カスタマーポータルとは?構築のメリットと注意点、成功事例をご紹介

カスタマーポータル

すでに自社商品を購入している顧客とのつながりは、事業を継続させるにあたって重要な要素です。リピーター獲得のため、メルマガや公式ラインなどさまざまなツール・施策を導入する企業も多いですが、最近では顧客育成・ナーチャリングに有効な施策の一つとして、カスタマーポータルが注目されています。

本記事では、カスタマーポータルを構築するメリットや導入方法など、必要な情報を網羅して紹介していきます。

また、株式会社シフトでは業種・業界問わず数多くのカスタマーポータル構築実績がございます。「こんなカスタマーポータルをつくれないか」「機能要件をうまくまとめられない」などの課題がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
⇒カスタマーポータル構築について相談する

カスタマーポータルとは

カスタマーポータルとは

カスタマーポータルとは、ユーザーがログインして利用できるよう設計された「会員専用のWebサイト」を指し、各会員はそれぞれ設定したIDとパスワードを使用してログインします。

クレジットカードの会員専用管理ページや通販サイトの会員ページもカスタマーポータルの一種です。

カスタマーポータルでは、アカウント情報の確認や支払情報の管理、サポートへのアクセス、製品の購入などさまざまな機能が備わっています。

他にもユーザーからのよくある質問や問い合わせフォームなど多くのサポートを提供しており、商品・サービスを利用した顧客は何かトラブルが発生した際、カスタマーポータルを訪れることで情報を入手して問題を解決できます。

カスタマーポータルの必要性

カスタマーポータルの必要性

既存顧客に情報を提供したり、質問に回答したりするだけならば、カスタマーポータルよりコストの低いメルマガや公式ラインを取り入れるべきと考える方もいるでしょう。

しかし、現代のユーザーはテクノロジーに精通しており、セルフサービスやコンテンツを好きな時間に快適な方法で利用したいと考えています。

わからない情報があれば可能な限り自分で問題解決を試み、どうしても対処しきれない場合のみ、カスタマーサポート等に問い合わせをします。

また、運営者に問い合わせる際も、簡潔かつ効率的なやり取りが求められているのです。

カスタマーポータルであれば、必要とされている情報を網羅的に提供できるため、ユーザーは自分が求めたタイミングで必要な情報へアクセスできます。

カスタマーポータルの3つのメリット

カスタマーポータルの3つのメリット

カスタマーポータルはサービスを提供する事業者側にも下記のようなメリットがあります。それぞれ具体的に解説していきます。

  • 自動化で作業効率を高めてコストを削減できる
  • 顧客行動の分析によりサービス品質を改善できる
  • ユーザビリティが高く顧客満足度の向上に繋がる

1.自動化で作業効率を高めてコストを削減できる

カスタマーポータルでは、顧客が知りたい情報を網羅的に提供しているため、セルフサービスのように顧客自身でトラブルを解決できます。結果として、同じ課題を持つ複数の顧客に対応する手間がなくなり、カスタマーサポートにかかる時間とコストの大幅な削減が実現します。

例えば、問い合わせ1件の対応に5分程度の時間を要する場合、1か月に50人の対応をすれば、合計で250分(約4時間)のロスが生まれています。

また、問い合わせに対応する従業員が他の業務も担当していた場合、本来対応すべき業務に集中できず、業務効率を低下させてしまう可能性もあるでしょう。

1件あたりの対応時間が短くても、積み重なれば大きな負荷になります。カスタマーポータルを活用することでカスタマーサポートにかかる時間の削減と業務効率化によるコスト削減を期待できます。

2.顧客行動の分析によりサービス品質を改善できる

カスタマーポータルを活用すれば、顧客行動やニーズなどマーケティングに重要なデータを収集できます。データと照らし合わせて実際に顧客ニーズにあったサービスが提供できているのか分析し、サービス品質の改善・向上に繋げられるでしょう。

もし、カスタマーポータルがなければ、顧客からの問い合わせ内容を収集し、収集したデータを別のシステムに入力した後、分析するといった複数の工程が発生します。

カスタマーポータルであれば、特定の製品を購入した顧客がサイト内でどのようなページへアクセスし、どのような製品や情報をチェックしているのかを管理画面等で把握できます。データの収集と分析を一括して対応できることも強みの一つです。

また、蓄積したデータをもとに改修すれば、より質の高い情報・回答を提供できるでしょう。

3.ユーザビリティが高く顧客満足度の向上に繋がる

カスタマーポータルはユーザー自らが求めている情報を集めやすい構造になっています。そのため、カスタマーポータルは運営者側の負担が減るだけでなく、ユーザーにとっても非常に利便性の高いサポートと言えます。

従来の問い合わせ対応では、担当者によって対応品質が異なり、対応したのが入社したばかりの社員なのか、ベテラン社員なのかによって顧客満足度に違いが生まれてしまいます。

カスタマーポータルであれば、知識を有した担当者が回答を入力しておくだけで、全ての顧客に適切で有益な情報を共有できます。そして、顧客はカスタマーポータルへアクセスするだけで、いつでもその情報を確認できるため、顧客満足度の向上にもつながります。

企業は顧客が自分自身で問題を解決しやすい環境を作る必要があり、そのためにはカスタマーポータルが必須となります。

カスタマーポータルにおける2つのデメリット

カスタマーポータルにおける2つのデメリット

このように、カスタマーポータルは現代のユーザーが抱える、可能な限り自分で問題を解決したいというニーズを満たすサポートです。

また、事業者側にとっても、カスタマーサポートに関するコストを削減し、顧客に関するデータを収集・分析するツールとして有効と言えるでしょう。しかし、カスタマーポータルもメリットばかりではなく、以下の2つのデメリットも考えられます。

  • すぐに効果が出ない場合がある
  • 導入に初期コストがかかる

1.すぐに効果が出ない場合もある

カスタマーポータルを導入してもすぐに効果が出ないこともあります。なぜなら顧客データがある程度蓄積しない限り、分析やポータルの改修・改善もできないからです。

そのため、最初は「カスタマーサポートの負荷を削減する」という用途を目的に導入してみましょう。また、ユーザーは慣れるまで使いにくいと感じてしまう場合もあります。

一度使いにくいと感じてしまうと、それ以降使用を避けるユーザーも少なくないため、サイト構築の際はUI/UX(User Interface/User Experience)に配慮しましょう。

2. 導入に初期コストがかかる

当然ながら、カスタマーポータルの導入には決して少なくない初期費用・運用コストが発生します。

導入するためのコストはもちろん、顧客データをもとにしてカスタマーポータルの改修・改善をしていくにも運用コストがかかります。あまりに出費を抑えようとすると、サービスの品質が落ち、顧客の満足度を下げてしまう要因となるため注意が必要です。

メリットで前述したとおり、カスタマーサポートの負荷軽減ができるうえ、削減コストを加味するとすぐに採算が取れるといっても過言ではありません。

短期的な損得だけを見るのではなく、長期的な目線をもとに導入・運用していきましょう。

カスタマーポータルを構成する基本機能

カスタマーポータルを構成する基本機能

カスタマーポータルには「すぐに効果が出ない」「導入にコストがかかる」といったデメリットもありますが、一方で顧客、事業者双方に与える大きいメリットがあります。

ここでは、カスタマーポータルの基本的な機能を紹介していきます。カスタマーポータルの導入にあたって具体的にどういった機能が利用できるのかを確認していきましょう。

会員管理機能

カスタマーポータルは会員主体のサイトであるため、前提条件として会員管理機能は欠かせません。会員管理機能では、会員の基本的な情報はもちろん、商品の購入履歴や決済方法などを記録できるでしょう。

カスタマーポータルの種類によっては、会員の属性ごとに分類・抽出して分析可能です。

このように、会員管理機能はデータの収集や分析にも利用できるため、会員のどういった情報が必要なのか、どのような分析を実施したいのか、などを前提に考えていくのも良いでしょう。

コンテンツ管理機能

カスタマーポータルサイトでは顧客に提供するコンテンツの管理機能も必要です。

製品に関する詳細情報や資料ダウンロード、動画の視聴、技術情報の共有など、ユーザーに役立つコンテンツの配信、管理が実施できます。

ここで提供するコンテンツも、日々得られる顧客の情報や問い合わせ内容をもとにアップデートしていくことで、さらなる顧客体験の向上を目指せるでしょう。

一方で、コンテンツの配信や分析情報をもとにしたアップデートを怠ってしまうと、カスタマーポータルのメリットを最大限発揮できないため注意しましょう。

メール配信機能

カスタマーポータルサイトでは各会員向けのメルマガの配信も可能です。

会員全員に対するメルマガ配信だけでなく、会員の業種や利用サービス、購入した製品といった、特定のセグメント分けされたメールの配信機能もあります。

こうしたメール配信によって、顧客が定期的にポータルサイトへ訪問する習慣がつくと、さらなる購買行動も期待できます。

リピーター獲得のためにも、各会員に有益なメールを日々配信し、接点を途切れさせないことが重要となるでしょう。

表示の出し分け機能

カスタマーポータルでは会員情報によって、各ユーザーがどのような製品・サービスを利用しているのか把握できます。

そのため、ログイン後に会員情報を参照して、そのユーザーが利用している製品・サービスの情報のみを表示させたり、関連情報(アップセル・クロスセル)を提示できます。

分析によって得られた情報をもとに、あらかじめ製品・サービスの内容を調整しておくと、顧客のニーズに沿った製品・サービスを提供できるため、常に網羅的な改善を心がけましょう。

見積依頼・決済機能

一部のカスタマーポータルでは、製品・サービスに関する見積や決済、請求書のダウンロードができるケースも見受けられます。過去の決済・請求書といった書類が必要になる際、紙媒体で管理してしまうと、書類の整理に無駄な労力がかかってしまいます。

こうした重要な書類もカスタマーポータルで管理されているため、必要となった時にダウンロード・印刷が可能です。また、見積書や請求書を、他部署・支店と共有する際にも、カスタマーポータル上で行えるため、業務効率化に役立ちます。

外部連携機能

カスタマーポータル以外に、会員情報や製品情報を管理する別のシステムを既に運用している場合でも、カスタマーポータルと連携すれば問題ありません。

複数のシステムを別々で管理している場合、各システムから必要な情報を入手しなければならず、業務においては非効率です。カスタマーポータルと連携してしまえば、一気通貫のシステムが構築できるため、業務効率化を実現します。

また、一部のカスタマーポータルではそれらのシステムと連携した上で、顧客ごとにカスタマイズされた情報を提示できる機能も搭載されています。

FAQ機能

ユーザーの疑問や質問に、チャットボットやよくある質問集などを設けて、疑問を解消する機能も見られます。ここでのコンテンツをどれだけ充実させていくのかが、カスタマーポータルを利用した顧客の満足度に大きく影響してきます。

そのため、一度投稿した後に放置するのではなく、定期的に顧客のニーズに合わせてアップデートをしていく必要があるでしょう。 また、問い合わせ内容から、顧客が求めている情報やサービスを分析し、メルマガ配信や製品の改善を繰り返していくことも重要です。

FAQ機能の詳細やFAQに特化したWebサイトについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。⇒FAQサイト記事のタイトルのテキストリンク

コミュニティ機能

企業と顧客だけでは解決できないことや、これまで解決してきた事例をコミュニティに掲載していきましょう。

コミュニティでは、顧客がどのように問題を解決してきたのか、解決に利用したアイデアなどを共有できます。これにより、顧客同士の連携を促し、企業に直接問い合わせなくとも解決できるような仕組みを構築できます。

顧客が企業へ問い合わせをしなくとも、自分で問題を解決できる環境を構築できれば、カスタマーポータルに対する顧客満足度も向上していくでしょう。

顧客同士のコミュニティをWebで活性化させていくためのノウハウを別の記事でご紹介しています。顧客同士のファンコミュニティをつくっていきたい、他社がどのようなコミュニティを構築していきたいかを知りたいという方は、こちらの記事をご覧ください。
企業のコミュニティサイト構築マニュアル!種類の違いや成功事例をご紹介

チャット機能

顧客体験を向上させるためには、顧客からのフィードバックが必要不可欠です。

「FAQ機能」や「コミュニティ機能」を利用しても、解決できない問題や質問がある際には、企業と直接コミュニケーションを取れるチャット機能が必要となるでしょう。

カスタマーポータルを導入した企業側も、こうしたチャット機能から得られた情報をもとに、各種コンテンツや販売している製品の改修と改善が求められます。

オムニチャネルサポート機能

顧客にとって満足度の高いカスタマーサポートを提供するために、どのようなチャネルからの問い合わせでも対応できるようにしましょう。

カスタマーポータルのオムニチャネルサポート機能ならば、電話やメールなど複数チャネルで問い合わせがあった場合にも、担当者同士で情報を共有し、スムーズなやり取りを進められます。

問い合わせるときのチャネルを限定しないため、「電話で質問を交えながら説明を受けたい」「いつでも見返せるようにメールで質問をしたい」など、顧客が希望したチャネルから利用できるようになります。

既にこのようなオムニチャネルサポートのデータをSFA/CRMツールなどほかのシステムで管理している場合は、そちらのデータベースと連携することですべてのデータを一元管理することが可能です。

カスタマーポータルを構築する方法

カスタマーポータルを構築する方法

では実際にカスタマーポータルを導入するには、何をすればよいのでしょうか。ここではカスタマーサポートを構築する3つの方法を紹介していきます。

どの方法を用いても、カスタマーポータルの導入が可能ですが、導入するためのコストやセキュリティ面など、いくつかのポイントで違いがあります。それぞれの特徴を把握した上で、事業や用途に沿った方法を選びましょう。

主にカスタマーを構築する方法としては以下の3つが挙げられます。

  • ASPサービスを利用する
  • CMSを利用する
  • スクラッチで開発をする

1.ASPサービスを利用する

カスタマーポータルを構築する手段のひとつとしてASP(Application Service Provider)が挙げられます。

ASPとは「業務アプリケーションを提供する事業者」という意味であり、ASPを利用すれば自社でサーバーを用意せずとも、カスタマーポータルを導入できます。

一般的に、ASPを利用すれば自社システムを開発しなくてよいため、ランニングコストを抑えられると言われています。

しかし、カスタマーポータルの場合、企業独自の機能要件がある場合も多く、ASPは汎用的なシステムとなっているため、要件が満たせない場合もあるので、注意が必要です。また、別システムで会員データ管理している場合そのシステムとの連携が必要になりますが、ASPだと他の方法よりも費用が掛かってしまうこともあるため注意しなければいけません。

2.CMSを利用する

カスタマーポータルを導入する方法としてCMS(Contents Management System)が挙げられます。WordPress、Movable TypeなどもCMSの一つであり、「Webサイトのコンテンツを構築・管理・更新するソフトウェア」を指します。

そして、CMSにもいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴を有しているため、自社の要件に沿うものを選びましょう。

オープンソース型CMS

オープンソースとは、プログラムのソースコードを一般的に公開し、誰でも自由に扱っても良いという考え方を指しています。企業で活用されているWordPressもオープンソース型のCMSです。

誰でも利用できるという特徴から、多くの人が使用しており、ネット上でも情報を収集しやすい点がメリットとして挙げられます。

一方で、ソースコードが公開されているため、セキュリティが甘くなってしまうというデメリットがあります。特にカスタマーポータルでは会員情報を取り扱っているため、セキュリティ面に理解の深いベンダーと協力して構築する必要があります。

クラウド型CMS

クラウドとはインターネットブラウザ上でサービスを利用できる形式を指します。

そのため、クラウド型CMSはインターネットを利用する環境さえあれば、すぐに導入できる点がポイントです。

IDとパスワードを発行するだけでドメイン取得など基本的な内容も含まれているため、簡単にカスタマーポータルを導入できるでしょう。

クラウド型CMSも自社でサーバーを管理しない手法であり、何かトラブルが発生した際、自社で復旧作業ができません。

また、あらかじめ提供されているサービスしか利用できず、後から特殊な機能を追加するということもできないため、事前にどういった機能が必要になるのか把握しておきましょう。

パッケージ型CMS

パッケージ型CMSとはベンダーが開発したライセンスを購入し、自社のサーバーにインストールすることで利用できるCMSです。

基本的な機能や特殊な機能を含めた上で、パッケージとして販売されているため、後から機能を拡張する手間も省けるでしょう。

また、自社のサーバーで管理するため、トラブル時にも迅速に対応できます。法人での利用を前提に開発されているため、中規模以上のサイトに向いていると言えるでしょう。

その他のCMSに関する詳しい解説は以下のページで紹介しているため、気になる方はチェックしてみてください。
CMSとは?種類や仕組み、導入時のポイントをわかりやすく解説!

3.スクラッチで開発する

カスタマーポータルを導入する場合、上記のようにASPもしくはCMSを利用するのが一般的です。これらのサービスを利用せず、自社でサーバーを立ち上げ、ゼロからカスタマーポータルを構築していく「スクラッチ開発」という手法もあります。

ゼロからシステムを構築していくため、他のパッケージやサービスには提供されていない、自社独自の機能を搭載したい場合に向いています。

また、既に開発・運用に必要となる人材がそろっているのであれば、他社にサービス利用料を支払う必要がなくなるため、費用を抑えられるかもしれません。

ただし相対的にみてスクラッチ開発でカスタマーポータルを構築する場合、費用が高く、構築期間も長くなってしまう傾向にあります。

パッケージ化されたシステムよりも独自性を持たせ、できるだけ費用と納期をおさえたいという場合にはパッケージCMS「SITEMANAGE」がおすすめです。SITEMANAGEについて詳しい内容はこちらをご覧ください。
⇒SITEMANAGEの概要を知る

カスタマーポータル構築時の4つの注意点

カスタマーポータル構築時の4つの注意点

ここまで読んで、本格的にカスタマーポータルの利用を検討されている方もいるでしょう。

ここでは構築する際の注意点について説明します。

具体的に、事前に把握すべきポイントとしては、以下の4つが挙げられます。

  • 要件定義が目的通りになっているか
  • 情報連携が要件通りになっているか
  • セキュリティに問題がないか
  • 構築・運用にかかる期間・コストは適切か

1.機能要件が目的通りになっているか

導入するカスタマーポータルが事業目的を達成する要件を満たしているかどうかは、前提条件としてとても重要になるでしょう。

そのため、実際に導入するシステムに、顧客が求めている機能、また事業者側が求めている機能が搭載されているのか、しっかりと把握しましょう。

また、予算は余裕を持っておき、導入後にもある程度は調整できるようにもしておきましょう。特に会員数やアクセス数、コンテンツ数によって構築費用やインフラの運用費は、想定よりも変動が大きくなるため注意が必要です。

他にもカスタマーポータルでは、ユーザー単位で見せてよい情報、見せてはいけない情報があります。これらの情報をユーザーごとに閲覧制御できているのかどうか、確認しておかなければいけません。

2.システム連携要件が整理されているか

カスタマーポータルは他の会員データや製品データを管理している別のシステムとの連携が可能です。しかし、実際にカスタマーポータルを導入する際には、それらのシステムとどのように連携させるのかといった、バックエンド側の設計も確認しておきましょう。

確認すべき項目としては、連携したいシステムの数やデータフォーマットの種類、データ量、連携時の処理速度などが挙げられます。

これらの項目をしっかりと把握し、整理した上で、各種システムとカスタマーポータルが連携できれば、業務効率化や管理コストの削減といった恩恵も受けられるでしょう。

3.セキュリティに問題がないか

カスタマーポータルでは会員情報を取り扱うため、セキュリティ面の重要度も高くなります。

東京商工リサーチの調査によると、2021年度において上場企業とその子会社で発生した個人情報の漏洩事故は137件で、漏洩した個人情報は574万9,773人分にも上ります。

このように、企業の規模に関わらず、個人情報の漏洩やセキュリティ面に気を配らなければいけません。

もし、企業が抱える個人情報が流出してしまった場合、大きく信頼が損なわれるでしょう。

一度でも大規模な情報漏洩が発生してしまうと、そうした企業のサービスに対してユーザーは個人情報を登録しようとは思いません。

さらに、個人情報の漏洩はプライバシー権の侵害に当たるため、裁判にまで発展し、損害賠償を請求される恐れもありますので、カスタマーポータルにおいても取り扱いに注意が必要です。

※出典:東京商工リサーチ「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故は、調査開始以来最多の137件 574万人分(2021年)

4.構築・運用にかかる期間・コストは適切か

カスタマーポータルを構築する際は、新しいシステムを導入する時と同様に、構築・運用にかかる期間・コストが適切かどうか、常に確認しながら進めていきましょう。

どのような機能を搭載するのか、どの程度の規模を想定するのか、などの要件が多岐にわたると、開発のスケジュールは大きく長引いてしまいます。開発期間だけでなく、保守にかかるコストも膨らんでしまうでしょう。最終的には、事前に定めていたスケジュールや予算を大幅に超えてしまったという事例も珍しくありません。

開発期間やコストも決められた制約内に収められるように、各ベンダーに要件を相談しながら進めていく事をおすすめします。

独自性の高いカスタマーポータルを構築するなら

独自性の高いカスタマーポータルを構築するなら

カスタマーポータルは自社の独自要件を必要とするケースが多く、ASPやCMSといったパッケージ化されたものでは要件を満たせないこともあります。その場合の選択肢としてスクラッチ開発を検討してみても、希望する納期や費用に収まらないことも少なくありません。

そんな場合におすすめしたいのがパッケージCMS「SITEMANAGE」です。SITEMANAGEは株式会社シフトが開発した完全オリジナルのパッケージCMSで、お客様の要望に合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。

一般的な機能はパッケージ化されており、必要最低限の開発で済むため、通常のパッケージよりも柔軟に、スクラッチ開発よりも短納期・低価格でカスタマーポータルを構築することが可能です。

製造業、建設業、ITなど幅広い業界の構築実績がございますので、カスタマーポータル構築をご検討中の方はお気軽にご相談ください。
⇒カスタマーポータル構築について相談する

カスタマーポータル構築事例

ここでは株式会社シフトが構築してきたカスタマーポータル構築事例をご紹介します。

三井不動産株式会社

三井不動産株式会社

オフィスビルや商業施設、ホテル・リゾート、ロジスティクスや住宅など、ビジネスとくらしに関するソリューションやサービスの提供を行っている企業様です。

Webサイトの概要

三井不動産株式会社様が開発したMFLP市川塩浜Ⅱにおいて、物流施設の建物管理者がテナント従業員に対して、施設関連のさまざまな情報を提供するポータルサイトになります。ログイン情報をもとに、テナント従業員、建物管理者、お弁当業者のそれぞれ3つにコンテンツが出し分けられ、このWebサイトのメインユーザーであるテナント従業員は、サイト内でお弁当注文、施設予約、カフェテリアの混雑状況の確認ができるようになりました。また今後、他テナント展開も実現できるように設計しております。

SITEMANAGE導入の目的

テナント従業員の方の従業員満足度向上のために、施設の予約手続きを簡易化、お弁当の注文を簡単にできる仕組みを検討。

上記のともなう運営側の業務負担の軽減。

SITEMANAGE導入後の成果

施設予約やお弁当の注文など手続きなどの業務効率化

テナント従業員の方がどこにいても即時情報を届ける仕組みの実現

三井不動産様の事例についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
従業員満足度向上を目的とした会員制サイトを構築!各種手続きの仕組み化で業務効率化も実現

株式会社ブロードリーフ様

株式会社ブロードリーフ

独自開発のIT基盤「Broadleaf Cloud Platform(BCP)」を起点に、SaaSやマーケットプレイスなどの企業向けクラウドサービスを展開している企業様です。

Webサイトの概要

製品のサポート情報やセミナーなどのお役立ち情報、お知らせなど、ログインユーザーが契約している製品に関する情報が見られる、完全会員制のカスタマーポータルです。データ連携ツールであるASTERIA Warpを介して、顧客全体への配信、特定の業種・地域・製品を利用しているユーザー向け配信など、顧客ごとの情報の出し分けを可能にしています。

SITEMANAGE導入前の課題

顧客への情報発信が一元化されておらず、顧客自身での情報収集が困難な状況になっていた。

そのためカスタマーサポートへの問合せが非常に多く、人的コストがかかっていた。

SITEMANAGE導入後の成果

会社および顧客DXの促進

情報発信場所の集約による部署ごとの業務削減

Web請求書への切り替えによる郵送費用の大幅削減

ブロードリーフ様の事例についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
カスタマーポータル構築でDX促進!パーソナライズした情報提供でテックタッチと業務削減を実現

そのほかにもここではご紹介しきれないカスタマーポータル構築事例がございます。「こんなカスタマーポータルをつくれないか」「構想はあるがうまく要件をまとめられない」などの課題があれば、お気軽にご相談ください。
⇒カスタマーポータル構築について相談する

カスタマーポータルを顧客接点として活用しよう

自社の商品・サービスを利用した顧客との継続的なつながりを保つことは、事業の運営において非常に重要なポイントです。

しかし、顧客との関係を維持し、より深い関係を築くには現在の顧客たちが抱えるニーズに対して、的確な情報やサービスを提供しなければいけません。

最近のユーザーはインターネットやSNSの使い方が上手く、人によってさまざまな方法で多くのプラットフォームを活用しています。商品・サービスの購入後、何かトラブルが発生した際にも、可能な限り自分で問題に対処したいと考える顧客が多くなっています。

企業が提供する各種プラットフォームに対して、自ら問題解決できる機能や必要な情報へ簡単にアクセスできる管理画面など、セルフサービスのような利便性を求める傾向にあります。

カスタマーポータルを導入することでユーザーが必要な情報をコンテンツとして配信・管理できるため、現代の顧客が抱えるニーズに応えることができるでしょう。

顧客情報の管理やカスタマーサポートにかかるリソースを削減したい企業担当者の方は、ぜひカスタマーポータルの導入を検討してみてください。

独自性のあるカスタマーポータル構築に欠かせないパッケージCMS「SITEMANAGE」の概要がわかる資料をこちらからダウンロードいただけます。
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お電話でのご相談窓口

03-5847-1281

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