン
リニューアル当時の課題
製品のスペックを中心とした製品情報サイトを運用されていたのですが、システム化がされておらず、 配信したい情報はたくさんあったもののWebの担当者いなかったため公開できず、コンテンツの更新頻度やコンテンツのボリュームが少ないサイトとなっていました。
このような状況を踏まえつつ、「他社に先駆けてウェブサイトを活用したい」との思いから、CMSを導入し改善していくこととなりました。
リニューアルの目的
- 競合他社に先駆けてウェブサイトを活用したい
- 配信できていなかった情報の発信
- 更新頻度の向上
抱えていた課題をもとに、このような目的をもってポータルサイトを構築しました。
新サイトの特徴
製品資料の検索や課題別のソリューションを紹介しているBtoBユーザー向けポータルサイトを構築しました。
CMS導入後、製品やニュースの更新だけでなく、ニーズの高かったドキュメントを積極公開したところ 飛躍的にアクセスがアップしていきました。その後は会員システムを有効活用し、ユーザー分析/デジタルマーケティングを弊社も協力しながら推し進めています。
そのほかの事例
伊藤園様(専門型+ブログ型ポータルサイト)
江戸川区様(地域型ポータルサイト)
セガサミー(社内ポータルサイト)
ギャガ(映画専門型ポータルサイト)
など…。シフトではこれまで様々なポータルサイトを構築して参りました。デジタルマーケティングを意識したポータルサイト構築とその後の運用サポート・Webマーケティング支援まで全て社内ワンストップで行っております。
これからポータルサイト構築・リニューアルを検討されている会社様は、まずは制作事例をご覧ください。
シフトで制作するポータルサイトの特徴
1.自社開発のCMSパッケージ
すでに全ての機能がパッケージングされている製品では、必要のない機能にまでコストをかけることになり、結果として無駄が発生してしまいがちです。
また、ゼロからのスクラッチ開発では、サービスに合わせた全ての機能に対する要件を聞き取り、それに合わせた開発が必要になってくるため、開発期間が非常に長くなってしまいます。
既に完成された機能プラグイン選択式のSITEMANAGEなら、コスト面でも時間面でも最小限に抑えることができ、効率的に優れた構築が行えます。
2.柔軟なカスタマイズ
既に完成されたプラグインの組み合わせ、というと細かなカスタマイズが苦手と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。基本的な機能は用意されたパッケージでありながら、用途やニーズ、独自な業務フローに合わせたカスタマイズが可能な柔軟性もSITEMANAGEの特徴のひとつです。
既存のプラグインの改修はもちろん、新たな機能を追加することもできるカスタマイズを得意としており、その点をご好評をいただいております。
3.デジタルマーケティングに強い
多くのユーザーが集まるポータルサイトを構築するためには、SEO対策が必須です。SITEMANAGEは出力されるページのもととなるHTML、テンプレート自体がSEOに強い設計になっています。
URL構造やディレクトリ構造、構造化マークアップ、パンくずなど、サイトの設計段階からSEOを考慮して構築することが出来ます。
また、Webマーケティングの専門チームが社内にいますので、ポータルサイト構築後の集客支援をすることも可能です。SEO対策だけでなく、アクセス解析やリスティング広告、コンテンツマーケティングのお手伝いをさせていただきます。
4.マルチサイト対応
ひとつのシステムで複数サイトを構築・管理できるマルチサイトライセンスをご用意しております。複数のWebサイトを運用する場合でも、マルチサイトライセンスを用いればひとつの管理画面・ひとつのデータベースを共用して効率的な一元管理が可能です。これにより運用コストを抑えることが出来ます。
例えば、初めはポータルサイトだけを構築して、ユーザーのアクセスが増加したタイミングでECサイトを構築。同じ管理画面でポータルサイトとECサイトの2つを管理することが出来ます。
このように段階を踏んで構築することで、サイト構築後の運用失敗のリスクを軽減することが出来ます。
これまでシフトではポータルサイトを数多く手がけてきました。これから構築・リニューアルを検討されている方や、まだ明確なイメージがない方でもご要望に合わせたポータルサイトの企画・提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
ポータルサイトのまとめ
ポータルサイトは、様々な情報を発信することで、これまで接点のなかったユーザーと繋がることができる、Web集客において大きなメリットを生むWebサイトだと認識いただけたと思います。
ただし、ポータルサイトは構築よりも運用面が肝心になってくるため、構築する際はしっかり運用体制を整え、ポータルサイトを育てる気持ちで根気強く運用していく事が大切です。これまで弊社が作成してきたポータルサイトを参考に、理想のポータルサイトを構築してみてください。
また、ポータルサイトに関する特設サイト【ポータルの教科書】もあるので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!