SEO対策とECサイト集客!そのポイントと実践方法を解説
はじめに
「ECサイトでの集客が増えない」「なかなか購入につながらない」といった悩みをお持ちの担当者の方は多いと思います。しかし、ただ闇雲に広告を出したり、SNSでの宣伝を行ったりするだけでは、一時的に集客はできても安定的にサイトへの流入を促すことは難しいでしょう。長期的に安定した集客を行うためには、Googleのルールに則った中長期的な視点と、ユーザー目線に立ったUIや構成、コンテンツの提供などが大切です。本記事では、ECサイトで長期的な集客を行うためのSEO対策と、そのポイントについて解説します。
目次
ECサイトの主な集客方法
即効性のある広告やSNS
ECサイトの主な集客方法としては「自然検索」「広告」「SNS」の3つがあります。この中でも特に即効性があるのが、広告とSNSです。広告は有料で出す場合が多く、その場合、スポンサーとして検索エンジンの上位にサイトが表示されます。そのため、ECサイトへのアクセス数が上昇します。
SNSは検索エンジンのシステム上、SEOとの直接的な関係はありません。ただし、SNSは拡散力が高く、多くの人の目に触れることになります。そこからECサイトへのアクセスが増える可能性があります。
しかし広告やSNSが力を発揮するのは、あくまで短期的な施策です。即効性が期待できる反面、投稿や広告を辞めたことによって、流入が途絶えてしまいます。もし、中長期的なアクセスを集めるのなら、広告費用や投稿などのコストをかけ続けなければなりません。
中長期的に効果が見込めるSEO対策
広告やSNSが短期的な施策なのに対して、SEO対策は中長期的なアクセス増加が見込めます。先述したように、ECサイトの集客方法としては、広告やSNSの他に「自然検索」があります。自然検索はサイト流入の50%を占めるとされており、この流入を確保するためには、上位に表示されるためのSEO対策が有効です。
現在では、自然検索からの流入を確保するSEO対策に加え、広告やSNSを併用したプロモーションを行うのが一般的となっています。
SEO対策とは
中長期的なサイト運営にはSEO対策が必須と言えますが、SEO対策とは何なのか、具体的に何をすべきなのか、疑問に思う方もいるでしょう。ここではSEO対策の基本とやるべきことをご紹介します。
SEOとは?「検索エンジン最適化」の意味
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語に訳すと「検索エンジン最適化」です。自然検索で上位に表示されやすい施策を行うことで、サイトへのアクセスを増やすことを言います。
具体的には、クローラーの巡回をしやすくする内部対策、被リンクを増やして評価を高くする外部対策、読者ファーストのコンテンツを作成するコンテンツ対策などがあります。これらを続けていくことで、検索エンジンから「良いサイト」と評価され、検索上位に表示されるようになります。検索上位に表示されれば、アクセスやコンバージョンの増加が期待できます。
国内ではGoogle のルールに対応すべき
日本国内でSEO対策を行うのなら、Googleのルールに対応しましょう。現在日本で利用されている主な検索エンジンは、GoogleとYahoo!です。ただし、Yahoo!のSEOルールはGoogleと同様のものを採用しているため、SEO対策を行うのであれば、Googleのルールに従うのが最も効果的と言えます。
Googleでは「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」を公式に発表しており、SEO対策はこのガイドに沿っていることが基本です。加えて、Googleのアルゴリズムに適した内容であることも、上位表示の条件となっています。Googleは検索の仕組みについて「最も有用で関連性の高い情報を提供することを常に目指しています」と公表していますので、どうすればGoogleのルールに適したサイトになるのかを考え、実行することが大切です。
ECサイトのSEO対策で重要なポイント
ECサイトのSEO対策で重要なポイントは「適切なキーワード選定」と「ユーザビリティに配慮されていること」です。適切なキーワード選定とは、自社サイトに合っており、かつ多くの自然検索が見込めるキーワードの選び方。ユーザビリティとは、ユーザーの使いやすさ・有用性のことです。
これらに加えて、近年ではユーザーに有益なコンテンツを作成していることも、SEOで重要視されています。
キーワードの選定で、ECサイトのSEO効果を高める
キーワード調査と選定
キーワード選定は、SEO対策を行う上で非常に重要です。
まずは、自然検索でサイトに訪れてもらうため、ユーザーに検索してもらいたいキーワードを考えましょう。狙い目なのは「競合の少ない複合キーワード」です。
競合の少ないキーワードはライバルが少なく、上位表示がされやすくなります。また複合キーワードはユーザーのニーズを細かく絞ることで、ニーズに合った商品やコンテンツを提供しやすくなります。サジェストワード(関連度の高いワード)を活用すると、コンバージョンの可能性も高くなるでしょう。
検索ボリュームやサジェストを調べるには「ラッコキーワード」や「Googleサジェスト」「キーワードプランナー」などのツールがあります。Googleサジェストは、Googleの検索ボックスにキーワードを入力すると、自動で起動します。ラッコキーワードとキーワードプランナーは基本無料で利用できますが、キーワードプランナーは事前に広告の登録が必要です。
キーワードとカテゴリ一覧ページの設計
キーワードを設定したあとは、サイト構成(カテゴリ分け)を考えます。特に、ECサイトのようなデータベース系のサイトでは、適切なカテゴリ分けを行うことが重要になります。なぜなら、膨大なデータがあるECサイトでは、ひとつのページを見ただけでは、そのサイトの専門性や信頼性が分からないためです。適切な構成を作って、サイトの内容が分かりやすくなれば、専門性、信頼性、権威性が保たれ、適切な流入が見込めるようになります。
選定したキーワードでどのページがヒットするかと同時に、分かりやすい階層構造とカテゴリ分けを考えましょう。カテゴリ分けの一例としては、以下のようなものがあります。
- カテゴリ
- メーカー別
- シリーズ名
- 目的
- 用途
コンテンツSEOで幅広く対策
キーワードを調査してユーザーのニーズが分かっても、複合キーワードとして盛り込むことが難しかったり、商品を用意できなくてカテゴリが作れなかったりする場合もあるでしょう。そのような場合には、お役立ち情報などのコンテンツを作って対応する方法があります。幅広いキーワードから流入が見込めるようにしておけば、その分アクセス数はアップし、コンバージョン率も上がります。
SEOを意識したコンテンツ制作に関しては、後述する「コンテンツ制作で、ECサイトのSEO効果を高める」で詳しく解説します。
商品名やカテゴリは一般的な名称に
各ページにカテゴリ名や商品名などをキーワードとして登録することになりますが、その際、商品名やカテゴリ名は社内や業界内で呼ばれている呼び方ではなく、キーワードを検索するユーザーの事を考え、一般的な名称を選ぶようにしてください。
例えば先述した「キーワードプランナー」で各キーワードの検索ボリュームを検索すると、
「書類鞄」といったキーワードの月間検索ボリュームは320であるのに対し、「ブリーフケース」は9,900あります。同様に「アイウェア」が1,900に対し「メガネ」が165,000、「ナイトウェア」が1,000に対し「パジャマ」が49,500あるなど、登録しようとしている商品名やカテゴリ名が一般的により検索されているキーワードを選ぶことで、アクセス数が大きく変わってきます。
タイトルにキーワードを含める
ページタイトルに選定したキーワードを含めることも、SEOでは重要なポイントです。タイトルはページの内容を一言で表現するものであり、検索エンジンやユーザーに何のページかを伝える役割があります。分かりやすく魅力的なタイトル作りは、SEO対策を行う上で最も重要と言っても過言ではありません。
タイトルにキーワードを入れる場合に注意したいことは「読者の興味を惹く重要な情報」や「記事内容が分かるキーワード」を、なるべくタイトルの前半に含むことです。Googleではタイトルが長い場合、途中までしか検索結果に表示されません。そのため重要な情報やキーワードが後半にあると、ユーザーにページの魅力や内容が伝わりません。最初の30文字以内には、重要な情報やキーワードを含めるようにしましょう。
ディスクリプションの見直し
ECサイトのSEO対策では、ディスクリプションの見直しもしておきたいところです。ディスクリプションとは、検索をしたときにタイトルの下に表示される文章のこと。ディスクリプションはSEOというよりも、クリック率に大きく影響します。魅力的なディスクリプションを作って、ユーザーの興味を惹くことが大切です。
具体的には、ターゲットに響きそうな商品の特徴や自社にしかない独自性、お得感、安心感などを伝える内容を記載しましょう。ディスクリプションはより読者の興味を惹く文章を検証し、ブラッシュアップを繰り返すことで、SEO対策やクリック率上昇につながります。
ユーザビリティの向上で、ECサイトのSEO効果を高める
商品ページ・関連ページへの分かりやすい導線設計
商品ページや関連ページなどへの導線が分かりやすくなっていることは、ECサイトのSEO対策として重要な点です。サイトにアクセスした段階から、最終的に購入に至るまでの流れを想定し、快適で便利な導線を確保するようにしましょう。シンプルで直感的な操作が可能なUI、カートが常時表示されて、いつでも中身が確認できるなど、ユーザーにとって使いやすいことが最も大切です。
またサイトからの離脱を防ぐためには、関連ページを表示させると良いでしょう。ユーザーは「この商品が欲しい」と思って検索をしています。そのため、仮に表示された商品を購入しなかったとしても、同じ機能や性能を持つ別の商品を検討している可能性は高いです。関連ページを表示することで、離脱を防ぎコンバージョン率も上昇します。
またページ同士の関連性が高くなることで検索エンジンの評価も高くなるため、上位に表示される可能性も上がります。
ページの表示速度
ECサイトのSEO対策ではページの表示速度も配慮しましょう。Googleが2017年1月に発表したデータによると「表示に5秒かかると90%のユーザーが直帰する」とされています。こうしたことからGoogleでは2018年に「読み込み速度をモバイル検索のランキング要素として使用する」と発表しました。実際には非常にスピードが遅い一部のページにしか適用されないそうですが、それでもユーザー目線を重視すれば、表示速度が速いことに越したことはありません。
ECサイトを訪れるユーザーは、特に多くの情報を求めています。表示速度を速くしてユーザーのストレスが少ないサイトにすることは、優良なサイトの条件と言えます。
モバイルフレンドリーなサイトに
スマートフォンが普及し、多くの人がスマホで買い物を楽しむようになった時代。ECサイトも「モバイルフレンドリー」であることは、上位表示の大きな要件となっています。
モバイルフレンドリーとは、一言で言うと「スマートフォンで閲覧しやすいサイト」のことです。Googleは、2015年2月に「ユーザーがモバイルフレンドリーなサイトをもっと探しやすくする」と発表し、モバイル端末での検索では、モバイルフレンドリーなサイトを上位表示することを示唆しました。
パソコンでは見やすかったデザインも、スマートフォンになったらデザインが崩れて分かりにくくなるという例は多くあります。デザインが崩れてサイトが使いにくくならないよう、スマートフォンのUI対応も心がけましょう。
なお、自社のサイトがモバイルフレンドリーか分からないという場合には、Googleが提供する「モバイルフレンドリーテスト」が便利です。このテストでは、URLを入力するだけでモバイルフレンドリーなサイトかをチェックできます。
モバイルフレンドリーテストのリンクはこちら
コンテンツ制作で、ECサイトのSEO効果を高める
ユーザーにとって有益なコンテンツを
コンテンツ制作でSEO効果を高めるには、ユーザーにとって有益な情報を常に提供し続けることが重要です。先述したようにGoogleは「最も有用で関連性の高い情報を提供すること」を掲げており、アルゴリズムもこうしたコンテンツを上位表示できるように、常にアップデートされています。そのため、ユーザーにとって有益なコンテンツがあるサイトは、上位表示されやすくなります。
有益なコンテンツを作成する際には「サジェスト」を活用しましょう。サジェストはユーザーが特に興味を持って調べている情報であり、それに対応できる内容は有益なコンテンツとなり得ます。例えば「メガネ」のサジェストには、下記のようなものがあります。
例)
- 「メガネ(165,000)」
- 「メガネ マスク 曇る(4,400)」
- 「メガネ レンズ 外し方(4,400)」
- 「メガネ ズレ 防止(3,600)」
- 「メガネ レンズ 傷(2,400)」
※()内は月間の検索ボリューム
ここから読み取れるニーズは「マスクでメガネが曇るから、それを解決する方法を知りたい」「メガネのレンズを外して、クリーニングや交換をしたい。もしくは伊達メガネにしたい」「メガネがズレるのを防止したい」などです。
サジェストからニーズを読み取って、それに応えるコンテンツを作成することで、SEOの効果が見込めます。
なお、コンテンツSEOでは継続が大切です。ユーザーに有益なコンテンツが増えるほど、評価は高くなります。継続するのは労力が必要ですが、将来を見据えた貯蓄だと考えましょう。
ECサイトでSEO対策を行う場合の注意点
ページの重複
ECサイトのSEO対策では、ページが重複しないように注意が必要です。
「重複するページ」とは、内容が似通っているページのこと。例えば、同じ商品でも内容量やサイズ、色などが違う場合があります。これらについて個別にページが存在する場合、Googleでは「同じページの重複版」と判断し、そのうちの1つのみを正規として登録するシステムになっています。それ以外のページは基本的にダミーと判断され、データベースに登録されません。もちろん、検索順位は低くなります。
特に同じ商品のサイズやカラーが豊富に存在するECサイトでは、ページの重複はSEOに致命的なダメージを与えます。ページの重複を避けるには、以下のような方法で対策すると良いでしょう。
- 不要、もしくは重複するページの削除
- canonical属性タグを利用して、Googleに正規URLであることを伝える
- サイズや色が複数ある場合には、プルダウンメニューを利用して1つのページにまとめる
この他にも、Googleでは正規ページを指定する方法をいくつか紹介しています。詳しくはこちらをご覧ください。
販売終了ページの対処を行う
販売終了となったページに対しては、確実に対処を行いましょう。販売が終了しているのに、まだ販売しているように表記されていれば、ユーザーとしては嘘を吐かれているような気持ちになってしまいます。こうした不満はユーザーの満足度を下げ、Googleからの評価が落ちる一因となります。
販売が終了した場合には、404エラーを返すなど、すでに販売が終了していることがユーザーに分かるようにしましょう。商品数の少ない小規模なECサイトなら、ページは残しておいて類似する商品を紹介するなどの手法も可能です。もし再販の予定がある場合には「再販予定あり」と記載する、再販されたらユーザーに通知するなどのリマーケティングを行い、コンバージョン率をアップさせましょう。
情報保護のためのSSL化
ECサイトでは、情報保護のためにSSL化をしておきましょう。
法務省が発表する「令和4年版 犯罪白書」によると、令和3年のサイバー犯罪の件数は、1万2,209件と過去最高。サイバー犯罪は平成15年からずっと上昇傾向にあり、今後もデジタル化が進むことで増えていくと考えられています。
こうした状況の中、ECサイトでは情報の保護が必要不可欠です。お客様の氏名や住所、クレジットカード番号など、流出すれば犯罪に利用される可能性の高い情報を、ECサイトでは数多く扱っています。これらを守るためにサイトのセキュリティを強化することは、お客様だけでなく自社の信用を守ることにもつながります。
以前は個人情報などの一部をSSL化することが多かったですが、現在ではサイトの全ページをSSL化する「常時SSL」の方が、安全性が高く一般的となっています。また安全性の高いサイトは、Googleからの評価も高くなるため、SEO対策にも有効です。
ECサイトのSEO対策でよくある企業課題
SEO対策は、ECサイトでも必須となってきています。
ここからは、SEO対策を社内で行う際によく起こりがちな課題について記述したいと思います。
何から対策していいか分からない
SEO対策を行う際にまず起こりやすいのが「結局何から始めたらよいのかわからない」ということです。
その場合はまず現状を知ることが必要です。現在サイトへのアクセスはどのくらいか、どのページが一番良く見られているのか、競合サイトはどのような対策を行っているのか。これらの状況を把握したうえでまずは何から対策していくかを決めていくことが重要です。
キーワードの調査・選定が難しい
SEOの対策が決まった際まず行うべきはキーワード調査です。
先述した「ラッコキーワード」や「Googleサジェスト」「キーワードプランナー」などのツールを使ってキーワードを出すことは出来るかもしれませんが、無数にあるキーワードの中からキーワードを選定していく作業は、社内だけで対応するのは難しい作業となります。
効果的なコンテンツ制作が難しい
また、コンテンツの制作でSEO対策を行う場合、先述のようにページタイトルの中にキーワードを含めることが重要ではありますが、それだけでは対策が不十分な場合があります。
上位サイトの傾向や、ページの構成を意識して作成しないと検索上位が難しい場合が大半であるため、その場合は社内だけの対応では難しい場合がほとんどです。
SEOに強いECサイトの構築・対策はご相談ください!
弊社株式会社シフトでは、これまで様々なECサイトの構築・運用に関わってきました。
サイトの新規構築の場合は、キーワード調査からSEOを意識したカテゴリ設計まで、構築済みのECサイトの場合は、現状分析から各サイトに適した集客対策を提案しアクセスや売り上げの増加に貢献してきました。
「ECサイトのSEO対策を行いたいが、社内で対応しきれない!」「結局何から対策していいかわからない!」という場合は、まず株式会社シフトにご相談ください。
また弊社では、独自開発のCMS「SITEMANAGE」を使ったECサイトの新規構築も行っています。
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ショッピング広告の対応も可能
ショッピング広告は、Googleの持つ広告媒体の一種で、Googleでキーワード検索した際のショッピングタブ内に出稿できる広告です。
リスティング広告と違い、商品画像や値段・送料などを表示できるためクリック率が高く、ECサイトの集客施策として有効的な広告となっていますが、シフトではショッピング広告対応の相談も可能です。
Googleマーチャントセンターの登録が必要
ショッピングタグやショッピング広告に出稿・掲載するには、オンラインショップや実店舗の商品をGoogleマーチャントセンターに登録する必要があります。また、ショッピング広告を実施すれば必ず売上が上がるわけではなく、いくつかの要素をクリアしている必要があるため、やや専門知識が必要です。
ショッピング広告にご興味のある方はぜひ一度にご相談ください。
まとめ
ECサイトでは「キーワード選定」「ユーザビリティ」「コンテンツ」の3つを軸に、SEO対策を行いましょう。これらのSEO対策は、すぐに効果が出るわけではありません。行動、検証、ブラッシュアップを繰り返して継続していくことで、初めて効果が生まれます。紹介したポイントや注意点を参考にしながら、お客様の集まるECサイトを徐々に作り上げていきましょう。