会員制サイト構築のすべて。クローズド特有の機能と制作のポイント
はじめに
会員の方だけがWebサイトにアクセスできたり、一般ユーザーと会員ユーザーで閲覧できるコンテンツを制御したりできるのが会員制サイト。
その会員制サイトはクローズドサイトとも呼ばれ、運用する目的によってさまざまな種類があります。
種類や形態によって違いはあるものの、会員との関係を強化でき、製品やサービスの追加購入がしやすくなるというメリットは共通します。
この記事ではそんな会員制サイトのさまざまなメリットから、会員制にするがゆえのデメリット、必要機能などをWeb制作会社シフトの事例を踏まえながら紹介していきます。
これを読んで、失敗しないための会員制サイト構築方法を学んでいただき、自社に最適な会員制サイトを構築してみてください。
実際に株式会社シフトで構築した会員制サイトの事例については、こちらの資料で詳しくご紹介しています。
顧客満足度の向上や、会員ごとの情報内容の出し分けについて興味のある方は、ぜひ読んでみて下さい。
目次
会員制サイトとは
会員制サイトとは、会員登録したユーザーだけに向けて情報を発信したり、会員同士のコミュニティの場を提供したりできるWebサイトのことを言います。
基本的には会員登録したユーザーのみがすべてのページの閲覧・サービスの利用ができるタイプと、会員登録していないユーザーも一部閲覧・利用できるタイプの大きく2つに分けられます。
また、会員登録せずにすべてのサービスを利用できるものの、登録をすればさらに便利にサービスを利用できるタイプなどもあります。
このようにサイトを運営するサービス提供者側の目的によってさまざまな公開方式がとられるのが、この会員制サイトの特徴です。
まずは、Webサイトの公開方式についてご紹介します。
Webサイトの3つの公開方式
前述のように会員制サイトでは、すべてのユーザーに向けて公開する必要のない情報・公開できない情報を扱うこともある為、誰もがアクセス・注文等ができる「オープンサイト」ではなく、一部の会員のみが閲覧・注文できる「クローズド」、「セミクローズド」という公開方式をとるのが一般的です。
まずはこの「オープンサイト」、「クローズドサイト」、「セミクローズドサイト」3つ公開方式の違いについてご紹介します。
①オープンサイト
オープンサイトとは、一般ユーザーの誰もがアクセスできる一般的な公開方式です。
EC機能がついているオープンサイトの場合、マイページにアクセスする時や会員の方が注文する時にログインする必要があります。
②クローズドサイト
クローズドサイトとは、Webサイトを一般公開しない完全会員限定のサイトのことをいいます。
ユーザーがブラウザ上で見る公開側には、ログイン画面だけが表示されるケースと、会員登録の申請画面が表示されるケースがあります。
ログイン画面だけの場合には、クローズドサイトの運営管理者が管理画面で会員登録をします。
会員登録申請画面がある場合は、ユーザーが登録情報を入力して申請完了した後、管理者側に会員登録申請メールが届き、管理画面で承認することで、ユーザーのログインが可能になります。
このクローズドサイトは一般公開されていない為、SEO対策はできず検索エンジンからの新規顧客獲得は期待できません。そのため、特定の取引先やユーザーに対してあらかじめ会員登録申請の告知や案内をしておく必要があります。
新規顧客からの会員登録申請を望むのであれば、後述するセミクローズドサイトにするか、会員を募集するためのサイトを別で用意する必要があります。
株式会社シフトでは、三井不動産株式会社様の依頼により従業員向け(クローズド)のポータルサイトを構築を行いました。
サイト構築により各種手続きの簡易化を行い、業務負担の軽減を実現した事例の詳細はこちらの記事をご覧ください。
【導入事例記事】従業員の満足度向上を目的とした会員制サイトを構築!
③セミクローズドサイト(半クローズド)
セミクローズドサイトとは、一部の情報は一般公開するものの、商品を注文するためには会員登録が必須となるようなWebサイトのことを言います。
クローズドサイトとの違いは、ある程度情報を見せることによって、新規開拓ができるという点です。BtoBの卸売りサイトなどがこの形式よくとっています。
一般ユーザーには定価で販売、得意先の会員ユーザーには卸売価格で販売することも可能で、運営側の目的によってシステムのテンプレートをカスタマイズしていく必要があります。
セミクローズドサイトの中には、新規会員登録のために審査が必要なケースもあります。審査などなく、すぐログインできる場合は、誰でもが会員登録/ログインができるため、オープンサイトに近いサイトとなります。
会員制サイトは基本的に「クローズドサイト」と「セミクローズドサイト」のどちらかの公開方式を採用したサイトとなります。
それでは、この会員制サイトはどのような種類のWebサイトに採用されているのでしょうか?次は会員制サイトの種類とそれぞれの違いについて紹介します。
会員制サイトの種類
会員制サイトには「クローズドサイト」と「セミクローズドサイト」のどちらかの公開方式が採用されていると紹介しましたが、会員制サイトにはその特性を活かしたいくつかの種類のWebサイトが存在します。
ここではその会員制サイトの種類について紹介します。
会員制ECサイト
ECサイトとは、Eコマース(電子商取引)のサービスを提供するWebサイトのことで、いわゆるネットショップなどがこのサイトにあたります。
ECサイトの中には、会員登録せずに商品購入などをすることが出来るものもありますが、ほとんどのECサイトに会員機能が搭載されています。
一般的によく目にするのは、非会員でも商品情報が見ることのできて商品購入の際に会員登録が必要になるオープンサイトタイプです。しかし中には会員登録したユーザーだけの限定価格で販売されていたり、会員のランクによって販売価格が変わるようなセミクローズドサイトのようなタイプもあれば、会員にならないとアクセスすらできない完全会員制のECサイトなどもあります。
扱う商材や対象ユーザーがBtoC、BtoBなどの違いにより、ECサイトの運用の目的も変わってくるので、このような様々な公開方式が採用されます。
会員制情報ポータルサイト
会員制情報サイトは、会員にならないと閲覧できない情報があったり、資料ダウンロードなどができないサイトです。
芸能人やアーティスト等のファンクラブサイトなどもこれに該当し、会員限定のグッズ販売やコンサート・イベントのチケット先行販売などをするケースが多いです。
BtoB向けのサイトになってくると、競合企業に技術情報や資料ダウンロードなどをさせない目的や、顧客情報を獲得してそれを営業活動に活かすために会員制にするケースが多いです。
会員制カスタマーサポートサイト
会員制カスタマーサポートサイトというのは、サービスや製品の契約者だけがアクセスできて、そのサービスや製品に関する会員限定情報などが閲覧できたり、お問合せなどのサポートが受けられるようなサイトです。
このようなカスタマーサポートサイトは、サービスや製品を契約した際にメールなどが送られ、そのメールの中に会員登録の案内が記載されており、そこから登録してアクセスする流れになるケースが多いです。
会員制オンラインセミナー・動画配信サイト
会員にならないとオンラインセミナーが受講できなかったり、動画が視聴できないサイトのことです。
このサイトにはEC機能がついているケースも多く、有料会員・無料会員の両方が存在し、有料会員限定で視聴できるコンテンツが用意されていることや、セミナーや動画も一部有料コンテンツが存在するケースもあります。
会員ランクなどが設定される場合は、そのランクが上がるごとに視聴や受講できるコンテンツ増える仕組みにして、ユーザーさんがもっと上のランクに行きたいと思わせるような工夫をされていることも多いです。
社内ポータルサイト
社内ポータルサイトとは、社内の様々な情報とアプリケーションにアクセスするために、社員の方が最初に訪れる入り口となるWebサイトのことを言います。
社内の情報共有を円滑に行うため、社内報や社内FAQ、掲示板などの企業側から社員に見せたいの情報を多く扱い、事業部が多い企業ではログイン情報をもとに所属部署ごとに表示するコンテンツを出し分けたりするケースもあります。
基本的に社員向けの一般公開されていない機密情報も多く扱うため、セキュリティには十分注意が必要です。
社内ポータルサイトに関して詳しく紹介した記事があります。
社内ポータルサイトの概要を知りたい方はこちらをご覧ください。
社員が使いたい社内ポータルサイトとは?事例で学ぶ成功の秘訣
また、株式会社シフトでは、国内だけで29社を展開するセガサミーグループ共通の社内ポータルサイトを構築しました。
サイト導入に至った背景や、導入後の成果はこちらのインタビュー記事で詳しく紹介しています。
【インタビュー記事】従業員が毎日訪れる必要不可欠なサイトに…
会員制サイトはこの他にも様々な種類が存在しますが、運用の目的に関してはどのサイトも似たような理由から構築することが多いです。
次はWebサイトを会員制にするメリットについて掘り下げていきます。
会員制サイトを構築する4つのメリット
次にこの会員制サイトを構築するメリットについて紹介していきます。
①顧客との関係性を強化できる
一番のメリットはこの「関係性の強化」です。
ほとんどの顧客は、いきなりファンになるのではなく、最初の接点から何度か複数回接点を持つことで徐々にファンになっていきます。
その過程で重要なのが、個別でコミュニケーションをとるということです。会員登録したサイトにログインすると自分専用のマイページが表示されることがあると思いますが、こういった特別感のある演出も関係性を強化できるひとつのポイントです。
また、表示させるページの内容も、ユーザー全員に向けたものではなく、各顧客に合わせた内容にすれば、より密な関係を築けます。
その結果、商品やサービス・コンテンツの追加購入や継続購入につながりやすくなりますし、ファンが増えやすくなっていきます。
②会員限定のコンテンツを提供できる
会員サイトは誰もが閲覧できるWebサイトではなく、会員になった人だけが閲覧できるコンテンツが存在するサイトです。
そして、会員をやめるとそれらのコンテンツは閲覧できなくなります。
会員になった人だけが閲覧できる限定的な情報や動画などのコンテンツは価値が高まります。
「ここ(会員サイト)だけでしか見られない」情報は、会員になる動機付けになりますし、継続的にアクセスしてもらえる要因にもなります。
③固定顧客を増やせる
無料で登録できる会員サイトに登録したユーザーに、メルマガなどでイベントやお得情報を紹介、会員限定セールやイベント開催の情報発信をすることでファンを増やすことが出来るでしょう。
さらに、有料会員という会員のグレードを設けて特別待遇することで、無料会員から有料会員へ固定顧客を育成することが出来ます。
このように会員限定の特別サービスを提供することで、自社や自社商品に強い愛着を持ってもらいやすくなります。その結果、会員の家族や友人などの周辺人物に自社商品を紹介してくれるようになれば、新規顧客獲得にもつながるでしょう。
④ブランディング
会員制サイトが企業のブランディングに繋がる可能性も大いにあります。
その理由としては、会員限定でしか利用できないことに付加価値をつけて世間にアピールできるからです。
会員だけしか閲覧や買い物ができないという特別感が一種のブランド品のような役割を担い、ブランドや企業の品位を保つ手助けをする場合もあります。
会員制サイトにする3つのデメリット
ここまではメリットについて紹介してきましたが、会員制サイトにする事によって生じるデメリットについて紹介していきます。
①運用管理の手間がかかる
会員サイトに登録したユーザーには、継続してサイトを利用してくれるよう、それなりのメリットを定期的に提供していく必要があります。
例としては、お役立ち記事や写真などのコンテンツの提供や会員限定イベントの開催など、登録していない一般ユーザーとの差別化を強調した上で、定期的なサービス提供が必須になります。
②セキュリティへの懸念
会員情報は個人情報なので、その個人情報を取り扱う関係でセキュリティを強固にする必要性があります。
最初に借りるレンタルサーバーなどで、セキュリティサービスを重視しているものを選ぶなどの処置が必要です。
③制作に専門知識を要する
会員制サイトを制作する場合、複雑な機能やシステム要件、制作方法、運用方法をとることもあり、通常のWebサイト制作よりも専門的な知識が必要になるケースが多いです。
多少なりとも専門知識が必要になりますので、あまりそういった知識をお持ちでない方は、会員制サイトの制作実績やノウハウをしっかり持った制作会社にサポートしてもらいながら制作することをお勧めします。
会員制サイトの主な構築方法
会員制サイトを構築する際の方法として代表的な2つの方法について紹介します。
ASPサービスを利用する方法とCMSで構築する方法です。それぞれ見ていきましょう。
①ASPサービスを利用して会員制サイトを構築する
ASPとはインターネットを利用してwebサイトを作るシステムで、無料版と有料版とがあり、契約形態も各サービスによって異なります。
また、提供しているサービスによって、利用できる機能にも違いがあり、ASPサービスを選択するにあたっては、会員サイトに欲しい機能の有無を判断材料にする必要があります。
ASPサービスのメリットはいくつかありますが、一番の魅力はセキュリティ面をASPサービス側で担保してくれるという点です。
個人情報を扱う会員制サイトではこれはとても重要で、Web上では日々たくさんのウイルスやバグ、顧客情報を狙った攻撃が行われているので、それらを防ぐためのセキュリティ対策はとても重要です。
ほとんどのASPサービスは、セキュリティ対策として日々生産されるウイルスに対してバージョンアップをしてくれます。
会員制サイトの運営側からするとセキュリティ対策を担ってくれるのは、負担が減るので非常にポイントが高いです。ただ、どのような対策を行っているかはサービスによって異なるので確認が必要です。
ASPサービスを選ぶ上で気をつける点は、やはり機能面です。会員制サイト向けの機能があるかもそうですが、これから構築する会員制サイトの要件をその機能が満たしているかを確認することも重要です。
運用のことを見越して、しっかり機能を精査してください。
②CMSで会員制サイトを構築する
CMSとは、Contents Management Systemの略で、HTMLやCSSなどの知識をもたなくても、簡単にWebサイト・コンテンツの作成や運営、管理が行えるシステムです。
さまざまなWebサイトに使用されており、会員制サイトの構築にも広く使用されております。
CMSで構築する場合、「オープンソースCMS」と「パッケージCMS」、「クラウドCMS」の3つの選択肢があるため、それぞれの特徴と構築する際の注意点などについて紹介します。
オープンソースCMSで構築
オープンソースCMSとは、プログラムのソースコードが無償で公開されているCMSで、商用・非商用問わず誰でも利用することが出来ます。
その中でも圧倒的なシェアを誇っているのが「WordPress」です。オープンソースなので無料で利用することができ、商用・非商用問わず圧倒的なシェア数を誇っています。会員制サイトを構築する場合は、会員管理機能をもったプラグインを使えば構築することができます。
使い方も簡単で、プラグインをダウンロードして、WordPressが入っているサーバにインストールするだけです。プラグインも豊富で、自分の好みにカスタマイズできるのも魅力のひとつです。
WordPressで一番気をつけなければならないことは、セキュリティ面です。
利用者が多い分、攻撃者の的になることも多いのが実情です。特に会員制サイトの場合、会員データなどの個人情報を扱うことになるので、通常のWebサイト以上に注意が必要です。
WordPressにはセキュリティ用のプラグインが数多く用意されていますので、それらをうまく利用して、アップデートをこまめに行わなければなりません。
ただし、急にプラグインのサポートやアップデートが終わることもあるので、そのあたりも踏まえて検討する必要があります。
このようにセキュリティや管理が難しいため、商用として利用する場合は、WordPressを使った構築を得意とする制作会社に依頼をした方がよいでしょう。
また、WordPressは世界中の開発者がさまざまなプラグインを提供しているので、テーマが変更できないなど、柔軟性が低いのも否めません。
パッケージCMSで構築
パッケージCMSとは、CMSベンダーが独自に開発したCMSライセンスを購入して、自社サーバにインストールするタイプのCMSのことを言います。
オープンソースとは異なり、企業や組織などの商用利用を想定した機能が豊富にあり、これらを含めたCMSの基本機能がパッケージ化されているのが特徴です。
セキュリティを担保したい場合や、より高機能で自由度の高い会員制サイトを運用したい場合、サポートを充実させたいというのであれば、CMSベンダーが提供するパッケージCMSがおすすめです。
ただ、会員制サイトを構築できるパッケージCMSの場合、最初にライセンスの購入が必要になるため、初期費用が高くなる傾向にあります。
そのため構築する前にどんな機能が必要なのか、整理した上で検討する必要があります。
クラウドCMS(SaaS型)
クラウドタイプのCMSとは、クラウドサービス事業者が所有するプラットフォームを利用して、ネット上にWebサイトのデータを置き、管理・更新をするタイプのCMSです。
オンプレミスタイプのパッケージCMSと異なり、会員制サイト向けの機能があれば、機材の用意が不要で、初期導入費用が抑えられ、構築もスピーディに行うことが可能です。
ただし、利用している間はランニングコストが常にかかり、自由度の高さもオンプレミスタイプには劣ります。
CMSについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
CMSとは?種類や仕組み、導入時のポイントをわかりやすく解説!
会員制サイトは自社の目的に合わせて構築する
会員制サイトの構築にはさまざまな方法があると紹介してきましたが、どの構築方法が良いかを判断するには、自社の目的に沿った方法を選択する必要があります。
コスト、構築期間、セキュリティ、自由度の高さ。ASP、各CMSそれぞれにメリット・デメリットがあるので、どこを一番考慮しなければならないのか、自社の目的に沿って会員制サイトを構築しましょう。
会員制サイトに必要な機能
会員制サイトの構築方法まで紹介してきましたが、ここからは会員制サイトを構築するうえで必要となるさまざまな機能について紹介していきます。
機能に関しても運営するサイトの目的によって大きく異なってきますが、ここでは会員制サイトとして欠かせない機能を、会員ユーザーが閲覧する公開側と、運営側が閲覧する管理画面側に分けて紹介します。
公開側で必要な機能
公開側とは会員のユーザーが閲覧する部分で、ログイン画面などがそれに該当します。
まずは公開側に欠かせない機能について紹介していきます。
ログイン・ログアウト機能
ログイン・ログアウト機能は会員制サイトに必須の機能で、サイト利用時にマイページに入るためのログインと退出時にログイン状態を解除するための機能です。
ログイン方法も様々で、ソーシャルログインやシングルサインオンなどサイトを利用するユーザーに最適なログイン方法を用意することが一般的になっています。
マイページ機能
マイページ機能とは、会員情報の確認や変更、退会などが行える機能です。
ログイン・ログアウトと対になるような機能で、ほとんどの会員制サイトに搭載されている機能といえます。
会員制サイトの内容によっては、「お気に入り機能」「いいね機能」「見積依頼履歴」「資料ダウンロード履歴」などのデータを見るためのダッシュボード的な役割を果たします。
会員登録フォーム機能
名前、住所、メールアドレス、電話番号、ID、パスワードなどを入力し、会員登録をするためのフォームは、公開方式や運用方法によって要否が変わってくる機能なので、どういった運用にするかを明確にしたうえで検討する必要があります。
会員のパスワードは暗号化してデータを保持することが一般的です。
また、会員登録の流れも様々で会員登録申請を受け付けて、運用者側で承認行為をした時点でアカウントを発行するような流れで開発を行うことも多いです。
新着情報表示機能
ログイン後のマイページで最新情報を表示するための機能を搭載するケースも多いです。
会員制サイトなら、会員属性でセグメントして情報を出しわけることも可能です。
情報をパーソナライズ化して、ユーザーに最適な情報のみを提供することで、ユーザーの利便性を向上させます。
検索機能
商品、サービス、過去の記事などを調べるための機能です。
開発する際は「検索性能」にこだわります。検索キーの選定や、検索スピードを慎重に設計することが多いです。
検索対象のデータは膨大な際はデータベースのチューニングを行ったり、クエリを最適化します。
Elasticsearchのような全文検索エンジンを利用することで高速化を実現できます。
カート・購入履歴機能
EC機能が併設されている会員制サイトで必要になる機能です。
ショッピングカートは在庫数をチェックしたり、複雑な計算をしたりと実装が難しい機能です。
会員ログイン状態でカートに商品が入った時に割引をしたりする処理を行うこともあります。
管理画面側に必要な機能
管理画面とは、運営側の方が閲覧するWebサイトを管理する裏側の部分で、コンテンツを入力したり、会員情報を管理する画面のことです。
次は管理画面側で欠かせない機能について紹介していきます。
会員管理機能
会員登録されているユーザー情報の閲覧、変更、ダウンロード(アップロード)など、会員情報を管理するための機能です。
CRMとして利用する場合は、会員管理機能から各種ユーザーの履歴データを参照することができます。
参照することが多い履歴データは以下の通りです。
- 購入履歴
- ダウンロード履歴
- お問い合わせ履歴
- メール配信履歴
など
コンテンツ管理機能
最新情報やブログ記事、画像や動画などコンテンツを公開・非公開などするための管理機能です。
会員制サイトでは、会員をセグメントして情報を出し分けるように配信する機能を実装することが多いです。
メッセージ配信機能
メールマガジンやメーリングリストのほか、ユーザーへメッセージを配信するための機能です。
メール配信はユーザー数や配信頻度によってMTA(Mail Transfer Agent:メール転送エージェント)のエンジンの選定を慎重に行います。
外部のメール配信ベンダーのエンジンを利用したりすることが多いです。
AWSでシステム構築を行なっている場合は、SESを利用します。
問い合わせ管理機能
ユーザーからの問い合わせデータを管理・検索したり、対応・未対応などを振り分けて管理する機能です。
これらの機能を活用して実際に株式会社シフトで構築した会員制サイトの事例をまとめた資料がございます。
顧客満足度の向上や、顧客の囲い込みに興味のある方は、ぜひ読んでみて下さい。
会員制サイトを構築する際の5つのポイント
会員制サイトを構築すると、既存顧客との関係強化や固定顧客の増加などさまざまなメリットが得られますが、構築段階だけでなく運営にもコストや手間はかかります。
そのため、サイトの設計段階からしっかりと計画を立ててプロジェクトを進めていかなければ、本来の目的に沿わなくなってしまう可能性がでてきます。
そんなことにならないためにも、ここでは会員制サイト構築時の重要となる5つのポイントについて紹介します。
①目的を明確にする
会員制サイトを構築する際に一番大切なことは、目的を明確にすることです。これは会員制サイトだけに限った事ではなく、いろんなWebサイトにも言えることです。
例えば、会員制サイトを構築する目的が情報発信だけであれば、会員制サイトを作る必要もなくメールマガジンだけで事足りますし、コストも会員制サイトを構築するほどはかかりません。
会員制にすることで企業、会員(ユーザー)双方にどういったメリットがあるのか、デメリットの方が大きくはないかなどをしっかりと検討します。
まずは、大きなコストや手間をかけてでも会員制サイトという選択肢を選ぶ理由や目的を明確にして、次に必要な機能を整理していくとよいと思います。
②求める機能の精査
会員制サイトの必要性や目的の精査を行い、会員制サイトが必要だと判断したら、次はその目的を達成するためにはどういった機能が必要かを決めていきます。
商品の販売をするのであればカート機能はどういった仕様にすべきか、コミュニケーションが中心のサイトであれば、コメントの投稿やグループ作成機能などを連携して行えるかどうかなどを検討していく必要があります。
③システムの使いやすさ
次は、会員制サイトを構築するシステムが使いやすいかどうかを見ていく必要があります。
運営側はそのシステムを常に使うことになるので、それが操作しにくいものであれば、情報更新や問い合わせ対応が億劫になってしまったり、運営にストレスが溜まったりと、あまり使われないシステムになってしまいます。
そのため、できるだけ操作性は事前にデモ画面などでしっかり確認しておく必要があります。
複数人で運用を行う場合は、複数人の意見を聞きながら操作性を判断した方が良いでしょう。
株式会社シフトでは、セガサミーホールディングス様の社内ポータルサイトを構築しました。
グループ内の従業員が毎日訪れる理由は、その使いやすさにあるようです。
詳しくはこちらのインタビュー記事で紹介しています。
【インタビュー記事】従業員が毎日訪れる必要不可欠なサイトに…
④予算に応じた制作方法かどうか
多機能で使い勝手のよいサイトを構築すれば、企業、会員(ユーザー)お互いの利便性は上がるでしょう。
しかし、機能の数や種類に応じてその分コストも増えるのは確実です。取り入れる機能、削る部分、制作方法の選択など、予算内で最大限の効果を発揮できる方法を検討しなければなりません。
⑤セキュリティ対策
会員制サイトは多くのユーザー情報を管理し、ショッピングもできるEC機能があるサイトの場合、クレジットカード情報の管理も必要になってきます。
セキュリティ対策を怠ると、会員ユーザー、企業の両方に大きな損失が出てしまい、企業はユーザーからの信頼も失われます。
システム上のセキュリティは対策を万全にして、運営側でシステムを利用する従業員に対してもセキュリティ教育を行ったり、複数の従業員が管理画面を使う際は、各従業員の操作ログを記録して内部セキュリティを高めたりして、万が一に備える必要があります。
会員制サイト構築の手順と期間(シフトの場合)
会員制サイトを構築すると言っても、どのように制作を進めていくのかご存じない方も多いと思います。
ここではWeb制作会社のシフトで会員制サイトを構築する際の制作の進め方と、制作にかかる期間についてご紹介いたします。
①ヒアリング・要件定義
どのような会員制サイトを構築するのかヒアリングをして、要件を整理していきます。
週1回の定例ミーティングを2~3時間程行い、アクションアイテムを用いて、課題・質問を管理して、セッションカレンダーによるアジェンダ管理を行っていきます。
期間:2ヶ月から3ヶ月
②公開側・管理側設計
要件定義の内容に沿って、Webサイトのサイト構成の設計・ユーザーが見る公開側・CMSの管理画面側の画面設計を行います。
リニューアルする場合データ移行の必要性も出てくるので、データ移行計画、移行設計を行います。
期間:2ヶ月から3ヶ月
③デザイン作成
ターゲットユーザーのニーズや好みを踏まえて公開側のデザインしていきます。デザインは運営する会員サイトの目的などによって、デザインのポイントが変わってきます。
期間:1ヶ月から2ヶ月
④コーディング
作成したデザインをもとにHTMLをコーディングしていきます。
オープンサイトや、セミクローズドサイトの場合は、SEO設計に基づいたコーディングが不可欠です。シフトのコーディングチームには、SEOを考慮した独自の「コーディングガイドライン」があるので、それをもとにしっかりコーディングしていきます。
期間:1ヶ月から2ヶ月
⑤システム開発
コーディングしたデータをもとに、システムを開発していきます。
開発は案件によって内容が異なり、会員制サイトの場合対象サイトの要件に合わせて機能をカスタマイズするケースも多いです。どのような開発をするかによって、制作期間が変動します。
期間:2ヶ月から5ヶ月
⑥テスト
開発まで完了したら、会員制サイトが正常に動作しているかをシフト社内のテストチームがテストを行ないます。
期間:1ヶ月程
⑦引き渡し・受入テスト
シフトでのテストが終わったら、お打合せの場でCMSの操作方法をレクチャーして、お客様にシステムを引き渡します。
その後はお客様自身でコンテンツの登録などを実際に操作をしてもらい、不具合がないか受け入れテストを行ってもらいます。
不具合があれば随時対処を行い、リリース日に向けて微調整していきます。
期間:1ヶ月から2ヶ月
⑧リリース
テストを終えるといよいよリリースです。
リリース計画の内容に沿ってシフトでリリース作業を行います。
期間:1週間程度
シフトで構築する会員制サイト
ここでは株式会社シフトで会員制サイトを構築する際ポイントについて紹介します。
導入するシステムや、制作会社によって特徴が変わってきますので、業者やシステムの比較をする際に役立てていただけると幸いです。
CMSパッケージがあること
パッケージ化されていない製品では、必要のない機能にまでコストをかけることになり、結果として無駄が発生してしまいます。
また、ゼロからのスクラッチ開発では、サービスに合わせた全ての機能に対する要件を聞き取り、それに合わせた開発が必要になってくるため、開発期間が非常に長くなってしまいます。
既に完成された機能プラグイン選択式のSITEMANAGEなら、コスト面でも時間面でも最小限に抑えることができ、効率に優れた構築が行えます。
シフトでは会員サイト構築実績も多数あるため、プラグインが豊富なのも魅力です。
カスタマイズが可能
既に完成されたプラグインの組み合わせ、というと細かなカスタマイズが苦手と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
システム開発が行えるため、かゆいところに手が届くカスタマイズを得意としており、ご好評をいただいております。
株式会社シフトでは、CMSパッケージのカスタマイズを行い、三井不動産株式会社様向けの完全オリジナルサイトを構築しました。従業員の業務負担軽減を実現した事例の詳細は、こちらの記事をご覧ください。
【導入事例記事】従業員の満足度向上を目的とした会員制サイトを構築!
経験豊富なディレクターが在籍
会員制サイトの構築経験豊富なディレクターがプロジェクトをマネージメントします。
運用面で問題にならないようにアドバイスしながら仕様を決めていけるので安心です。
リリース後も担当ディレクターがアフターサポートの窓口を担当しますので、サポート対応がスムーズで、高評価を得ています。
お客様のご要望に合わせてカスタマイズして構築した会員制サイトの事例をまとめた資料がございます。
業界・業種などによって細かな要件は異なりますが、会員制サイトには共通する要件も数多くあります。
今後顧客の囲い込み戦略やLTV向上をご検討されている方は、ぜひご活用ください。
会員制サイトまとめ
Webサイトには「オープンサイト」「クローズドサイト」「セミクローズドサイト」3つの公開方式があり、会員制サイトはその公開方式をうまく利用することによって、多くのメリットが得られます。
通常のWebサイトに比べると運用はすこし大変にはなりますが、しっかりと目的と運用フローを定め、必要な機能を網羅して構築すれば、そのメリットを最大化することが出来ます。
この記事が少しでも会員制サイト構築の、お役に立てば幸いです。
また、シフトではこれまで数多くの会員制サイトを構築して参りました。
会員制サイトは一般公開できない事例が多いためここでは紹介できませんが、制作・構築に関するお悩みなどございましたら、是非お気軽にご相談ください。