事例に学ぶFAQサイト構築のポイント
はじめに
製品やサービスが溢れかえっている現代。カスタマーセンターには、日々多くの問い合わせがあり、スタッフの方は対応に追われていると思います。そのような状況を打破するために、近年活用されているのが「FAQサイト」です。FAQサイトを構築することで、カスタマーセンターの負担を削減するだけでなく、顧客満足度の向上にもつながります。
本記事では、そんなFAQサイトの作成方法からポイントまで広くご紹介します。参考にしていただき、FAQサイトの構築にお役立てください。
また、株式会社シフトでは業種・業界問わず数多くのFAQサイトの構築実績がございます。「こんなFAQサイトをつくれないか」「検索機能・レポート機能を充実させたい」などのご要望がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。⇒FAQサイト構築について相談する
目次
FAQサイトとは
FAQサイトとは、よくある質問を解決するためのサイトです。FAQは「Frequently Asked Questions」の略であり、直訳すると「頻繁にされる質問」という意味になります。FAQがあることによって、お客様が質問を自己解決できるため、カスタマーセンターなどに寄せられる質問対応の負担が大幅に軽減されます。
FAQサイトが活用できるのは、社外だけではありません。コールセンターに寄せられた質問への回答や、社内向けの手続きの方法などについても、FAQサイトを作成することで問い合わせをせずに解決が可能です。
Q&Aとの違い
FAQとよく似たものに「Q&A」があります。Q&Aは「Question and Answer」の略で、意味は「質問と回答」です。質問に回答するのはFAQと同じですが、FAQがよくある質問に回答しているのに対し、Q&Aはより幅広く、過去に実際に問い合わせのあった質問も含めて回答している場合が多いです。
ただ、Q&Aもすべての問い合わせに回答をしているわけではありません。そのため、比較的問い合わせの多い内容を掲載していることもあり、FAQとQ&Aに明確な線引きはされていません。
FAQサイトが増加傾向、その背景とは
FAQサイトが増加した背景には、インターネットの普及と製品の複雑化があります。
今でも家電などの商品には「取扱説明書」が同封されていますが、製品が複雑で「どこを読んだら問題が解決するのか分からない」ということも多いです。そのため、メーカー側は「よくある質問」を作り、特に多い質問への回答や解決できるページを別途示すようになりました。これがFAQの原型です。
さらに時代が進むとインターネットが普及し始め、もともと紙だった取扱説明書はデータ化されます。現代ではFAQ作成ツールなども販売されており、FAQがシステム化。多くの企業でFAQを採用するようになりました。
また昨今では「カスタマーポータル」を構築しているケースも見られます。カスタマーポータルとは、商品の利用者向けの情報を集約したサイトです。カスタマーポータルは、関連商品の訴求や個別の情報提供なども可能で、FAQよりも広い情報を提供するスタイルになっています。FAQだけでなく、新商品の紹介などを行いたい場合は、カスタマーポータルを検討すると良いでしょう。
カスタマーポータルについては、別の記事で詳しい内容を紹介しています。
カスタマーポータルとは?構築のメリットと注意点、成功事例をご紹介
FAQサイトに掲載されるコンテンツの種類
FAQサイトは、顧客満足度をアップさせることに加え、企業側の業務効率化を目的としています。そのため、これらを実現するためのコンテンツが必要です。ここからは、FAQサイトに掲載される主なコンテンツを7つご紹介します。
製品やサービスの利用・設定方法
製品やサービスの利用・設定方法は、FAQサイトの基本となるコンテンツです。基本的な使い方や設定など、利用する手順の中で、必要になる内容を記載します。例えば、初期設定や機能の利用方法、解約や返品の方法などです。
故障・トラブル時の対処法
FAQサイトには、故障やトラブル時の対処法も記載しましょう。「故障かな?と思ったら」というタイトルで、トラブルの内容と対処法を記載しているものが一般的です。
これらを試しても解決しない場合として、修理受付のページに誘導するFAQサイトも多いです。
修理受付
FAQサイトから修理受付もできると便利です。
電話やメール、問い合わせフォームなどに誘導し、修理依頼を受け付けます。修理の手順や、修理に関するFAQが同時に記載されていると、お客様も安心できるでしょう。
料金や支払方法
料金や支払方法についても、FAQサイトで明言しておきましょう。
価格設定はもちろん、クレジットカードや電子マネーでの支払いの可否、送料、オプションがある場合にはオプションの内容と価格などを記載します。
最新情報や更新履歴
製品に関する最新情報やアップデートなどの更新履歴も、FAQに必要な情報です。
最新バージョンの機能やアップデート、サポート終了など、リアルタイムの情報を発信します。
商品、サービスの規格
商品やサービスの規格も記載しておきましょう。BtoCではあまり利用されませんが、BtoBでは必要となることがあります。商品数が多い場合には、検索機能があると便利です。
技術情報
技術情報は、BtoBでの取引に必要です。BtoBの場合は、製品やサービスが技術的性質を持つことが多く、互換性やセキュリティなど、開発者向けに情報が必要な場合があります。こうした製品に関しては、技術情報に関するFAQを記載しておくと良いでしょう。
FAQサイトを構築する5つのメリット
FAQサイトを構築すれば、顧客満足度の向上、リソースの節約など、多くのメリットがあります。ここからは、FAQサイトのメリットを5つ、ご紹介します。
1.顧客満足度の向上
FAQサイトは、顧客満足度の向上につながります。なぜなら、ユーザーが欲しいと思った情報を、待ち時間なく入手できるためです。
FAQサイトがない場合、問い合わせをしてもすぐに回答は得られません。回答は翌日や休日明けになりますし、例え営業日の受付時間内に連絡をしても、混み合っていてなかなかつながらないこともあります。
FAQサイトがあれば、お客様が欲しいと思ったときに欲しい情報が手に入ります。日時を問わない上、画像や動画を利用してより分かりやすく説明することも可能です。正確な回答を、24時間365日、迅速に提供できます。
2.リソースの節約
FAQサイトがあることで、リソースの節約にもなります。
企業に寄せられる問い合わせは、同じ内容な上、かつ簡単に解決できる問題であることも多いです。これらすべてに対応することは、カスタマーセンターにとって大きな負担でしょう。
FAQサイトを作れば、お客様が問題を自己解決できるようになります。これにより、問い合わせの件数や応対時間が減り、カスタマーセンターではFAQで解決できないような問題のみに注力することが可能です。
3.ナレッジの蓄積と共有
ナレッジの蓄積と共有が容易なことも、FAQサイトのメリットです。過去にあった問い合わせやその解決方法などをFAQサイトに蓄積していくことで、スタッフのスキルに関係なく対応が可能になります。
属人化を廃せば「ベテランスタッフが質問ばかりされて、肝心のお客様対応ができない」「スタッフが退職して回答できる人がいなくなった」などの問題も起こりません。
誰が対応しても同じ回答ができることは、安心感や信頼にもつながります。
4.マーケティングへの活用
FAQサイトはマーケティングにも活用できます。サイトの閲覧数や減った問い合わせ、増えた問い合わせなどを分析することで、お客様のニーズを掴むことが可能です。
ニーズに的確に応える改善を行うことで、顧客満足度も上昇します。また現状の製品やサービスだけでなく、新しい製品・サービスを提供するための一助となります。近年ではFAQツールに分析機能が付いているものもあるので、活用すると良いでしょう。
5.ブランドイメージの向上
先述したように、FAQサイトは顧客満足度の向上が期待できます。そして同時に、ブランドイメージの向上も可能です。
同じクオリティでかつ疑問点に迅速に対応できることは、サイトや企業、製品やサービスに対する信頼となります。「この企業は対応が的確だし速い」というイメージが根付けば、該当する製品だけでなく、自社の他の製品やサービスの売上が上がる可能性もあります。
解決率の高いFAQサイトに共通する構築時の9のポイント
FAQサイトで最も重視されるのは「解決率の高さ」です。お客様は自分の求める情報を的確に、迅速に手に入れることを求めています。ここからは、FAQサイトでお客様の疑問を的確に解決するための9つのポイントをご紹介します。
1.FAQをカテゴリーで整理する
質問の数が膨大になる場合は、FAQをカテゴリーで整理して、お客様が情報を探しやすいようにしましょう。大きなカテゴリーはもちろん、そこからさらに細分化してカテゴリー分けをすると、情報が見つかりやすいFAQサイトになります。
例えば「製品の使い方」についてのカテゴリーを作ったら、さらに「初期設定の方法」「各機能の利用方法」「メンテナンス方法」などに分けて記載すると良いでしょう。
2.閲覧数の多いFAQをページ上部に表示する
閲覧数の多いFAQは、ページ上部に表示しましょう。Webサイトにおける視線誘導の方法はいくつかありますが、ユーザーの目線はほぼ上部からスタートします。そのため、目につきやすい上部に閲覧数の多いFAQを表示することで、お客様はすぐに情報に辿り着けます。
ユーザーが検索しているキーワードは、時期やトレンドによって変化します。その都度、注目度の高いFAQを表示させる仕組みになっていると便利です。
3.関連するFAQを表示させる
FAQサイトでは質問に対する答えだけでなく、関連するFAQも表示しましょう。関連する情報もわかることで、複数の不明点を同時に解決できます。
ただし関連FAQを表示させる場合には、お客様の行動分析が必要不可欠です。質問の理由や同時に持ちやすい疑問、解決できなかったときの行動など、徹底したユーザー目線で考えましょう。
4.レイアウトの見やすさを高めスマホ対応する
見やすいレイアウトは、FAQサイトにおいて重要なポイントです。カテゴライズや関連FAQの表示はもちろん、階層を浅くする、少ない手順で求める情報に辿り着けるようにするなど、ユーザーの使い勝手を考えたレイアウトにしましょう。
また、現在は多くの方がスマホで情報収集を行います。スマホからの閲覧を念頭に置き、スマホでも読みやすいサイトを意識しましょう。レスポンシブデザインを採用すると、パソコン、スマホのどちらからでも閲覧しやすくなります。
5.検索性能を高める
検索性能が高いことも、FAQサイトでは欠かせません。FAQサイトは内容が膨大になりがちなため、効果的な検索ができないと、情報に辿り着くまでに時間がかかってしまいます。
直接キーワードを入力して検索できる機能はもちろん、よく検索されているキーワードを上部に表示するなど、効率的な検索ができるようにしましょう。
6.適切に問い合わせ導線を設ける
FAQサイトでは、適切な問い合わせへの導線を作っておきましょう。いくらFAQサイトでも、お客様のすべての疑問を解決できるわけではありません。解決できなかったときのために、各ページに電話番号やメールアドレス、フォームへのリンクなどを記載しておくことで、スムーズな導線を作れます。
7.難しい用語を使用しない
FAQサイトでは、専門用語などの難しい用語は使用しないのが基本です。難しい言葉が使用されていると、検索がうまく機能しないだけでなく、お客様が理解できずにFAQサイトの利用を辞めてしまいます。
専門用語を利用しなければならない場合は、必ず解説を入れるなど、誰でも分かる内容を心がけましょう。
8.図や画像を用いる
図や画像を用いるのも、FAQサイトの解決率向上に効果的です。言葉では説明しにくいことも、図や画像があることで分かりやすくなります。
例えば、電源やスイッチの場所、画面の表示などは、画像があることで直感的に理解できます。図や画像の活用は、電話などの問い合わせではできないFAQのメリットです。
9.ツールの活用(チャットボット、メール配信、CRM)
ツールを活用することで、FAQサイトでの解決率をより高められます。
例えばチャットボットを利用すると、うまく検索ができなかったユーザーでも質問に答えるだけで回答に辿り着ける可能性があります。こうしたツールを効果的に利用すると、ユーザーのニーズを把握することもできるため、FAQサイトの改善にも役立ちます。
FAQサイト構築の流れ
FAQサイトを作る際には、情報の収集と整理、最適な構築方法を選択することが大切です。ここからは、FAQサイト構築の流れをご紹介します。
目標の設定
FAQサイトを構築するには、まず目標を設定しましょう。目標には重要目標達成指標(KGI)と、重要業績評価指標(KPI)の2つがあります。KGIは最終的な目標、KPIは最終目標までの中間的な目標のことです。KPIを段階的に設定しながら、KGIを目指していきます。
目標は具体的な数字を定めることが大切です。KPIなら「今月中に問い合わせの件数を8%削減する」「3ヶ月後には20%減少させる」など、達成時期と共に決めると良いでしょう。KGIの場合は「問い合わせの件数30%減」「顧客満足度15%増」「カスタマーセンターの対応時間20%減」のような目標を設定しましょう。
FAQの内容の準備
目標を設定したら、次にFAQの内容の準備を行います。準備は以下のような手順で進めましょう。
コンテンツに必要な要素を整理する
まずはコンテンツに必要な要素を整理します。一般的に必要なコンテンツは「FAQサイトに掲載されるコンテンツの種類」で記述した通りです。蓄積されている情報が、どのコンテンツに当てはまるのかを整理します。
イメージが難しい場合は、競合他社のFAQサイトを参考にするのも良いでしょう。
FAQに必要な情報を集める
次にFAQに必要な情報を集めます。基本的には、カスタマーセンターに寄せられた質問とその回答を収集します。問い合わせフォームやメール、電話対応のログなど、デジタルデータが残っていると情報が集めやすいです。
集めた情報を整理しまとめる
情報が集まったら、それらを整理してまとめます。まずは情報をカテゴライズし、各質問に重要度を設定して優先順位を決めていきましょう。その後、質問に回答します。
回答文は、ただマニュアルなどから抜き出すのではなく、問い合わせや修理依頼に誘導するなどの導線も考えましょう。
FAQの内容をチェックする
情報を整理して回答したら、内容をチェックします。回答に間違いがないかはもちろん、専門用語や社内用語が使われていないかも確認します。
ここで大切なのは、お客様の目線で見ることです。たとえ内容が正しくても、誤解を招いたり分かりにくい表現になっていたりすると、FAQサイトの効果が半減してしまいます。
また用語や呼称などは、レギュレーションを作って統一しましょう。
FAQサイトの構築方法を選択する
サイトに掲載する情報が決まったら、サイトを構築するための方法を選びます。FAQサイトの構築には、主に以下の4つの方法があります。
既存サイトに機能を追加して構築する
最も手軽な方法は、既存サイトにFAQの機能を追加することです。すでにWebサイトを所有している場合には、APSやCMSなどの既存のシステムを使ってFAQを構築できます。この方法であれば、コストを抑えることが可能です。
ただし、この方法では機能や要件が足りないこともあります。もしFAQに特化したサイトを作成する場合は、次から紹介する方法が良いでしょう。
FAQシステムで構築する
FAQサイトの構築には、FAQシステムを利用する方法があります。
FAQシステムとは、FAQを効率的に構築するためのシステムです。FAQサイトに必要なさまざまな機能が搭載されており、簡単にFAQサイトを作れるメリットがあります。分析機能が付いているものなら、マーケティングに活かすことも可能です。
ただし、FAQシステムはコストがかかります。オンプレミスなら200万程度、クラウドなら月額2~3万円程度です。
CMSで構築する
FAQサイトはCMSでの構築も可能です。CMSは操作が直感的で、初心者でも構築がしやすいメリットがあります。プログラミング言語の知識がなくても構築が可能な上、SEOやレスポンシブデザインにも対応しています。
一方でデザインが限られるなどのデメリットもあり、オリジナリティを追及するサイトには向きません。
スクラッチ開発で構築する
ゼロからシステムを開発するスクラッチ開発でも、FAQサイトの構築ができます。スクラッチ開発は自由度が高いため、自社の希望をすべて叶えたサイト構築が可能です。
ただし、開発期間が長く大きなコストもかかります。資金や納期に余裕のある企業でなければ、スクラッチ開発での構築は難しいでしょう。
サイトへの誘導方法を検討する
構築方法が決まったら、サイトへの誘導方法を検討しましょう。FAQサイトを構築しても、お客様に見てもらえなければ、意味がありません。
現在は、自社のWeサイトやメール配信、SNSなどサイトへ誘導する方法は豊富にあります。Webサービスやアプリを配信している場合には、そこからFAQに誘導するとスムーズです。
FAQサイトを公開
FAQサイトへの誘導方法が決まったら、いよいよFAQサイトの公開です。
ただし、FAQサイトは公開したら終わりではありません。その後もブラッシュアップを繰り返し、より良いサイトに改善していく必要があります。コンテンツがお客様の疑問を解決できているかはもちろん、情報が常に最新になっているか、時代にあっているかなども確認する必要があります。
FAQサイトでは、公開後も分析と改善を繰り返していくことが非常に重要です。
FAQ構築方法の選び方
FAQ構築を行う際には、先述した4つの方法があります。しかし、自社にあった構築方法が選べないと、無駄なコストをかけることになりかねません。ここからはFAQ構築方法の選び方についてご紹介します。
検索機能が充実しているか
FAQサイトは、膨大な数の質問と回答があります。そのため、検索機能が充実していることが非常に重要です。検索しても見つからなかったり、検索機能が使いにくかったりすると、ユーザーは離れていってしまいます。
キーワード検索以外にも、情報を絞り込んでの検索や自然文検索などもできると便利です。検索機能はFAQサイトにおいて非常に重要なポイントのため、よく検討しましょう。
レポート機能が充実しているか
FAQサイトにぜひ欲しいのが、レポート機能です。先述したように、FAQサイトはブラッシュアップを繰り返すことで、顧客満足度の向上や問い合わせ件数の削減などを目指していきます。これには、利用動向を分析できることがとても重要です。
レポート機能が充実していれば、分析とその後の戦略立案に大きく役立ちます。
データ移行ができるか
将来的にFAQサイトを大きくする予定がある場合は、データ移行が充実した構築方法を選びましょう。一括でのデータ出力ができることや、さまざまな形式での出力が可能であることが望ましいです。これらの機能がないと、FAQサイトを移行する際に大きな手間がかかってしまいます。
また今後の予定が分からない場合も、データ移行ができる構築方法をおすすめします。データ移行が可能な構築方法であれば、いざ移行となったときにも困りません。
データ連携ができるか
他のシステムとデータ連携ができると、より便利にFAQを利用できます。例えばCRMとデータ連携ができれば、問い合わせのあったお客様が利用している製品やサービスなどが分かるため、よりお客様の状況を把握した応対ができるようになります。また、問い合わせの内容をCRMに登録することで、以前の問い合わせも含めた対応が可能です。
他にもFAQでは、チャットボットや音声認識などの外部システムと連携できます。うまくデータ連携ができれば、業務効率化を図りながら質の高い対応ができるでしょう。
FAQサイトで最も重要な運用の6つのポイント
FAQサイトを公開したら、改善を繰り返しながら運用を行うことになります。ここからはFAQサイトの運用で重要な6つのポイントをご紹介します。
1.運用組織・ルールを作る
FAQサイトを運用するには、組織とルールを作りましょう。組織やルールが整備されていないと、FAQサイトが無秩序なものとなり、適切な運用ができません。
まずはメンバーを集めて各自の役割と運用のスケジュールを決め、レギュレーションやマニュアルを整備しましょう。
2.周知を徹底する
FAQサイトを用意しても、知られなければ活用されません。自社サイトやメール配信、SNSなどで周知を行い、利用を促すことが大切です。
また「利用することのメリット」を提示し、利用されやすくなる施策を実行するのも良いでしょう。
3.FAQは常に最新情報を掲載する
FAQサイトは、常に最新の情報を保つようにしましょう。古い情報を提供していると、ユーザーからの信頼を損なう可能性があるだけでなく、検索の妨げにもなります。製品やサービスなどが新しくなった場合には、古い情報を削除し、速やかに最新情報を掲載することが大切です。
4.ユーザーからのフィードバックを受けつける
ユーザーのフィードバックは、FAQサイトの運用において重要な情報となります。特に、FAQで問題が解決できているかは非常に重要です。もし問題が解決できなければ、そのFAQには改善の余地があるということです。
フィードバックを受けつけて的確に対応すれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
5.定期的にFAQを見直す
FAQは定期的に見直しをしましょう。ユーザーが頻繁に検索しているFAQが存在するか、内容が分かりにくくないかなど見直しを行うことで、利用されやすいFAQサイトにできます。
レポートの結果を踏まえ、ユーザー目線に立ちながら改善を行いましょう。
6.効果測定し改善する
先述したように、FAQサイトは改善し続けることが非常に重要です。FAQサイトとして効果的に機能しなければ、業務効率化も顧客満足度の向上も叶いません。それには効果を測定し、その結果を課題として解決する必要があります。
特に以下の2点は、改善における重要な指標となりますので、注目しましょう。
指標例1:0件ヒット数
0件ヒット数とは、検索回数に対して検索結果が表示されなかった回数のことです。つまり、それだけのユーザーが検索しても問題が解決できなかったことになります。そのため、この数を可能な限り低くしていくことが重要です。
これには、キーワードの見直しが最も効果的とされています。FAQの内容と検索されたキーワードを分析して、ユーザーが目的のFAQに辿り着けるようなキーワード設定を行いましょう。FAQサイトで問題解決がしやすくなれば、ユーザーの顧客満足度が向上します。
指標例2:FAQのクリック率
FAQクリック率とは、検索結果に対してユーザーがFAQをクリックした率のことです。この数値が高いほど、ユーザーの問題とFAQの内容が合致していることになります。
逆に低いようなら、ユーザーの問題とFAQの内容にズレが生じているということです。内容を精査して、質問文や検索結果の表示場所などを見直しましょう。
FAQサイトの構築事例
ここでは株式会社シフトで構築したFAQサイトについて紹介していきます。どの事例も自社開発のCMSパッケージ「SITEMANAGE」を各社様のご要望に合わせてカスタマイズして構築した実績です。
株式会社ブロードリーフ様
製品のサポート情報やセミナーなどのお役立ち情報、お知らせなど、ログインユーザーが契約している製品に関する情報が見られる、完全会員制のWebサイトです。ユーザーへの情報発信が一元化されておらず、情報収集が困難であったこと、また共通した問い合わせ内容が多く、人件費もかかっていたという背景もあり、サイトを新規構築しました。データ連携ツールを介して、顧客全体への配信、特定の業種・地域・製品を利用しているユーザー向け配信など、顧客ごとの情報の出し分けを可能にしています。
デジタルプロセス株式会社様
契約している製品に関するFAQ、製品の最新情報や使い方などの情報が閲覧できる契約者限定のWebサイトです。FAQなどの情報提供だけでなく、Web上で問い合わせのやり取りなども行うこともでき、運用者側はCMSの管理画面上で問い合わせに対する対応、対応状況の更新などもでき、CRM的な用途としてもご活用頂いております。
このほかにFAQサイトの構築実績がございます。最近ではFAQだけでなく、カスタマーサポートのさまざまな情報を集約させ、各ユーザーのログイン情報をもとにマイページを用意するカスタマーポータルとして構築されるケースが多くなっています。「顧客に提供する情報を一元管理したい」、「顧客データとWebを活用した多角的なコミュニケーションをとっていきたい」などの課題がありましたら、これまでの構築実績を踏まえて最適なご提案をさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
製品やサービスが複雑化している現代では、FAQサイトはユーザーにとって必須のものと言えます。また提供する側にとっても、業務効率化や顧客満足度の向上など多くのメリットがあるでしょう。ただ作るのではなく、ユーザーの目線に立ったFAQは企業のイメージもアップさせてくれます。ユーザーも自社も満足できるFAQサイトを目指しましょう。