マッチングサイト構築前に知りたい基礎知識!流行の背景や費用を解説
はじめに
現在注目度の高いマッチングサイトには、さまざまなものが生まれています。マッチングすることによって生まれる価値は無限大で、新たに運営や構築に乗り出す企業も増えているようです。
マッチングサイトにはさまざまなビジネスモデルや分類があり、制作会社にもジャンルによって得手不得手があります。大切なことは、マッチングサイトの基礎知識を身につけ、自社の作りたいサイトを実現してくれるベンダーを選ぶことです。
本記事では、マッチングサイトの基礎知識から流行の背景、マッチングサイト制作時のポイントや費用相場などをご紹介します。
シフトではさまざまなサイト制作についてのご相談を受けつけております。
記事の中では紹介できない事例もございますので、マッチングサイト構築について詳しいご説明をご要望の方は、こちらからご相談ください。
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目次
マッチングサイトとは
マッチングサイトとは「求める人」と「提供する人」を結びつけるサイトです。物を買いたい人と売りたい人、仕事を頼みたい人と仕事を求めている人など、マッチングサイトは社会にある需要と供給を結びつけることを役割としています。インターネットが一般的になり、場所を問わずに買い物や仕事ができる現代において、注目度の高いサイトです。
ミック経済研究所が発表する「コロナ禍で拡大した国内ビジネスマッチングプラットフォーム市場の現状と展望(2022年版)」によると、ビジネスマッチングプラットフォーム市場は2020年度が126億円、2021年度が174億円、2022年度が228億円と、2年間で2倍近くの成長を見せています。このままいけば、2027年度には555億円もの規模になると予測されており、今後も金融部門を中心に伸び続けるとされています。
マッチングサイト市場が拡大している理由
先述したように、マッチングサイトは現在非常に注目度が高く、市場は今後も拡大していくと予想されています。
ここからはマッチングサイト市場が拡大している理由を、流行の背景やマッチングサイトが提供する価値を交えながらご紹介します。
流行の背景
マッチングサイトが流行している背景にはいくつかの理由がありますが、「インターネットとスマートフォンの普及」「時代のニーズとの合致」が主な点として挙げられます。
総務省が毎年発表する「情報通信白書」によると、2021年のインターネット利用率(個人)は82.9%。このうち68.5%がスマートフォンを利用してインターネットにアクセスしています。
スマートフォンの普及でインターネットへのアクセスが気軽になったことにより、マッチングサイトでは以前よりも集客のハードルが下がっています。同時にSNSが普及したことで「顔の見えない相手」とやり取りすることへの抵抗感も低くなっています。
また、時代のニーズと合致したこともマッチングサイトが流行した一因です。具体的には、物を所有するのではなく共有する「シェアリングサービス」を選ぶ人が増えていることが挙げられます。
厚生労働省が2023年7月に発表した「毎月勤労統計調査」によると、同年5月の実質賃金(実際に受け取る賃金から物価などの影響を考慮した賃金のこと)は、前の月と比較して1.2%減。14ヶ月連続での減少となっており、物価の上昇に賃金が追いついていない状況です。
このような状況の中で「物をなるべく買わずに節約する」「物を持たないようにして心に余裕を持たせる」「一時的に必要なものはレンタル」と考える人が増えています。こうした需要から生まれたシェアリングサービスは、2021年には市場規模が2兆4,198億円となり、過去最高を記録。2030年度には、14兆2,799億円へと拡大すると予想されています。
シェアリングサービスだけでなく「繁忙期だけ人を雇いたい」「空いた時間を使って副業をしたい」といった細かなニーズが見えてきたことも、マッチングサイトを流行させていると言えます。
マッチングサイトが提供する価値
マッチングサイトが提供する価値とは「ユーザーのニーズに合ったものが見つかること」です。
物や情報が溢れている現代は選択肢が多く、人のニーズも多様化してきています。しかし一方で、物や情報が多すぎるあまり、自分が本当に求めているものを見つけられないという不便さがあります。
例えば転職を考えている場合、一般的にはハローワークに足を運んで求人票を見ながら、自分のスキルや求める条件と合う会社を探します。しかし、条件に合う会社をすべてチェックするのは労力がかかります。会社側も、応募された人材すべての書類に目を通して面接し、会社に合う人材を探すには多額のコストが必要です。そのような場合にマッチングサイトを介することで、自分のスキルを活かせる会社が簡単に見つかります。会社側も自社の求めるスキルを持った人材を紹介してもらえるので、適格な人材を選ぶことが可能です。
マッチングサイトの価値は、情報が多いが故の不便さを解消するものと言えます。
マッチングサイトで扱われる商品・サービス例
マッチングサイトと一言で言っても、マッチングされるものはさまざまです。
ここからはマッチングサイトで扱われる商品やサービスの例をご紹介します。
ビジネスマッチング
ビジネスマッチングとは、仕事を依頼したい会社と仕事がほしい会社をマッチングすることです。ビジネスマッチングのサイトを利用することで、豊富な企業の中から効率良くビジネスパートナーを探せます。現在では各分野に特化したビジネスマッチングサイトも多く、依頼をしたい分野の知識に疎くても専門家が仲介に入ることで、適したビジネスパートナーを選ぶことが可能です。
代表的なビジネスマッチングサイトには、以下のようなものがあります。
Web幹事
「Web幹事」は、Webサイト制作に特化したビジネスマッチングサイトです。サイト制作のプロが丁寧にヒアリングを行い、5,000社以上の中から自社の要望にマッチする制作会社を探してくれます。
比較ビズ
「比較ビズ」は日本最大級のビジネスマッチングサイトです。さまざまな専門分野でのマッチングを行っており、10万社以上のマッチングを行ってきた実績があります。一括見積が可能で、複数社を手軽に比較できるのも特徴です。
モノのマッチング
モノのマッチングとは、モノの売買やレンタルなどをマッチングすることです。モノを売りたい人、もしくはレンタルしたい人と、モノを買いたい人・借りたい人を繋げます。
売買を行うタイプのマッチングサイトは、現在フリマアプリが主流です。個人でも気軽に販売ができ、価格も自由に設定できます。購入する側も販売側に直接交渉を行えるなど、柔軟性が高いことが特徴です。一方で個人単位であるが故のトラブルも発生しやすいので、運営側はトラブル対処についても考える必要があります。
代表的なモノのマッチングサイトには、以下のようなものがあります。
メルカリ
「メルカリ」は日本最大のフリマサービスです。不用品などを出品し、購入希望者とマッチングします。販売されているものは、洋服やコスメ、スポーツ用品など多種多様で、これまでの出品総数は約20億品。非常に気軽に出品ができるため、若者を中心に人気となっています。
airCloset
「airCloset」は、服のレンタルサービス。約50項目の質問に答えることで、プロのスタイリストが選んだ服を毎月3着届けてくれます。場合によっては、特定のブランドの服のみをセレクトしてもらうことも可能です。
空間のマッチング
空間のマッチングとは、宿泊施設や駐車場などの場所をマッチングすることです。このほかにも会議室やイベントスペースなど、空間を所有している人と空間を借りたい人を繋げます。空き状況をリアルタイムで確認できるので、ユーザーが効率良く空間を利用できることが最大のメリットです。
特に民泊に関しては、外国人観光客の受入先や空き家の対策の一環として注目されており、国も民泊の開設を積極的に推し進めています。規模の小さい民泊を個人でも探せる民泊のマッチングサイトは、2011年以降利用者が増えているようです。
代表的な空間マッチングサイトには、以下のようなものがあります。
Airbnb
「Airbnb」は、世界中の民泊や別荘、コンドミニアムなどを予約できるマッチングサイトです。掲載数は600万件、利用者数は累計5億人という世界最大級の規模を誇ります。個性的な宿も掲載されており、古民家や農泊など非日常を感じられる宿も豊富に掲載されています。
Akippa
「Akippa」は、駐車場のマッチングサイトです。個人宅や事務所などの空きスペースを駐車場として貸し出したい人と、駐車場を探している人をマッチングします。予約と支払いがオンラインでできるので、利用者は当日指定された場所に車を停めるだけ。オーナー側も空きスペースを登録するだけなので、気軽に貸し出しできることが特徴です。
移動のマッチング
移動のマッチングとは、車や自転車、バイクなどの移動手段を貸したい人と、それらを利用したい人をマッチングさせることです。
経済産業省によると、世帯あたりの自動車の保有台数は減少しており、2015年以降はカーシェアリングが大きく台頭してきています。ガソリン代や車検、保険料などの維持管理費用が不要となることが、人気の理由のようです。また、買い物代行や料理の配達なども移動のマッチングの一種と言えます。
代表的な移動のマッチングサイトには、以下のようなものがあります。
Anyca
「Anyca」は、1,100以上の豊富な車種を揃えているカーシェアサービス。オーナーと直接やり取りをして、空いている時間に車を利用できます。オーナー側は利用に条件を付与できるうえ、利用後に双方を評価するシステムとなっていて、貸して問題ない相手か、借りて問題ない車かを判断しやすくなっています。
ドコモ・バイクシェア
「ドコモ・バイクシェア」は、ドコモが運営する自転車のシェアサービスです。オーナー側が電動アシスト自転車のポートを空きスペースなどに設置して、利用者はいつでも自由に利用できます。利用側はICカードで開錠し、クレジットカードやd払いなどで料金を支払って利用するシステムです。
スキルのマッチング
スキルのマッチングとは、スキルを所有している人とスキルを提供してほしい人をつなげるマッチングです。例えば「結婚式のウェルカムボードで似顔絵を描いてほしい」などの要望がある場合に、マッチングサイトを通じてスキルがある人を探し、依頼を行います。家事や育児のスキルを提供する対面型のものや、ライティングやデータ入力などの非対面型のものがあります。
2020年4月以降は、新型コロナウイルスの影響でテレワークになったこと、収入が減ったことをきっかけに副業を始めた方も多いでしょう。こうした方が、スキルのマッチングサイトを利用して副業を行う例も多く見られます。
代表的なスキルのマッチングサイトには、以下のようなものがあります。
ランサーズ
「ランサーズ」は日本最大級のクラウドソーシングサイトです。Web制作やデザインといった専門技術を必要とするものから、データ入力やポスティングなどそれほどスキルを必要としない仕事もあります。大手企業もアウトソーシングを利用しており、認定制度もあるなど、提供側、依頼側共に信用度が高いのが特徴です。
ココナラ
「ココナラ」は、スキルを持っている人とそれを購入する人を繋げるサービス。スキルや経験を登録し、それを求める人が仕事を依頼します。スキルのカテゴリが多く、依頼側は価格や内容などを比較しやすい特徴があります。
マッチングサイトのビジネスモデル
マッチングサイトには複数のビジネスモデルがあります。
ここでは、マッチングサイトにおける4つのビジネスモデルを紹介いたします。
成果報酬型
成果報酬型とは、ユーザー同士で取引が成立した場合に報酬が発生するタイプです。取引が成立した際、成約金額の何%かをサイト運営者の手数料として徴収するケースが多く見られます。
成果報酬型のメリットは、サイト開設におけるコストが少ないことと、ユーザーを集めやすいことです。トラブル対処などは必要であるものの、成果報酬型のサイトでは運営者自身がサービスを提供することはほとんどありません。そのため、サイト開設にかかる時間や金額が比較的少なくて済みます。また取引が成立しなければユーザー側の負担はないため、ユーザーが集まりやすいモデルです。
一方、取引が成立しない限り運営側の利益が生まれないので、マッチングしやすいシステムを構築したり、広告収入と併用したりするなどの工夫が必要です。
広告収入型
広告収入型は、アフィリエイト広告などをサイト内に表示することで、広告収入を得るタイプです。基本的にユーザーに利用料がかからないため人を集めやすく、またサイト開設にもそれほどコストが必要ないというメリットがあります。
ただし、ユーザー数が増えないと広告収入を得られない、SEOに配慮した高品質なコンテンツが必要といったデメリットも。収益化までに時間がかかるため、別のビジネスモデルと組み合わせたり、富裕層をターゲットにして興味のありそうな広告を導入したりなど、収益をあげられるようなサイト作りをしましょう。
反響課金型
反響課金型は、問い合わせや案件の発生など、何らかのアクションが起こった場合に手数料を徴収するタイプです。リード課金型とも呼ばれます。
掲載無料のためユーザーが集まりやすく、専門的なスキルを必要とする高単価の案件でも扱いやすいことがメリットです。
ただし、運営側は案件が発生しないと収益となりません。マッチングサイトは、あくまでマッチングをメインとしているため、SEO対策をしても効果が薄い傾向にあります。ほかのサイトと差別化を図るなどして、サイトを利用する価値をユーザーに分かりやすく提示することが必要です。
月額課金型(サブスクリプション)
月額課金型(サブスクリプション)は、ユーザーが毎月掲載料などを支払って利用するタイプです。マッチングサイトのビジネスモデルとしては最も収益の確度が高いと言えるでしょう。
一方で、掲載や登録していることのメリットを感じられなければ、ユーザーが離れていってしまいます。ユーザーがサイト利用のメリットを感じられるよう、利用者を増やして案件を発生しやすくしたり、コンテンツを充実させたりなどの努力が必要です。
また、ほかのビジネスモデルと比較すると、有料であるため掲載や登録のハードルは高いです。対策として初月無料にすることで最初のハードルを下げているサイトも多く見られます。
マッチングサイトの分類
マッチングサイトにはさまざまなものがあり、いくつかの種類に分類できます。
ここでは、ユーザーとマッチング方法での分類をご紹介します。
マッチングするユーザーで分類する
マッチングサイトは、ユーザーで分類される場合があります。ユーザーで分類をする場合には、ユーザーを一般ユーザーか、企業かで分類します。ここでは4種の分類をご紹介します。
BtoBマッチング
BtoBマッチングは、ビジネス(Business)とビジネスをマッチングするという意味を持ち、主に企業と企業を結びつけることです。仕事を依頼したい企業と、仕事がほしい企業を結びつける場合が多く、各業界に特化したマッチングサイトや、M&Aのマッチングサイトなどもあります。
市場規模はそれほど大きくありませんが、ビジネスにつながるために価値が高く、安定した収益をあげやすいことが特徴です。
BtoCマッチング
BtoCマッチングは、ビジネスと消費者(Consumer)、つまり企業と個人をマッチングさせることです。BtoCでは、企業が提供するサービスを個人が購入する形となり、代表例としてはECサイトがあります。このほか、不動産情報サイトや求人サイトなどもBtoCにあたります。
BtoCマッチングでは、カテゴリ分けやフィルターなどを充実させ、検索機能を便利にすることが重要です。
CtoBマッチング
CtoBマッチングは、個人と企業をマッチングさせることです。BtoCと逆で、個人が提供するものを企業が購入します。クラウドソーシングサイト、画像や動画を配布するサービスなどがCtoBに該当します。
CtoCマッチング
CtoCマッチングは、個人同士をマッチングさせます。代表的なものはフリマアプリです。このほか、駐車場のマッチングサービスやオークションサイトなども、CtoCに該当します。
個人同士のやり取りとなるため、気軽に利用できることが重要です。特にスマホで操作ができるようにするのは、必須と言えるでしょう。
マッチング方法で分類する
次にマッチング方法での分類をご紹介します。マッチングの方法は、主に下記の3つがあります。
プラットフォーム型
プラットフォーム型とは、ユーザー同士が直接やり取りをするタイプのサイトです。プロフィールや販売商品などの詳細をユーザーが掲載し、それを求めるユーザーが提供側に直接連絡をします。マッチングが成立した際に、手数料を徴収する場合が多いです。
代表的なものには、フリマアプリやクラウドソーシングサイトなどがあります。
仲介型
仲介型は、ユーザー同士が直接やり取りをするのではなく、間に専門家が入って交渉などを行うマッチングサイトです。専門家が仲介する分、手数料を高めに設定する必要がありますが、より深いニーズに応えられることが特徴で、特に人材紹介を行うサイトに多いです。
問い合わせ型
問い合わせ型は、ユーザーが求める内容を掲載し、それにマッチしているユーザーを紹介するタイプのマッチングサイトです。特にビジネスマッチングなど、内容や予算に細かい要望があるユーザー同士を結びつけるのに適しています。
マッチングサイトを構築する主な5つの方法
マッチングサイトを構築するには、いくつかの方法があります。
ここでは、サイト構築の代表的な5つの方法についてご紹介します。
1.スクラッチ開発
スクラッチ開発とは、ゼロからサイトを構築する開発方法です。テンプレートなどの決まったデザインや機能がなく、すべて自社独自のものを開発できます。非常に自由度が高く、独自の機能を実装したい場合や膨大なユーザーを管理する必要がある場合などに向いています。
一方で、ゼロから作り上げるために開発までに時間がかかることや、金銭的コストも大きくなりがちなことがデメリットです。開発を行うベンダーのスキルがとても重要になるため、ベンダー選びも慎重に行う必要があります。
2.パッケージ導入
パッケージ導入は、ベースとなるシステムを利用してサイトを制作する方法です。すでにベースが出来上がっている分、スクラッチ開発と比較すると時間やお金などのコストが削減可能で、カスタマイズができることが多いため、ある程度自由も利きます。予算や納期に制限があっても、独自性のあるサイトを作りたい場合に適しています。
一方で、オープンソースよりは価格が高いというデメリットも。またベンダーによって提供しているパッケージやカスタマイズの内容が違うため、自社の実装したい機能や希望するデザインなどの実現が可能なベンダーを選ぶ必要があります。
シフトで開発している自社CMSパッケージ「SITEMANAGE」には、マッチングサイトの制作実績もございます。
マッチングサイト制作の費用感が知りたい方や、他社はどのように構築しているのか聞いてみたい方など、ぜひお気軽にご相談ください。
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3.WordPress
WordPressはCMSの一種で、企業だけでなく個人でも広く利用されています。コーディングなどの特別な知識は必要なく、使い方を覚えれば、サイト構築に詳しくない人でもサイトを制作できます。一部有償のプラグインなどはありますが、基本的に無料で利用可能で、サイト構築の費用を抑えたい場合や、自社内で構築を行いたい場合に向いています。
ただし、カスタマイズをするためには、専門的なスキルが必要です。スキルがない場合には、用意されているテンプレートやプラグインをそのまま使用することになるため、独自性を出すのは難しいでしょう。
4.Osclass(オープンソース)
Osclassは、オープンソースのひとつです。会員登録やマッチング機能、検索といったマッチングサイトに必要な機能が一通り揃っています。無料なためコストがかからず、簡単にマッチングサイトを構築可能。シンプルでも良いので早くサイトを構築したい、構築のコストを抑えたいという場合に適しています。
ただし、Osclassは2019年9月にサポートを終了しており、バグなどのトラブルが起こっても開発元は対処してくれません。またOsclassの知見を持っているベンダーは少なく、開発先を探しにくいのもデメリットです。
5.ノーコード開発
ノーコード開発とは、コードをほとんど書かずに行う開発方法です。ノーコード開発ではサイト構築に関する知識がなくても、直感的な操作でサイトが作れます。コストも抑えられるため、知識はないが自社でサイト構築をしたい、コストを抑えたいという場合に向いています。
ただし、デザインや機能に制限があることや、カスタマイズを行うためにはベンダーへの依頼が必要といったデメリットもあります。
マッチングサイトに実装する機能
ではここからは、マッチングサイトに実装すべき機能についてご紹介します。マッチングサイトでは、基本機能として必要なものと、よりユーザーの使い勝手を良くする機能の2つがあります。
基本機能
- 会員登録機能
IDとパスワードを入力して登録するのが一般的ですが、近年ではSNSなどのアカウントを利用して登録する方法もあります。 - ログイン、ログアウト機能
- マイページ機能
- マッチング案件の一覧、詳細、検索機能
案件の一覧はもちろん、検索機能が充実していることは、ユーザーにとって大切なポイントです。ユーザーが検索をしやすいカテゴリやフィルターで絞り込みできるようにしましょう。 - マッチング案件の申し込み機能
- メッセージ機能
メッセージ機能があると、ユーザー同士でやりとりができます。メッセージ機能がない場合、ユーザーが別の連絡手段を利用して連絡を取り合うようになり、サイトを利用しなくなることも考えられます。 - メール・通知機能
- 問い合わせ機能
- 利用規約、プライバシーポリシー
- 運用者管理画面
サイトをさらに便利にする機能
- 決済機能
金銭のやり取りが発生するタイプのマッチングサイトでは、決済機能はほぼ必須です。顔の見えないユーザー同士で金銭の授受を行うことになるため、マッチングサイトが決済機能を備えていれば、ユーザーも安心して利用できます。 - 請求書発行機能
- ソーシャルログインなどSNS連携
- レビュー・口コミ機能
レビューや口コミ機能を実装することで、サービスやユーザーの評価に信頼性が生まれます。同時にユーザーやサービスの改善、悪質なユーザーの淘汰にもつながります。 - お気に入り機能
お気に入り機能があると、ユーザーが複数のマッチング先を比較検討できます。また、再度の訪問につなげることも可能です。 - ランキング機能
- レコメンド(おすすめ)機能
シフトではマッチングサイトに必要な多種多様な機能も、自社内でカスタマイズの設計・開発が可能です。
マッチングサイトの機能についてのご相談は、こちらからご連絡ください。
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マッチングサイト構築にかかる費用
マッチングサイト構築で気になる点と言えば、構築にかかる費用でしょう。
ここからは構築方法別の費用の目安や構築以外で必要な費用、構築費用を抑える方法をご紹介します。
構築費用
マッチングサイトを構築する費用は、構築方法によって大きく変わります。主な構築方法の相場は以下の通りです。
構築方法 | 費用の相場 |
スクラッチ開発 | 200万円~ |
パッケージ導入 | 100万円~ |
WordPress | 50万円~ |
オープンソース(Osclass) | 50万円~ |
ノーコード開発 | 100万円~ |
上記の金額は、あくまで相場です。構築方法以外にもサイトの規模や実装したい機能、マッチングサイトの種類などによって、金額は大きく変わります。
構築以外にかかる費用
マッチングサイトを構築する際には、構築以外の費用も必要です。ここでは、構築以外に必要な費用をご紹介します。
サーバーなどの維持費
マッチングサイトを開設するには、サーバーなどの維持費がかかります。具体的には、サーバーやドメインの利用料のほか、パッケージ導入の場合は、月額で保守費用が発生することもあります。サーバーは月に3,000円~2万円程度、ドメインは年に1,000円~5,000円程度、月額保守費用は5万円~50万円ほどが相場です。ただし、サイトの規模やベンダーのサービス内容によって金額は変わります。
これらはランニングコストとして、マッチングサイトを運営している限り必要となります。そのため、定期的に支払いを続けるだけの予算的な余裕を持っておく必要があります。
システム改修費用
近年では、ユーザーの意見を取り入れてサイトの改修を行い、良質なサイトにしていく例も多く見られます。またサイトで不具合が起こった際には修正などの対応もしなければなりません。これらにかかるシステムの改修費用も必要です。
ベンダーや改修内容にもよりますが、システムの改修費用は月に10万円以上あるとよいでしょう。
広告などの集客費用
マッチングサイトは、多くの人が利用することで価値が生まれやすくなります。そのための広告やSNSの運用にかかる集客費用も必要です。即効性の高い広告やSNS運用のほか、長期的視点での集客となるSEO対策にかかる費用も見込んでおきましょう。
集客費用は媒体や数などで変化しますが、月に10万円以上かかるとされています。
構築費用を抑える方法
ご紹介したように、マッチングサイトの構築にはランニングコストも含めてかなりの費用が必要となります。ただ、構築前にしっかり検討・精査を行うことで、費用は抑えることが可能です。ここからは構築費用を抑える方法を2つご紹介します。
実装する機能を精査する
マッチングサイトでは、必要な機能を精査することで構築費用を抑えられます。
精査で大切なことは、サイトの目的や要件を明確にすることです。目的や要件が明確になっていれば、本当に必要な機能が見えてきます。これにより機能に優先順位がつくので、本当に必要な機能のみを実装し、それ以外は余裕があれば実装するなどの対応ができます。
一般的にベンダーが1つの機能を開発するには、簡単なものでも数十万円程度かかるとされています。機能数を絞るだけでもかなり費用を抑えられるでしょう。
同時に、精査を行う過程である目的や要件の明確化は、ベンダーに正確な意図を伝える手段にもなります。これよって、無駄なコストを省くことも可能です。
複数社の見積もりをとる
複数社で見積もりをとることも、構築費用を抑える方法のひとつです。複数社で見積もりをすることで、価格が妥当かを判断できます。2社~3社程度の見積もりがあると、比較検討しやすいでしょう。
また制作会社によって得意分野は違います。得意分野によっても金額に差が出てくるため、各社のサイトなどを見て実績を確認することも大切です。
シフトでは優先順位の高い機能から実装するなど、柔軟に費用面のご提案をすることもできます。
マッチングサイト構築費用・SITEMANAGEのお見積りについて詳しく知りたい方は、こちらからお問い合わせください。
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マッチングサイトを作る際の2つのポイント
マッチングサイトを作る際には、特に意識をしておきたい2つのポイントがあります。ここではそのポイントを詳しくご紹介します。
1.競合との差別化を意識したサービスにする
マッチングサイトを作る際には、競合との差別化を意識しましょう。マッチングサイトは差別化が難しいサイトと言われており、競合同士で内容が似かよって、互いに利益があげられないという状況になりがちです。
こうした状況を避けるためには、企画段階から他社との差別化を図ることが大切です。例えば不動産のマッチングサイトなら、ターゲットを特定の地域に絞り、地域行政のサービスや地域イベント、住民の様子などのニッチな地域情報を掲載することで差別化を図れます。
自社にできることや強みなどを考えながら、ほかのマッチングサイトにはないサービスやコンテンツを発信しましょう。
2.サイト構築後の集客も視野に入れる
マッチングサイト制作の際は、構築後の集客も視野に入れておきましょう。マッチングサイトの価値は、サイトを作ることではなく、マッチングをすることによって生み出されるものにあります。そのため、集客をしてマッチングサイトを成長させ、ユーザーが満足できるサービスを提供することが重要です。広告やSEO対策など、集客のための施策を事前に考えておきましょう。
また集客対策は、サイト構築の段階からすでに始まっています。SEO対策やWeb広告などの集客を意識した構築を任せられるベンダーかどうか、依頼前に確認しましょう。
シフトではサイト制作からWebマーケティング支援までトータルでサポートしております。
SEO対策やWeb広告などの集客対策についてご興味をお持ちの方は、こちらからお問い合わせください。
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マッチングサイトの制作会社の選び方
現在日本には多くのWeb制作会社があります。その中から、自社の希望するマッチングサイトを制作してくれる会社を選び出すのは非常に困難です。自社に最適な会社を選び出すためには、制作会社のヒアリング能力や得意分野を見極めましょう。
ここからは、制作会社選びのコツについてご紹介します。
要望をしっかりヒアリングしてくれるか
自社の要望をしっかりヒアリングしてくれるかは、制作会社選びにおいて重要なポイントです。担当者ときちんとコミュニケーションがとれていないと、自社の要望と違うサイトになってしまい、無駄なコストがかかります。
依頼前に担当者と話をして、コミュニケーションが円滑か、対応は丁寧か、自社の要望を的確に汲み取る能力があるかなどを把握しましょう。
制作会社の得意分野を見極める
先述したように、日本には多くの制作会社があり、制作会社ごとに得意分野が違います。得意分野を見極めて、自社との相性が良いところに依頼をするのも、制作会社を選ぶ際のポイントです。
得意分野を見極めれば、自社の要望に沿ったサイトができやすいだけでなく、コストの削減にもつながります。制作会社の多くはホームページで実績を出しているので、得意分野を確認しましょう。担当者に予算や納期、スキルなどを聞いておくことでも、制作会社の得意分野が分かります。
マッチングサイト構築事例
ここからは、弊社シフトでのマッチングサイト構築事例をご紹介いたします。
株式会社ライフワン様
マッチングサイト構築の背景
株式会社ライフワン様は、家電製品・住宅設備機器の通販事業をはじめとして、住宅リフォーム事業や中古マンションのリノベーション・再販事業、学校やホテル、飲食店などといった施設のリニューアル事業など、住宅関連の事業を幅広く行っている企業です。
建築、改装案件をメインに施主会社と施工会社をマッチングさせることで、双方にとってよりよい事業展開を支援するサービスを提供したいというご要望のもと、マッチングサイト構築のご依頼をいただきました。
サイトの概要
新たに構築したマッチングサイト「店舗設計施工.com」は、飲食店や事務所などの工事を依頼する施主と、デザインや設計、工事を請け負う施工会社とをマッチングさせるBtoBサイトです。
マッチングまでの流れは、まず施主が依頼したい事項を案件として登録するところから始まり、それに対応できる施工会社が入札をします。その後、入札のあった施工会社について施主が比較・検討を行い、取引相手を決定することで成約(=マッチング)となります。
他にも、施主が依頼をしたい施工会社をすでに決めている場合は直接依頼することもでき、まず相談をしたい場合はライフワン様に依頼し、施工会社を紹介してもらうといった利用も可能です。
こだわりポイント
集客対策として、SEO対策を重視したサイトとなっています。また、案件を探しやすい充実した検索機能がポイントで、検索結果も詳しく、見やすい表示にしています。
施工会社の情報を詳細に登録することができるため、施工会社が自社の強みをアピールし、施主が施工会社の特徴をしっかり把握することで、より満足度の高いマッチングにつなげることができます。さらに、施主と施工会社の間でコメントをやりとりできるチャット機能も、マッチングをよりスムーズに進めるための機能です。
競合他社と差をつける独自性の高いマッチングサイト構築方法
マッチングサイトを構築する理由として、すでに競合他社が構築していたり、競合他社との差別化を図るために構築したりするケースがあると思います。すでに他社が構築している場合であれば、競合が提供できていない付加価値をつける必要がありますし、競合に先んじて構築する場合は、他社が簡単にマネできない独自の価値を顧客に提供していく必要があります。
そんなマッチングサイトの構築を検討したときによくある課題として、スクラッチ開発以外の既存システムやサービスだと自社独自の運用が実現できない、実現するためには高額のカスタマイズ費用がかかるなどがあります。そんな会社様におすすめしたいのが、シフトのパッケージ型CMS「SITEMANAGE」です。
ここでは、SITEMANAGEでのマッチングサイト構築の特徴をご紹介します。
SITEMANAGEでのマッチングサイト構築の特徴
SITEMANAGEでのマッチングサイト構築は、構築方法で取り上げた「パッケージ導入」に、お客様の要望にあわせてカスタマイズを加える形で制作されます。パッケージ化されたCMSにカスタマイズを加える方法は、パッケージ導入とスクラッチ開発の両方のメリットを受けることができます。パッケージ導入だけ、スクラッチ開発だけの構築では難しい、開発期間やコストの削減、運用や要望にあった機能の開発などをバランスよく実現でき、費用対効果の高いサイト構築が可能です。
マッチングサイトの構築をご検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
マッチングサイトの構築では、自分たちがマッチングサイトで生み出したい価値を明確にする必要があります。加えて、必要な機能や競合との差別化方法を考え、サイトの運営までイメージすることが重要です。
マッチングサイト構築のお悩みがあれば、お気軽にシフトにご相談ください。